とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

セリエA第8節 インテル・ミラノ対ACミラン

 ミラノ・ダービーに今季も長友が先発出場をした。日本の強化試合2試合に先発した長友だが、すぐに戻って先発で起用された。長友に対するスパレッティ監督の信頼感が窺える。もちろん、ハリルホジッチ監督の信頼感はそれ以上だろうが。インテルは4-2-3-1の布陣。ミランダとシュクリニアルの2CB。左SB長友、右SBダンブロージオ。ガリアルディーニとベシーノをボランチに置いて、ボルハ・バレロがトップ下。ワントップはイカルディが務める。対するミランは3バック。中央にユベントスから移籍のボヌッチがすわり、左右にムサッキオとロマニョーリラツィオから移籍のビリアをアンカーに左IHボナベントゥーラ、右IHケシエ。左右のWBには左リカルド・ロドリゲスと右ボリーニが入り、スソとアンドレ・シルバの2トップ。昨季からのレギュラーメンバーはボナベントゥーラとスソ位か。

 前半序盤は両者攻め合い、しかしシュートは許さない。がっぷり四つの見応えのある攻防が続く。13分、インテルのOHボルハ・バレロが横に流し、右SHカンドレーバミドルシュート。バーを掠める。ミランも20分、FWスソがミドルシュートを放つ。インテルは23分、左SHペリシッチのクロスにCBミランダがヘディングシュート。お互いシュートが少ない静かな攻防が続いていたが、28分、右SBダンブロージオの縦パスに右SHカンドレーバが走り込むと、早めのクロスにCFイカルディが合わせてシュート。速い攻撃でインテルが先制点を挙げた。

 36分にもCFイカルディミドルシュート。42分にはOHボルハ・バレロの仕掛けからCHベシーノがミドルシュート。いすれもGKドンナルンマがキャッチした。ミランも44分、右IHケシエがDFを背負いながらドリブルして右へ流すと、右WBボリーニミドルシュート。GKハンダノビッチがナイスセーブ。前半はインテルの1点リードで折り返した。

 劣勢のミランは後半頭からケシエに代えてFWクトローネを投入。スソを右IHに下げる。1分、左SHペリシッチの縦パスに左SB長友が走り込んでクロスを入れるが、GKドンナルンマがキャッチ。長友がはっきりと攻め上がったのはこの場面くらい。4分、CBムサッキオが縦パスを入れると、FWアンドレ・シルバが下がってきてミドルシュート。ポストにはね返される。これをムサッキオが押し込むが、オフサイド。5分、右IHスソのミドルシュートもGKハンダノビッチがナイスセーブ。さらに続くCKから右WBボリーニミドルシュート。これもGKハンダノビッチがナイスセーブで弾き出す。

 9分、左WBリカルド・ロドリゲスのクロスにFWクトローネがニアに走り込んでシュート。しかしサイドネットに吸い込まれる。そして11分、右WBボリーニとのパス交換からフリーになった右IHスソが技ありのミドルシュート。きれいにゴールに吸い込まれて、ついにミランが同点に追い付いた。

 インテルも15分、右SHカンドレーバのクロスにCHベシーノがダイレクトシュート。しかしポスト右に外す。ミランも16分、CHビリアがミドルシュート。さらに17分、右WBボリーニのクロスに左IHボナネントゥーラがシュート。GKハンダノビッチがファインセーブを見せる。そして18分、アルゼンチンの代表同士、CHビリアからCFイカルディがボールを奪うと、そのままドリブルで持ち上がり、左に展開。左SHペリシッチのクロスにCFイカルディボレーシュートインテルが勝ち越し点を挙げた。

 その後は反撃するミラン。一方のインテルは守りを固めて、カウンターを狙う。28分、インテルは右SHカンドレーバに代えてカンセロを投入。32分、OHボルハ・バレロのCKに左SHペリシッチがヘディングシュート。GKドンナルンマがキャッチ。33分、ミランはロマニューリに代えて左WBロカテッリを投入。リカルド・ロドリゲスを左CBに下げる。そして36分、左から右への大きなサイドチェンジから、右WBボリーニのクロスにファーサイドを左IHボナベントゥーラが走り込んでシュート。いったんはGKハンダノビッチが弾いたが、自分の身体に当てて押し込んでしまった。ミランがまた同点に追い付いた。

