とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

金属破断

 GW中に自転車に乗っていたら、サドルがおかしい。傾いている。よく見たら、サドルを支えてバネの役割も果たす取付金具(「レール」と言うらしい)の片方がばっさりと破断していた。自転車屋に行ったら、ママチャリ用のものしか在庫がないとのこと。もう12年以上も使っている自転車だが、「修理して長く使う時代」で書いたとおり、自転車はフレームが壊れない限り、部品交換をすれば、半永久的に使えるそうだ。しかしさすがにだいぶボロくなってきたし、60歳を過ぎると、これからどれだけ自転車に乗り続けるのだろうということも気になってくる。今が買い替え時。そう決断して、買い替えの相談をしたら、カタログにいくつかマークを入れて、「GW中はメーカーも休みだから、それまで家で検討してください」と言われ、カタログを渡された。

 家族にも相談して車種を決め、GW半ばに電話をしたら、既に在庫がなく、「6月なってから生産を再開するので、納車は6月中旬になります」とのこと。「それじゃけっこうです」とも言えず、現在はそのまま納車の連絡を待っているところ。5万円もしないマウンテンバイクなんだけどな。まあ、待ちましょう。

 それにしても太さ1cm近くある丸い金属の棒がきれいに破断していた。金属疲労だろうか。そんなこともあるんだと思っていたら、先日、今度は台所の水栓レバーの取付部が破断した。朝、台所で水を使おうとレバーを上げたところ、そのままレバーだけが取れた。あれ? 見ると、レバーの付け根が割れている。妻に言うと、「よくあること。差し込めばいい」と言うが、どうも違う。台所まで来てもらい水栓を見ると、「あ、こんなことはこれまでなかった」。ということで、すぐに業者に電話した。

 レバーハンドルの取付部の構造もいろいろあるようだが、わが家の水栓は水栓カートリッジの上部に上からカパッと嵌め込むタイプ。ところが、その嵌め込む部分の金属が途中で破断していた。後から起きてきた娘に「レバーだけ、ホームセンターで売ってるよ」と言われたが、今頃言われても。もう業者に電話しちゃった。しょうがない。ついでに最近チョロチョロと水漏れもあるから、パッキンの交換もしてもらおうと思っていたが、業者さんが来て、新しいレバーハンドルをカパッと嵌めたら、水漏れも直ってしまった。あれ? 「取付部の金物にヒビが入っていて、レバーを下げても緩みがあって、水が漏れていたんでしょうかね。気になるならカートリッジの交換もしますが」と言われたが、カートリッジの金額もバカにならないので、断った。必要なら自分でやろうかと思ったが、ネットで見るとかなり大変そう。ついでに交換しておけばよかったかなと少し反省。

 それにしても、15年くらい使用した水栓で、一番力がかかるところではあるけれど、金属破断するかな。これって稀なことじゃないのかな。金属破断って突然発生し、そうなると交換するしかない。構造上重要な部分にこそ金属は使用されていると思うけれど、こうも続けざまに金属破断が発生すると、次はもっと大きなもの、大事な部分で突然発生しないかと心配になる。大丈夫かな。

世界まちかど地政学☆

 「デフレの正体」で一躍有名になった藻谷氏だが、地域活性化に関する地元に根差した提言や講演には定評があるところ。「経済プレミア」を見ると「地域エコノミスト」と肩書がついている。「里山資本主義」も大きな評判になった。その後、「高校生からのマクロ・ミクロ経済入門」(http://abc60w.blog16.fc2.com/)のブログ主との訴訟騒ぎで少し世間を賑わしたが、しばらくその活躍の様子を知らなかった。

 本書は「経済プレミア」で連載している「藻谷浩介の世界『来た・見た・考えた』」から、2017年に掲載した記事を収録したもの。ネットの方は有料なので、こうして書籍化してもらって初めて、その存在を知った。大変面白い。

 ところでタイトルにある「地政学」って何だろう。Wikipediaを見ると「地理的な環境が国家に与える政治的、軍事的、経済的な影響を、巨視的な視点で研究するもの」と定義されている。最近、この言葉が付いた本も多く出版されているが、地政学会というのもないようだし、どこか胡散臭い。地理学の一分野と考えておくのがいいのかもしれない。本書で藻谷氏は、地政学について以下のように定義している。

