とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

W杯アジア最終予選第6戦 UAE対日本

 実にすばらしいゲームだった。これまでの代表のゲームを振り返っても、最高に近い内容だった。最後まで戦う姿勢。思い切ったプレー。見事なシュート。キックオフからタイムアップまで、全ての選手が一時も緩むことのないすばらしいサッカーを展開してくれた。そして苦手UAEに対して初めてアウェイでの勝利を挙げた。2連敗の悪夢を振り払った。これでグループリーグ2位。勝ち点でサウジアラビアに並んだ。次のタイ戦も確実に勝利して、W杯出場へさらに近付いてほしい。

 UAEはピッチのサイズを横幅4m縮めるという奇策まで弄して、日本戦に備えてきた。オマル・アブドゥルラフマンを右SHに据える4-4-2の布陣。日本は大迫のワントップに右SH久保、右IHに香川。そして負傷欠場の長谷部に代わって今野が左IHで先発した。アンカーは山口。両SBは右SB酒井宏樹と左SB長友。序盤から日本が積極的に攻めていく。

 5分、CB森重のフィードを右SH久保が落とし、CF大迫がシュート。しかしこれは当たり損ね。7分にはCH山口の縦パスを左SH原口が落とし、CF大迫がミドルシュートを放つ。UAEはやはり右SHオマル・アブドゥルラフマンが中心。彼にボールを集め、展開しようとするが、左IH今野がしっかりとケアして自由にパス出しをさせない。12分、CHイスマイルがミドルシュートを放つが、左に外した。

 そして14分、右SB酒井宏樹の縦パスに抜け出した右SH久保がGKのニアを打ち抜くすばらしいシュート。日本が幸先よく先制点を挙げた。UAEも20分、左SHハマディのドリブルから右に流すと、FWマブフートがGKと一対一。しかしシュートはGK川島がファインセーブで弾き返す。このゲーム最大のピンチをGK川島が救った。

 その後もUAEが必死に反撃するが、この日の日本はみんな集中している。28分には右SH久保が切れ込んでミドルシュート。45分にはスローインから左SH原口がうまくマークをかわして前を向き、ドリブルからシュートを放つ。UAEアディショナルタイム、右SHオマルがFKを放つが、大きく外す。前半は1-0。日本リードで折り返した。

 後半に入ると、UAEがさらに前への圧力を強めてくる。3分、左SBサンクールのクロスにFWマブフート、さらに左SHハマディが飛び込むが、わずかに届かない。4分には右SHオマルから右SBハイカルがクロス。左SBサンクールシュートを放つが、DFがしっかりブロックする。そして6分、CB吉田のフィードをCF大迫が落とし、右SH久保が切り返してクロス。左SH原口がDFを連れて中に絞り込んだファーサイドに左IH今野が上がり、ワントラップからシュート。日本が追加点を挙げた。

 その後も日本の守備が集中している。15分には左SB長友のクロスにCF大迫がヘディングシュート。GKエイサがファインセーブを見せる。そして19分、UAEはCHイスマイルに代えてオマルの兄弟、ムハンマド・アブドゥルラフマンを投入する。22分にはFWマタルがミドルシュート。日本も26分、右IH香川に代えて倉田を投入。前線からの運動量を補填する。29分には右IH倉田のスルーパスにCF大迫が走り込み、シュート。GKエイサがセーブする。

 UAEは30分、FWマタルに代えてサーレハを投入。日本も33分、疲れが見えてきた右SH久保に代えて本田を投入する。直後、右IH倉田がミドルシュート。日本の前からの守備がいい。37分、CF大迫がゴール前への積極的なチェイシングからファールを受け、倒れる。自らバツを出して交代を要求。試合後、軽傷をアピールしていたが、少し心配。代わってCF岡崎が投入された。

 直後の37分には右IH倉田のCKにCF岡崎がニアに走り込んでヘディングシュート。43分、右SH本田のドリブルから左SH原口にスイッチ。右に流してCF岡崎がシュートするが。ポスト左に外す。43分には右SH本田がミドルシュートUAEアディショナルタイムムハンマド・アブドゥルラフマンがミドルシュートを放つが、反撃もこれくらい。最後まで日本が攻めきって、2-0。重要な試合で気迫の勝利を挙げた。まさに快勝。

 次は日本に戻ってのタイ戦。今度こそ圧勝して、グループリーグで首位に立ち、W杯出場に迫ってほしい。次戦タイ戦に期待する。

ブンデスリーガ第25節 ケルン対ヘルタ・ベルリン

 今日未明に行われたW杯最終予選UAE戦は無事勝利してよかった。まだ前半途中までしか観ていないが、みんな気持ちが入り、動きがよかった。その観戦記はまた書くとして、その前に先週末に行われた大迫対原口の日本人対決を書いておく。