 40分、インテルはOHボルハ・バレロに代えてエデルを投入。攻撃に速さを加える。43分、CHベシーノのドリブルからCFイカルディが落として、OHエデルがシュート。しかしDFがブロック。そして続くCKをCBシュクリニアルがヘディング。ファーに流れたところへ走り込む右SBダンブロージオ。しかし後ろから左CBリカルド・ロドリゲスが倒してしまう。PKの宣告。これを45分、CFイカルディが決めて、三たびインテルが勝ち越した。イカルディハットトリック達成。そしてタイムアップ。インテルが今季最初のミラノ・ダービーを制した。

 長友は攻め上がるシーンは少なかったが、終始安定したプレーを見せて、スパレッティ監督の信頼に応えた。インテルはこれで7勝1分無敗。全勝の首位ナポリを2位で追っている。一方のミランはこれで3連敗。10位に後退した。しかし内容的にはけっして悪い出来ではない。特に後半はある程度いいサッカーができていた。まだ、大量補強した選手の組み合わせを試している感じだが、リーグ後半にはきっと順位を上げてくるはず。セリエAはここ数年、ユベントスの一人勝ちが続いていたが、今季のセリエAはどうやら面白くなりそうだ。

J2リーグ第37節 名古屋グランパス対湘南ベルマーレ

 ついに正念場。首位ベルマーレとの対戦がやってきた。その差は15ポイント。とても首位を狙える勝ち点差ではないが、2位アビスパとの差は5ポイント。自動昇格のためには絶対勝利が欲しい。しかしベルマーレには2015年から5連敗中。J2降格が決まった昨季最終戦ベルマーレに敗戦して降格が決まった。昇格のためには絶対ベルマーレに勝たなければならない。グランパスはここ2試合結果を出してきたベテラン玉田と佐藤寿人が先発。ベルマーレはジネイがケガで、代わりにムルジャが先発。シャドーには山田と菊地が控える3-4-3の布陣だ。

 序盤からベルマーレが攻めてくる。2分、右CB岡本のフィードを左FW山田が胸トラップからミドルシュート。GK武田のナイスセーブのはね返りを左WB杉岡がボレーシュートを放つ。しかし4分、グランパスもCH小林の長い縦パスにFW玉田が走り込むと、DFの足の下を抜く絶妙のクロスにFWシャビエルがシュート。これが決まり、グランパスが先制点を挙げた。

 これで余裕ができたグランパスがその後はゲームを支配する。19分、FWシャビエルが倒されて得たFKを田口が蹴るが、枠を外す。グランパスがパスをつないで攻め込むが、23分、グランパスのCKのクリアをCFムルジャが拾ってそのままドリブル。シュートはGK武田がナイスセーブでゴールを守った。しかしこれで勢いを得たベルマーレは27分、CH秋野がSCKからクロス。左FW山田が胸で落とすと、右FW菊地がボレーシュートベルマーレが同点に追い付いた。

 するとその後はベルマーレがペースを握る。32分、右CB岡本が強烈なミドルシュート。GK武田がキャッチする。35分、右WB藤田のクロスにCFムルジャがヘディングシュート。続く藤田のCKに今度は右CB岡本がヘディングシュート。これは枠を捉えられない。グランパスはパスを繋ぐものの、なかなかシュートまで行けない。ベルマーレの方が攻撃の意識が高い。そして40分、CFムルジャミドルシュート。これはGK武田がキャッチするが、直後の40分、CFムルジャの落としをCH石川が左に展開。右FW菊地が切り返してミドルシュートを叩き込む。ゴール。前半のうちにベルマーレが逆転をした。

 リードされたグランパスは後半頭から佐藤に代えてFWシモビッチを投入する。シャビエルを左SHに下げた。すると5分、左SB和泉のクロスにFWシモビッチが胸トラップから反転ボレーシュート。これが決まり、グランパスが同点に追い付いた。さらに9分、右SB宮原がPA手前で左FW山田に倒されると、FKをシャビエルが直接狙う素振りから横に流す。CH田口がミドルシュート。これをFW玉田がヒールでコースを変えた。ゴール。グランパスがあっという間に再逆転。3点目を挙げた。

