とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

J1リーグ第15節 浦和レッズ対ジュビロ磐田

 前節、ガンバ相手に3-0で勝利したジュビロ。その前のサンフレッチェ戦では決定力が課題と思ったが、ゲーム内容自体はけっして悪くなかった。一方、レッズは前節、レイソルに0-1で惜敗。GK中村航輔にやられたシーンも多く、必ずしも不調というわけではないが、連敗だけは避けたいところ。よもや負けるとは思わなかった。

 ジュビロが序盤から早いプレスをかけていく。DFラインも高い。9分にはCF興梠からCB大井がボールを奪い、CHムサエフ、CH川辺とつないで、FWアダイウトンのクロスにFW松井がシュート。サイドネットにかけるが、ジュビロが攻勢をかけていく。なかでもCB大井がCF興梠を徹底マーク。興梠をつぶすことでレッズの攻撃が形にならない。10分、FW松井のクロスをCF川又が落とし、FWアダイウトンボレーシュートジュビロは川又を中央に、アダイウトンと松井が控える3トップ。守備の時には3人が随時プレスをかけていく。

 21分、右WB関根のフィードにCF興梠が走り込んでシュート。短いパスで崩せないなら、レッズにはロングフィードから攻撃を作っていくこともできる。30分、CH柏木から右に展開すると、FW李がダイレクトでクロス。FW武藤には届かなかったが、こうした攻撃はさすがレッズ。しかし36分、中盤深い位置でジュビロがFKを得ると、左WB宮崎のフィードにGK西川が飛び出す。しかしその前でFW川又がヘディング。ゴール前に流れたボールをCB大井がヘディングシュート。何とジュビロが先制点を挙げた。

 その後、レッズも必死に反撃。40分、左CB槙野のフィードに左WB宇賀神が走り込み、クロス。しかし飛び込んだCF興梠に届かない。42分、CF興梠のクロスにFW李が待ち構えるが、手前でCB大井がクリア。大井は絶好調だ。しかしこれで得たCKを柏木が蹴ると、CH阿部がニアに走り込んでヘディングシュート。阿部らしいゴールで同点に追い付いた。アディショナルタイムにはCH柏木のスルーパスにCF興梠が走り込み、クロスに右WB関根がシュート。これは枠を外したが、レッズにエンジンがかかったところで前半を終えた。

 後半になってもジュビロの攻めの意識が強い。5分、松井のCKに右WB櫻内がヘディングシュートを放つ。しかし11分、CH阿部がドリブルで持ち上がると、FW武藤を経由して、CF興梠がヒールで落とす。これを阿部が拾ってそのまま抜け出しシュート。レッズが逆転ゴールを挙げた。13分には代表帰りでやや精彩を欠いた左WB宇賀神に代えて、右WB駒井を投入し、関根を左WBに回す。ジュビロも14分、その対応か、左WB宮崎を小川大貴に交代する。さらに21分、レッズはFW李に代えてラファエル・シルバを投入。ケガ明けから久しぶりの出場だ。

 22分、CB森脇のパスからFW武藤がスルーパス。CFラファエル・シルバが抜け出してシュート。さっそくラファエルらしいシュートを放つ。23分、ジュビロは運動量の落ちてきたFW松井に代えてOH松浦を投入する。するとその直後、レッズのCKをクリアすると、FW川又が大きくフィード。FWアダイウトンが走り込み、飛び出したGK西川のキックを身体に当ててそのまま前に運ぶと、最後は滑り込んだDFをかわしてシュート。ジュビロが同点ゴールを挙げた。

 レッズも負けていない。25分、CB遠藤のフィードにCF興梠が走り込み、飛び出したGKカミンスキーの頭を越えるループシュート。しかしバーに当たる。そして29分、OH松浦がボールを持つと、左に流してFWアダイウトンとワンツー。そのまま抜け出してシュート。ジュビロが逆転ゴールを挙げた。レッズも30分、CH柏木のスルーパスにCF興梠が走り込む。GKが飛び出してこぼれたボールを拾った興梠がクロス。ゴール前でFWラファエル・シルバが待ち構えてヘディングシュートを放つが、これを左に外してしまう。久しぶりの出場で力が入ったか。34分には右WB駒井が切り返しからミドルシュートを放つが、枠を捉えられない。

