とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

U-17 日本の課題は若さとGKと日本らしさ

 遅まきながら、U-17 ワールドカップのグループリーグ第2戦、スイス戦を見た。前半40分までは日本が圧倒し、何点差で勝てるのかという内容だったが終わってみれば敗戦。U-17日本代表の課題は何なのか。
 開始早々から何度も絶好機を迎えた。4分、宮吉の抜け出し。6分、宇佐見のドリブル。そして9分、柴崎からのパスに宮吉が抜け出し、先制点をあげる。14分には宮吉から柴崎がシュート。跳ね返りを宮吉がヘッド、小島がシュート、最後は宇佐見がふかした。
 17分には高木のパスで三たび宮吉が抜け出すが、GKに当ててしまう。それでも20分、柴崎からのクロスを宮吉がヘッドで決めたときには、これで行けると思った。その後も22分、宇佐見のシュート。27分にも宇佐見のFKが惜しくもゴール右にはずれた。そしてそれ以降、日本はチャンスらしいチャンスを作れなくなる。
 35分、アップで映し出されたスイス選手の顔からは大粒の汗が噴き出し、苦しそうだった。審判が給水タイムを取った。結果的にこの中断がサッカーの流れを変えてしまった。このわずかの間に監督・コーチから指示が出たのだろう。積極的にボールにアタックし、ロングボールを放り込むようになった。
 そして42分。GKからのフィードがゴール前まで転がり、岡本に競り勝ったセフィロビッチがシュートを決める。スイスが生き返った瞬間。その後も44分、45分と続けざまにスイスのシュートが日本ゴールを襲う。日本もロスタイムに宇佐見がループシュートを放つもバーに弾かれた。
 後半も立ち上がりからスイスが圧倒的に攻め続ける。開始早々、GK嘉味田のミスが出る。ブラジル戦と言い、GKの不安定さは日本の弱点の一つだ。そして2分、スルーパスに抜け出したFWの足を嘉味田が身体で払ってしまう。キーパー正面のPKを止め、跳ね返りのシュートもバーに救われた。だが6分、前半と同じようにGKからのフィードに岡本が競り負け、セフィロビッチに同点ゴールを浴びてしまう。さらに8分にはゴール正面でのキープからシャカにDFの左を巻くシュートで勝ち越し点を奪われてしまった。
 日本も10分に宇佐見のFK。18分には宇佐見から小島のシュート。さらに24分、宇佐見からのパスを柴崎。25分、松原からのクロスを杉本と気力を振り絞って攻めるが、疲れから身体が動かず、正確性に欠けてしまう。動けないから短いパスをつなぐ中央突破ばかりとなり、スイスの守備網に掛かってしまう。
 雨が降り出す。29分のCKにはイヤな予感がしたが、案の定、嘉味田がゴールに向けてファンブル。DFがクリアするもロドリゲスが飛び込み豪快なシュートを突き刺す。
 その後は動きの落ちた宇佐見に代わり、河野。終了間際には高木に代わり宮市を投入。ようやくロスタイムに宮市の頑張りから小島がミドルシュートを突き刺すが、時既に遅し。結局3-4で負けてしまった。
 日本の敗因は、前半の決定機を決めきれなかったこと。スタミナ不足で後半以降めっきり動きが鈍ったこと。同点・逆転に気落ちして守りに回ってしまったこと。GKの未熟。選手が小粒で身体負けしたこと。DF陣のルーズボールハイボールの処理のまずさ。そして疲れから視野が狭くなり大きな展開ができなくなったこと。若さゆえの問題もあれば、日本代表に通じる課題もある。この年代にして日本らしいナイーブさが結果に表れる。U-17と言えど日本からは逃れられない。