 前節ドルトムントに勝利した5位ヘルタを7位ケルンが迎え撃つゲーム。ケルンはここ5試合勝利がないが、けっして不調というようには見えない。FW大迫も好調を持続している。それでもそろそろ勝利がほしいケルンは中盤を左からツォラー、レーマン、ヨイッチ、クレメンスとフラットに並べる4-4-2の布陣を採ってきた。対するヘルタはこのところ不動の4-2-3-1。ダリダをトップ下に、原口もいつものように右SHで先発出場した。

 5分、左SBヘクターの縦パスを大迫がDFを背負って収めると、流したボールをFWモデストがミドルシュート。序盤からケルンの縦パスがよくFW大迫に収まる。そして6分、CHレーマンの縦パスをFW大迫が腿でトラップすると、そのまま前を向き、ミドルシュート。これがゴール右隅に吸い込まれるスーパーシュート。ケルンが早々に先制点を挙げた。

 先制したケルンは守備の帰りも早い。そして縦に速い攻撃。16分、CHレーマンの縦パスをFWモデストが落として、FW大迫がスルーパス。右SHクレメンスが抜け出してクロスを入れるが、ゴール前に走り込んだFWモデストにはわずかに届かない。GKがクリアした。ヘルタも22分、右SBペカリークのクロスに右SH原口がニアに走り込み、ヘディングシュート。しかし枠を捉えられない。ヘルタは前半、両SHが中に絞ってプレーすることが多い。両SBを上げてサイド攻撃をする作戦だったかもしれないが、両サイドの上がりは多くない。30分には、左SHカルーが足を痛めて右SHバイザーに交代。原口が左SHに回った。32分、左SBプラッテンハルトのクロスにCFイビシェビッチがヘディングシュートを放つが、GKホルンがセーブした。

 大迫には本当によく収まる。そして大迫から何本もスルーパスが放たれる。そして35分、右SHクレメンスから左に展開されたパスをFW大迫が収めると、クロスにFWモデストがダイレクトボレーをゴールに突き刺した。ケルン、追加点。さらに37分、左SBプラッテンハルトからの縦パスを受けた左SH原口を右SHクレメンスと右SBオルコフスキで挟んでボールを奪うと、CHレーマンの縦パスをFWモデストがヒールでナイストラップ。そのまま前を向いて、GKをよく見てシュート。あっという間に3点目を奪い取る。ヘルタもアディショナルタイム、CBブルックスのフィードを右SHバイザーが落とし、OHダリダのスルーパスにバイザーが抜け出してクロス。だがCFイビシェビッチには通らない。前半で3-0。ケルンがリードして折り返した。

 ヘルタは後半頭からシェルブレットに代えてFWアラギを投入。布陣を4-4-2にして前から攻めていく。そして5分、CHダリダのFKに飛び込んだCHシュタルクがGKホルンと接触。これで得たPKをCFイビシェビッチが決めて、ようやくヘルタが1点を返した。さらに攻め続けるヘルタ。15分には左SH原口がドリブルで仕掛けるが、DFにブロックされる。17分、ケルンは左SHツォラーに代えてCHヘーガーを投入。クレメンスを左SHに、ヨイッチを右SHに回す。そして18分、左SH原口のドリブルから不用意なパスをCHレーマンが止めると、CHヘーガーが前線にフィード。FWモデストが抜け出してシュート。ついにケルンが4点目。ヘルタも24分、CKからCBブルックスがヘディングを叩き込み、4-2と詰めるが、その後はなかなか攻め込めない。

 28分、左SH原口に代えてミッテルスタッドを投入。この日の原口にはミスが多かった。ケルンも31分にはヨイッチに代えてCBソーレンセンを投入。3バックにして守りを固める。37分、左SHミッテルスタッドのクロスにCFイビシェビッチシュート。しかしGKホルンがファインセーブ。アディショナルタイムのCKからのCBブルックスのヘディングシュートもGKホルンがナイスセーブ。2点のリードを守り切って、ケルンが6試合ぶりに勝利を挙げた。

 これでEL圏内の6位浮上。大迫とモデストの連携もいいし、これからケルンはさらに順位を上げていくのではないか。一方、ヘルタはアウェイではイマイチ。カルーの負傷が長引くようなら、原口はまた左SHに復帰できるかもしれない。このゲームのように中に絞ってプレーできれば、右サイドでもいいが、やはり左サイドの方がやりやすそう。いずれにせよヘルタは今後も勝ったり負けたりのこんな調子が続くんじゃないかな。大迫、原口の二人には、続くタイ戦にも日本の大黒柱としてがんばってもらいたい。

J1リーグ第4節 ガンバ大阪対浦和レッズ

 第4節屈指の好カードはガンバ対レッズ。DAZNのトップページにもお勧め動画で掲載されていた。DAZNに入ってよかった。ガンバは左WBオジェソクを入れた3-5-2。GKはケガの東口に代わり、藤ヶ谷が入った。対するレッズはラファエル・シルバと興梠の2トップ。トップ下に柏木が構え、右WBには関根が先発した。