○私のいう地政学とは何でしょうか。・・・歴史に照らし、「ある地理的条件の場所ではどういう人間活動のパターンが繰り返される傾向にあるのか」を発見する学問です。“アナロジー(類推)”を用いて、表層的な事象に縦横に串を刺し、背後にある“構造”を把握するのです。(P257)

 なるほど、その地域における地理と歴史から現状を捉え、将来を考える。その時に“アナロジー”を用いて“構造”を考えようという訳ですね。それを実践しているのが本書。そう思って読むとなるほど、単に各国・地域の紹介ではなく、なぜそういう現状があるのか、その地域の持つポテンシャルと将来への可能性などが大胆に綴られている。

 ポイントは、わずかな時間滞在して、その印象を中心に語ること。だからこそ見えてくるものもあるし、万一見当外れでも言い訳になる。だが、紹介された国々や地域は面白い。カリーニングラードというロシアの飛び地の存在なんて知らなかったし、アイルランドとイギリスの4地域の現状も面白い。アゼルバイジャンアルメニアジョージアコーカサス3国は改めて地図を見るまで、どこにあるのかわからなかった。ミャンマーの地理的ポテンシャルと将来的発展の可能性も説得力があるし、ラパスやパナマも面白そう。

 本書で筆者が一番伝えたいことは、巻末の「自著解説:21世紀の『ソフトパワー地政学』とは」に書かれている。戦争なんて農業社会でこそ有益な戦略だったが、今では全く経済的な利益をもたらさない政策手法になっている。今どき戦争をするのは、宗教的狂熱か、民族主義者か、自己権力の維持強化を狙う権力者くらいしかないと指摘する。地政学を気取って軍事論を唱える数多の評論家を批判し、あくまで経済的視点から地域を捉える筆者の地政学は「経済的地政学」と言えるかもしれない。でもそれって地理学の一つのような気もする。まあ、分類分けすることに意味はないのだけれど。

 久々に面白い本を読んだ。旅行記がなくても面白いけど、旅行記があった方がやっぱり面白いかな。続編の発行を期待したい。

 

世界まちかど地政学 90カ国弾丸旅行記

世界まちかど地政学 90カ国弾丸旅行記

 

 

北方四島は、歴史的にどうみても日本の固有の領土なのだが、それを言うならカリーニングラードもドイツ、あるいはリトアニアポーランドの固有の領土だったのである。・・・だからこそ、日本がいくら「固有の領土だけは返せ」と正論を掲げたとしても、ロシアが容易に応じるはずもないのである。・・・また仮に返還が行われても・・・現に島に住んでいるロシア人を追い出すことはできない。従って北方領土の返還とは、日本国籍を持たず居住権だけを持つロシア系住民を、日本国内に新たに多数抱えることだ。・・・その認識、その覚悟は国民一般にあるのだろうか。(P40)

第二次世界大戦は、化石燃料の産地や交通の要衝の争奪戦でした。ですが、化石燃料の出ない日本が戦後に大発展し・・・(た)現実をみてもわかる通り、資源は買えばいいのであって、それよりも平和を前提とした貿易システムの中で勝者にならねばならない。そのためには、資源地帯だの・・・を占領して経済制裁を受けては元も子もない。・・・21世紀のこうした歴史的、地政学的変化を、理解できていない人があまりに多すぎます。(P134)

ミャンマーの近隣には、4億人を超えるムスリム国家のマーケットがあるのであり、人権弾圧をやめてこれら諸国と融和することは、ミャンマーの輸出産業を発展させるためにはたいへん有益だ。・・・乏しさはしかし、改善すれば豊かさへのチャンスだ。・・・結局、インド世界と接するという地政学的位置は、発展とムスリム流入トレードオフを、ミャンマーにつきつけているわけだ。(P169)

○日本人は未だに、「人口集積は産業集積の結果だ」と勘違いをし・・・都会に集まりたがる。そうではなく21世紀の地球では、人口集積は個人消費の結果としても形成されるものなのだ。アメリカでいえば・・・ロスアンジェルス都市圏に、それに相応した産業機能はない。・・・だが、温暖な気候を好む富裕層が全米から集まることで、その消費が小売りや各種サービス業の生態系を作り、無数の付随的雇用を生み出している。(P219)○

○そもそも戦争が行われていたのは、人類の長い歴史の中ではごく短い時期にすぎない。農業社会の間だけでした。その当時だけは、戦争をしかけて他人の農地や収穫物を奪うことが得だったわけですが、今そんなことをしてもスマホ一つ買えません。・・・そんなことをするより、さっさとスマホメーカーを買収するのが早道です。・・・資源を加工し貿易をする工業力のあることが、20世紀後半には決定的に重要になりました。さらに21世紀には、工業国以上に、投資を集め消費を喚起できる国が有利になってきています。(P260)