 その後、グランパスは選手間の距離も良くなり、長い距離でパスを回せるようになる。ベルマーレは16分、右WB藤田に代えて松田を投入。DFラインも4バックにして秋野をアンカーに石川と松田を並べる4-3-2-1の布陣に変更する。さらに22分にはCFムルジャを野田に交代する。23分、右SH青木が思い切ったミドルシュートを放つと、直後には左FW山田もミドルシュート。GK武田がわずかに触って、バーの上を通る。24分にはベルマーレがCKに変化をつけて中盤横に送ったパスを左SHシャビエルが予測よく走り込んで奪うと、ヒールで落とす。左SB和泉がドリブルで駆け上がると、右に展開して、右SH青木がミドルシュート。残念ながら枠を外した。しかしそれよりもシャビエルが立ち上がれない。左腿裏を痛めて、そのまま杉森に交代した。

 33分にはCH田口の縦パスにFW杉森が走り込んでミドルシュート。その後もグランパスは杉森や青木が前線からプレスをかけていく。ベルマーレはカウンター。だがグランパスの選手の集中力がすごい。ベルマーレは終了間際、CBアンドレ・バイアをFWに上げてパワープレー。だがグランパスが前線からよくプレスをかけていく。なかなか正確にパスが入らないベルマーレ。そしてタイムアップ。3-2。グランパスが後半に2ゴールを挙げて逆転勝利を挙げた。

 ホイッスルとともに喜びを爆発させたグランパスの選手たち。1点差ゲームを逃げ切るのは久しぶり。このゲームでは、後半30分以降も集中した守りができていた。これで2位アビスパとの勝ち点差は3。ようやく射程圏内に追い付いてきた。しかも次節は3位V・ファーレンとのゲーム。ここで勝利すれば3位に浮上し、さらにアビスパの結果次第では2位も可能性がある。心配は腿裏を痛めて交代したシャビエルの状況か。いや、このゲームの集中力ならたとえシャビエルがいなくても勝利できるはず。このゲームの内容を忘れず、さらに連勝を伸ばしてほしい。がんばれ、グランパス

ブンデスリーガ第8節 シュツットガルト対ケルン

 ケルンは第7節まで終えて勝ち点わずか1。1分6敗とひどい不調に陥っている。代表戦ではさすがの動きを見せた大迫だが、ケルンでは前節ライプチヒ戦でようやく初ゴール。もっともこの間のチーム得点もわずか2点。モデスト移籍の穴が埋められない。一方、失点は7試合で15失点。守備がうまく行っていない。このゲームではハインツとソーレンセンのCBコンビ。大迫はツォラーとともにFWで先発した。今節の相手は10位シュツットガルト。残念ながら、浅野はベンチスタートだった。

 開始1分、FW大迫のポストプレーから、右SHヨイッチのクロスに左SBラウシュが積極的にミドルシュートを放つ。5分には右SBクリュンターのクロスにFW大迫がボレーシュート。序盤からケルンが積極的に攻めていく。シュツットガルトは11分、右FWブカレロから左に流して左FWドニスがミドルシュート。わずかにバーの上に外れる。シュツットガルトの布陣は3-4-3。長身のテロデをワントップに、ブレカロとドニスが絡んで攻撃を作っていく。

 12分、CKの流れから左SBラウシュのクロスをGKツィーラーがパンチング。こぼれ球を右SHヨイッチがミドルシュートを放つ。17分には左SBラウシュのクロスにFWツォラーが走り込み、中につないでFW大迫がシュート。しかしGKツィーラーがファインセーブ。右手1本で止められた。しかしこの時のプレーでCBカミンスキーが足を痛めて、右WBベックと交代。パバールが左CBに入る。