 追いかけたいレッズは34分、左WB関根に代えてFWズラタンを投入する。森脇を左WBに上げて、阿部を右CBに下げる変則的な布陣。だがこれが裏目に出た。35分、FWアダイウトンスローインからCF川又がポストになって、アダイウトンのスルーパスにFW松浦が抜け出すと、松浦が落ち着いて決めてダメ押しの4点目。DFラインが揃っていなかった。41分には右CB阿部からのクロスにFWラファエル・シルバが胸トラップからシュートを放つが、こちらはポストの左。その後もレッズが攻めるが、決定的なチャンスは作れず、そのままタイムアップ。ジュビロが4-2と勝利した。

 ジュビロサンフレッチェ戦を観ても、けっして弱いわけではない。川又、アダイウトンらにきちんと入れば、決定力も高い。しかし松浦が2ゴールというのは恐れ入った。これでジュビロは10位浮上。10位と言っても5位マリノスとの勝ち点差はわずか4。まだ先は長い。このあたりの順位をキープできれば、上位進出の不可能ではない。一方のレッズはやや心配。もっともラファエル・シルバが復調すればまたペースを取り戻すだろう。J1リーグを面白くするためには、このくらいの取りこぼしはないとつまらないかも。いずれにせよ、けっこう面白いゲームだった。

J1リーグ第15節 ヴァンフォーレ甲府対柏レイソル

 8連勝中。首位に立ったレイソルの今節の相手はヴァンフォーレ。当然、勝利を予想したが、逆にヴァンフォーレの良さを実感したゲームとなった。レイソルの出来が悪かったわけじゃない。伊東、クリスティアーノ、輪湖とかつてヴァンフォーレに在籍した選手も多い。一方、ヴァンフォーレのドゥドゥも2014シーズンにはレイソルでプレーした。そして何より吉田達磨監督が柏のユース監督を長く務め、2015年シーズンにはトップチームも率いている。お互いよく知り合ったチーム同士の対戦ではあったが、やはりヴァンフォーレのがんばりを評価したい。

 ヴァンフォーレは5-3-2の布陣。5バックの前に3ボランチを並べ、しっかりと守ってカウンターで攻める体勢。11分、FWドゥドゥから右IH新井とつないで、FWウィルソンが落とし、ドゥドゥが仕掛けていくが、レイソルDFに止められる。レイソルも12分、CH手塚のスルーパスから右SH伊東がミドルシュートヴァンフォーレDFがブロックする。15分には左SH武富のフィードに右SH伊東が走り込み、ゴール前に走り込んだOH中川に向けてクロスを入れるが、DFがクリアした。ヴァンフォーレの攻撃は18分、右WB橋爪の縦パスに抜け出したFWウィルソンのクロスに左IHボザニッチがミドルシュート。DFブロックのこぼれ球を右IH新井がミドルシュート。GK中村航輔がファインセーブで弾き返した。

 一進一退。ヴァンフォーレもけっして負けていない。29分、CFクリスティアーノのクロスに左SH武富がヘディングシュートするもGK岡がキャッチ。その前に、高いヴァンフォーレのDFラインにオフサイドだった。両SBを上げて攻め込むレイソル。その裏を狙うFWドゥドゥ。左SB輪湖との間で激しい攻防が続く。アディショナルタイム1分にはFWドゥドゥのスルーパスにFWウィルソンが走り込んで、クロスに右WB橋爪がボレーシュート。しかし左に外した。前半はスコアレスで折り返す。