 

J1リーグ第14節 FC東京対北海道コンサドーレ札幌

 今節J1リーグ観戦3試合目は日曜日に開催された2位・3位対決、FC東京コンサドーレ札幌FC東京は1引分けを挟んで4連勝中。一方のコンサドーレも10戦負けなし。引分けを除けば7連勝。お互い攻守のバランスの取れたいいサッカーをしている。FC東京はチャンヒョンスが戻り、ベストメンバー。左SBには太田宏介が先発した。対するコンサドーレは三好が累積で出場停止。代わりに都倉が右FWに下がり、こちらも久しぶり、ジェイが先発。ボランチは深井と宮澤で組んだ。

 開始2分、CH深井の縦パスにCFジェイが走り込むが、CBチャンヒョンスがしっかり食らい付いて、シュートは枠に入れさせない。FC東京も5分、CH橋本のミドルシュートはGKクソンユンがナイスセーブ。その後も攻め立て、FWディエゴ・オリベイラがシュートを放つが、DFがブロックする。9分には左SB太田宏介のクロスにFW永井がヘディングシュート。バーを叩く。FC東京がパスを回して押していくが、コンサドーレもしっかりと守ってカウンターを狙う。24分、左WB菅のクロスを右FW都倉がヘディングで落とし、CFジェイが飛び込む。が、GKと競ってこぼれたボールはDFがクリアした。

 28分にはFWディエゴ・オリベイラのポストから右SH大森のクロスにFW永井がボレーシュートコンサドーレも34分、CFジェイのポストプレーから左WB菅が肩でトラップ。シュートはポストを叩き、はね返ったところを右FW都倉がヘディングシュート。ネットを揺らしたが、菅が肩トラップから前を向こうとしたところで手を使ったとしてファールを取られた。FC東京も37分、太田宏介のFKのクリアを右SB室屋がミドルシュート。はね返りを右SH大森がシュートを放つが、これもDFにブロックされた、

 お互い攻め合うが、守りも堅い。42分にはGKクソンユンのフィードをCFジェイがフリックして、右FW都倉がシュート。だがGK林がナイスセーブで弾き出す。44分、右SH大森のミドルシュートもGKクソンユンがナイスセーブ。前半はスコアレスで折り返した。

 後半序盤、FC東京が攻め込んでいく。6分、左SH東から右に展開。右WB室屋の縦パスに東が走り込み、クロスにFW永井がシュート。8分、左SH東の縦パスをFW永井が落として、右SB室屋がドリブルからシュート。しかしGKクソンユンがナイスセーブ。お互い一進一退。膠着した状態が続く。18分にはCH宮澤のドリブルをFW永井が止めて得たFKを左CB福森が狙うが、GK林がナイスセーブでキャッチした。

 25分、CH高萩のクロスにFW永井がミドルシュート。27分、CB森重の縦パスをFW永井が落として、FWディエゴ・オリベイラミドルシュート。30分、左SB太田のCKからCH高萩がヘディングシュート。しかしファーに外れる。FC東京が攻めるが、どうしてもコンサドーレの守備を破れない。37分、FC東京が右SH大森に代えて田邉草民を投入すると、コンサドーレは2枚代え。CFジェイと菅を下げて、右FW早坂と左WB石川を投入。都倉をCFに上げる。42分にはCH深井に代えて荒野。終了間際、コンサドーレがゴールに迫る。44分、右WB駒井のクロスにCF都倉がシュート。アディショナルタイム47分、左WB石川のクロスにCF都倉がヘディングシュート。GK林がナイスセーブで跳ね返すと、さらに右WB駒井が拾ってクロスをCF都倉がヘディング。だがこれもGK林がセーブする。結局最後までお互いゴールを割れず。0-0。スコアレスドローに終わった。

 けっして面白いゲームではなかったが、お互いの拮抗した力量がわかるゲーム。チャンヒョンスにキムミンテ。両チームの韓国人CBがゴールを割らせない。GKクンソンユン、GK林彰洋もお互い堅い。結局、この強力な守備陣をお互いの攻撃陣が突破することができなかった。しかしお互い負けることもない。さらに連勝を伸ばしていくだろう。グランパスファンからすればうらやましい限りだ。