 序盤からレッズがパスを回す。7分、GK西川のフィードのこぼれからFW興梠がクロス。OH柏木がミドルシュートを放つ。ガンバは前半しっかりとブロックを作って守備を固める。13分、CH遠藤保仁のCKに左IH今野がヘディングシュート。レッズも17分、右CB森脇のフィードをFW興梠が落とし、左WB宇賀神がシュート。わずかに左に外す。21分にはFWラファエル・シルバが左WBオジェソクにプレスをかけてボールを奪い、落としをOH柏木、CH青木、柏木とつなぎ、最後はDFのブロックをCH青木がシュートする。

 レッズがパスを回して攻めるが、ガンバのプレスも厳しい。激しいギリギリの接触プレーが続く。34分、左CBキムヨンジャのパスを右WB関根がカット。FW興梠のミドルシュートはバーを叩く。36分には右CB三浦のバックパスをFWラファエル・シルバがカットしてゴールに迫るが、GK藤ヶ谷が何とかセーブ。この時間帯、レッズのプレスの前に、ガンバの守備にミスが続く。38分にはFWラファエル・シルバの落としから左WB宇賀神がFW興梠とのワンツー。クロスを興梠が落としてFWラファエル・シルバミドルシュート。さらにDFブロックのこぼれを右CB森脇がミドルシュート。これは何とかGK藤ヶ谷が抑えた。

 さらにレッズの攻勢が続く。45分、CH阿部が中へパスをすると、FW興梠がワンタッチで前へ。FWラファエル・シルバが抜け出してGKをかわすシュートを放つが、大き過ぎた。アディショナルタイムには左CB槙野のミドルシュートがバーを叩く。さらにはね返りをFW興梠がヘディングシュートするが、わずかに左に外れた。

 前半、序盤は互角の展開だったが、終盤はレッズが攻勢。だがガンバが粘ってノーゴール。スコアレスで折り返した。

 後半に入ると一転、ガンバが攻勢をかける。4分、FW長沢をCB遠藤航が倒して得たFKをCH遠藤保仁が蹴る。はね返りをFWアデミウソンミドルシュート。しかしGK西川がセーブした。その後も攻め続けるガンバ。そしてついに12分、右IH倉田が斜めにドリブルで駆け上がると、左に流して、左WBオジェソクのクロスに左IH今野がヘディングシュート。これが決まり、ついにガンバが勝ち越した。

 レッズも17分、左CB槙野の縦パスをFW興梠が落として、左WB宇賀神がミドルシュート。GK藤ヶ谷がファインセーブで弾き出す。22分、レッズは右WB関根に代えて駒井を投入する。28分、GK藤ヶ谷がふくらはぎの痛みを訴え、J初出場のGK田尻に交代する。弱冠23歳。多くのガンバ・サポーターの声援が田尻を後押しする。レッズは31分、CH青木に代えてFW武藤を投入。柏木をCHに下げ、3トップで攻める。34分にはCFラファエル・シルバのスルーパスにCH阿部が駆け上がり、シュート。しかしGK田尻がナイスセーブ。田尻も次第に落ち着いてきた。直後のCH柏木のミドルシュートもGK田尻がキャッチする。

 ガンバは37分、左WBオジェソクに代えて左IH井手口を投入。今野を左WBに回す。40分、CB遠藤航の縦パスをFW武藤が受けて、CH柏木とのワンツーから武藤がミドルシュートを放つ。わずかにバーの上。44分、ガンバはFWアデミウソンに代えて赤崎を投入。直後の44分、柏木のFKから左CB槙野がヘディングシュート。しかしポストにはね返される。それでも攻め続けるレッズ。

 そして48分、CB遠藤航のフィードに走り込んだ右WB駒井がクロス。走り込んだFW興梠はうまく合わせられなかったが、ファーサイドを上がった左CB槙野が戻す。ゴール前でFWラファエル・シルバが粘って、こぼれたボールを左WB宇賀神がミドルシュート。これが右IH倉田の手に当たる。PK。これをラファエル・シルバが決めて、アディショナルタイムでレッズが同点に追い付いた。GK田尻もコースを呼んでいたが、ラファエル・シルバのコースが厳しかった。そしてタイムアップ。ガンバ対レッズの対戦は1-1の引き分けで終わった。

 ガンバはあとわずか逃げ切れなかった。レッズも攻めども攻めどもなかなかゴールが決まらないのはいつもと同じ。お互い結果には満足できないだろうが、観ているこちらにとっては面白いゲームだった。ACLではけっして好調というわけではないが、やはりこの2チームのゲームは面白い。今野には長谷部の代役をしっかり果たしてもらいたい。この絶好調ぶりには期待も高まる。