 後半、レイソルは左右のSHを変えてきた。左SH伊東、右SH武富。3分、ヴァンフォーレのCBエデル・リマがミドルシュート。GK中村がファインセーブを見せる。10分、右IH新井のミドルシュートは枠の外。ヴァンフォーレが高い位置からのプレスから積極的に前に攻めていく。11分、右IH新井が混戦の中から縦パスにFWドゥドゥが抜け出し、FWウィルソンに向けてクロス。直前でCB中谷がクリアした。14分にはFWウィルソンのポストからFWドゥドゥがミドルシュートを放つ。

 なかなかうまく攻められないレイソルは15分、左SB輪湖に代えてユンソギョン、武富に代えて左SH大津を投入。伊東を右SHに戻す。16分、右SB小池から右SH伊東が中につないで、CFクリスティアーノがシュート。GK岡がセーブ。ヴァンフォーレも22分、左IHボザニッチに代えて田中佑昌を投入。23分、レイソルはCH手塚のCKにCB中谷がヘディングシュート。枠を外す。33分、ヴァンフォーレはFWウィルソンに代えて右SH堀米を投入。ドゥドゥをワントップに上げて、5-4-1の布陣に変える。レイソルも35分、OH中川を下げてFWディエゴ・オリベイラを投入。2トップにする。

 39分、左SH大津のクロスにFWクリスティアーノがヘディングシュート。GK岡がわずかに触ってポストに当たる。はね返りもGK岡が抑えた。ファインセーブ。42分、FWディエゴ・オリベイラのクロスに左SH大津がヘディングシュート。わずかにポストの左。43分、FWオリベイラがドリブルでゴリゴリとPA内まで仕掛けると、GK岡が飛び出してセーブ。こぼれ球をFWクリスティアーノがシュート。バーにはね返される。これを左SH大津がミドルシュート。しかしGK岡が正面ではね返した。アディショナルタイムにもFWディエゴ・オリベイラミドルシュートを放ったが、枠を外した。そしてタイムアップ。兄弟チーム対決はスコアレスドローに終わった。

 いいゲームだった。特にヴァンフォーレがいいプレーをした。吉田監督になって攻守にメリハリがついた感じ。小椋の累積に右IHに上がった新井が気迫のあるプレーを見せていたし、ドゥドゥが効いている。そして最後まで運動量が落ちなかった。今年も14位と下位にはいるが、降格はないだろう。そんなサッカーをしている。逆にレイソルは吉田監督によって良さを封じられ、8連勝でストップ。だが、2位セレッソも引分けて、依然首位をキープしているレイソルからもまだまだ目が離せない。

J2リーグ第19節 アビスパ福岡対名古屋グランパス

 首位で迎えた第17節ホームのツエーゲン戦で逆転負けを喫してからアウェイ2連戦も敗戦して、何と3連敗。しかもいずれも先制しながらの逆転負け。このゲームでは押谷が厳しすぎるレッドカードをもらって、後半一人少なくなったとは言え、後半になってからの攻めの意識が低過ぎる。グランパスはいつもの4-4-2。玉田、八反田がケガのグランパスは右SHに押谷を起用。またCBも久しぶりにシャルレスが先発して、小林裕紀とコンビを組んだ。一方のアビスパウェリントンが累積で欠場。代わりにウィリアム・ポッピが先発。シャドーにはグランパスから移籍した松田力が控える。序盤、3-4-3の布陣で始まった。

 開始1分、FW松田のスルーパスにCFポッピがシュート。GK渋谷がセーブするが、松田のやる気を感じる。その後はいつものようにグランパスがパスを回して攻めていく。12分、CFシモビッチのポストプレーから右SH押谷が持ち上がり、左に流してFWシモビッチがクロス。DFのクリアを左SH和泉がミドルシュート。さらにDFのはね返りからCHワシントンがミドルシュートを放つ。そして14分、CB小林からのパスを左SB青木がダイレクトで縦へ。FW杉森が走り込み、クロスにFWシモビッチがDFを背負っての反転からシュート。ゴール左隅に決めた。グランパスが先制。その後もグランパスがパスを回して攻めていく。