 25分、左SBラウシュのパスのこぼれ球からFWツォラーがシュート。27分、CHレーマンが強烈なミドルシュート。わずかにバーの上を越える。しかしこの時間あたりから次第にシュツットガルトも押し返してきた。32分、右FWブレカロのパスから右WBベックがクロス。左FWドニスがシュート。34分、左FWドニスのドリブルをCBソーレンセンがファールで止めて得たFKを右FWブレカロが蹴ると、CBバトシュトゥバーがヘディングシュート。ポスト左に外す。ケルンの守備が不安定だ。さらに36分、右WBベックのクロスにこぼれ球を右FWブレカロがミドルシュート。DFブロックのこぼれ球を左FWドニスがシュート。GKホルンがファインセーブ。はね返りをブレカロがヘディングで狙うが、これもDFがはね返した。

 そして38分、中盤でCHエズジャンからCHマンガラがボールを奪うと、CFテロデがドリブルで運び、スルーパスに左FWドニスが走り込んでシュート。ついにシュツットガルトが先制点を挙げた。ヘクターの負傷欠場も影響してか、ケルンの守備が軽い。前半はこのままシュツットガルトの1点リードで折り返した。

 前半終盤から攻撃の形が作れなくなったケルンは後半頭からFWピサーロを投入。エズジャンを下げて、ヨイッチをCH。ツォラーを右SHに回す。8分、FW大迫のポストプレーから落としをCHヨイッチがミドルシュート。後半も序盤はケルンが攻めていく。シュツットガルトも10分、右FWブレカロがミドルシュート。GKホルンがナイスセーブ。ケルンは11分、右SBクリュンターのクロスからFWピサーロがシュート。15分、FW大迫が倒されて得たFKをCHヨイッチが蹴ると、FWピサーロがヘディングシュート。しかし枠を捉えられない。

 16分、シュツットガルトは右FWブレカロに代えてアコロを投入する。20分、左FWドニスが自ら倒されて得たFKで直接ゴールを狙うが、GKホルンがファインセーブで弾き出す。ケルンも21分、CHレーマンミドルシュート。そしてその直後、CHヨイッチに代えてFWギラシを投入。大迫をCHに下げる。24分、右FWアコロがドリブルで仕掛けると、CFテロデの落としからシュートを狙う。27分には左SBラウシュに代えて若いハンドヴェルカーを投入する。

 そして32分、CBハインツの縦パスをCH大迫がCHマンガラに寄せられつつもしっかりと収めて左に展開。ビッテンコートと左右を入れ替えていた左SHツォラーがドリブルで持ち上がり、CBハインツがミドルシュート。これが見事に決まり、ケルンがついに追い付いた。

 その後はお互いオープンな攻め合いが続く。シュツットガルトは35分、左FWドニスを代えてギンチェクを投入。攻めの圧力を強める。36分、CBパバールの縦パスを受けた左FWギンチェクがDFと競り合ってこぼれ球を拾った右FWアコロのパスからギンチェクが抜け出してシュート。しかしGKホルンがナイスセーブ。そして43分、左SBハンドヴェルカーのクロスをFWピサーロが受けて横にドリブル。PA内に走り込んだFWギラシにパスを送ると、左WBアオゴと縺れて倒れる。主審はいったんPKのジェスチャーをした後で、ビデオ・アシスタント・レフェリーを要請。長い確認時間だったが、結局、PKを取らず。レフェリーボールでゲームは再開された。

 そしてアディショナルタイム49分、右FWアコロがドリブルで仕掛けると、DF二人を抜いて、さらにCBハインツを剥がしたところでシュート。左SBハンドヴェルカーの足に触ってコースが変わったシュートがゴールに転がり込む。シュツットガルトが劇的なゴールを挙げた。ケルンも51分、右SBクリュンターのクロスにFWギラシがシュートを放つが、GKツィーラーがファインセーブ。続くCKもチャンスにならずタイムアップ。シュツットガルトがホームでは21年ぶりにケルンに競り勝って、勝利を挙げた。

 シュツットガルトのFW陣、ブレカロ、ドニス、そして決勝点を決めたアコロといずれも能力は高い。浅野も競争が大変だ。一方の大迫はFWから最後はCHとポジションを代えつつも最後までピッチに立ち、いずれのポジションでもよくボールを収めて、高いポスト能力を示した。今のケルンで欠かせない選手。だがゴールが欲しかった。これで7敗目。次節は昇格組17位のヴェルダー。今度こそ勝利が欲しい。