 一方的に守る展開のアビスパは27分過ぎ位から4-4-2に布陣変更。それまで左CBを務めていた冨安をボランチに上げて三門と組み、山瀬を右SHに上げる。松田は左SH。それでも36分にはCB實藤のバックパスをFW杉森が奪い、GKと一対一。だがGK兼田の詰めが早く、かわした時にはコースが狭く、シュートはサイドネットにかかった。さらに38分には左SB青木のスローインからFWシモビッチがDFを背負ってシュート。GK兼田がナイスセーブ。いつもながら追加点が遠いグランパスアディショナルタイムにはPA手前でアビスパがFKを得るが、右SB駒野のFKは壁に当たって、GK渋谷がパンチングクリア。CB岩下のスローインをFW松田がフリックするが、CB實藤のシュートは枠を外した。前半は1-0。グランパスのリードで折り返した。

 後半は一進一退。アビスパも攻め込むが、グランパスの守備にはね返される。後半に入ってアビスパは冨安をアンカーに三門と山瀬をその前に置く4-3-3-とする。そして14分、右SH押谷のトラップが長くなったところをFWポッピが奪うと、押谷がスライディング。危険なタックルということで一発レッドカードを出されてしまう。やや厳しすぎたのではないか。これでゲームの様相は全く変わってしまった。

 16分、右SB駒野のクロスのはね返りをFWポッピがグラウンダーのミドルシュート。これはわずかにポストの左。17分、CH冨安がドリブルで持ち上がり、FWジウシーニョのポストから冨安がシュート。これもわずかに左に外れる。一人多くなったアビスパが攻めると、グランパスはDFラインが下がってしまう。20分、FWシモビッチに代えて永井を投入。杉森を変えるかと思ったが、杉森は右SHに残った。同じくアビスパもポッピ、ジウシーニョの両FWに代えて石津と坂田を投入する。

 26分、石津のCKはFW松田がフリックするが、ファーでDFがクリア。そして続く駒野のCKに石津がヘディングシュートを叩き込んだ。アビスパがついに同点に追い付いた。28分にはCB實藤がドリブルで持ち上がりミドルシュート。GK渋谷がナイスセーブで弾き出すが、グランパスは両SHが引いて、ボランチの左右が開いてしまう。直後にはCH三門がミドルシュート。これもGK渋谷がセーブした。

 33分、グランパスはCBシャルレスを櫛引に交代。シャルレスは前半から脇腹を痛めて倒れていた。交代時にタンカで運ばれるが、途中で折れてしまい、歩いて戻った。アビスパも34分、CH三門に代えてFW城後を投入。右SH坂田、左SH石津の4-4-2。そのままグランパスが守り切れればよかったのだが・・・。37分、FW永井がミドルシュートを放つが、これが後半初めてのシュート。あまりに守りに追われすぎた。そして38分、アビスパが左サイドでパスを回して右SH杉森、右SB宮原を引き出すと、左SB亀川の斜めのパスに走り込んだFW城後がフリー。余裕をもってシュートを決めて、ついにアビスパが逆転ゴールを挙げた。

 グランパスは39分、右SH杉森に代えて左SB内田。青木を左SHに上げて、和泉を右SHに回した。41分、左SH青木がミドルシュート。だが枠を捉えられない。そしてアディショナルタイム1分、左SH石津がFW松田の落としからミドルシュートをゴールに突き刺し、3点目。ダメ押し点を挙げてそのままタイムアップ。3-1。アビスパが見事な逆転勝利で首位をキープした。

 グランパスは3連敗。首位アビスパとの勝ち点差は6に広がり、順位も8位まで落ちてしまった。もうこれ以上負けられない。折り返しまで2試合。V・ファーレンベルマーレと引き続き上位チームとの対戦が続く。風間監督はここからどうやって立て直していくのか。次のホーム、V・ファーレン長崎とのゲームには絶対勝利が必要だ。