とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

どうしても点の入らない宇佐見 巧くて勝てないチーム U-17 グループリーグ敗退

 ブラジルがメキシコに敗れたため、このゲームに勝てばグループリーグ突破の可能性も出てきた日本U-17代表。
 開始早々、岡本のミドルで意欲を示したが、メキシコも4分マニョン、5分コロナードのクロスから再びマニョンと積極的にシュートを放ち、メキシコがやや押し気味にゲームが進む。
 しかし7分、堀米。9分、宇佐見から高木とシュートを放つと、次第に日本がボールを回す展開になってくる。メキシコもショートカウンターから22分カンポスループシュート。23分にはCKからマニョンのヘッドと油断ならない互角の展開を見せる。
 良くも悪くもこの日のキーマンとなった宇佐見が25分に惜しいミドルシュートを放つ。30分にも杉本から宇佐見がシュート。33分、クロスからカンポスにシュートを浴びるが、35分、宇佐見のパスに松原が上がり、堀米がシュート。前半は互角の展開で終わった。
 後半1分、宇佐見のパスに柴崎が抜け出しGKと一対一。シュートはGKに跳ね返される。6分、堀米からのスルーパスに今度は宇佐見がGKと一対一になるが、再びGKがセーブ。9分には杉本から宇佐見が抜けてシュートするもGKがセーブ。跳ね返りを打った杉本のシュートも再びGKに当たる。12分には相手からボールを奪った宮市が左サイドをえぐりクロスを送るが、宇佐見が届かない。15分、宮市からのパスに宇佐見がシュートするもGKがセーブ。とにかく宇佐見中心に再三シュートチャンスを作るが、どうしてもゴールに入らない。
 そして20分。中盤でボールをキープしたカンポスがループ気味のミドルシュートを放つと、きれいに弧を描いてゴールに吸い込まれていった。ああ! このゲームのGKは不安定だった嘉味田に代わり渡辺。ここまで落ち着いた守備と鋭い反応で好セーブを見せてきたが、中盤のプレスがややルーズになったところを巧く打たれてしまった。
 その後、26分にDFミスからカンポスにシュートを打たれる場面もあったが、再び日本が必死の攻勢に出る。28分、宮市から堀米のパスに抜け出た宇佐見がGKをかわすゴロのシュートを放つが、わずかにポストの外側に外れていった。このゲームを象徴するようなシーン。どうしてもシュートがゴールに入らない宇佐見。
 30分にも宮市から宇佐見がシュートを打つがDFに跳ね返される。そして35分、右中盤からのFKにパーラが飛び込みヘディングシュート。追加点を入れられてしまった。万事休す。ロスタイムには交代で入った小川のシュートもあったが、結局このシリーズ初の無得点でゲームを終えた。
 3連敗。勝点0。ゲームの内容ならば、ブラジルには互角。スイス、メキシコには圧倒する時間もあったのに、ここ一番のミス、ここ一番でシュートが決まらず、口惜しい敗退となってしまった。特に宇佐見は、このチームの中心として、巧みなボールさばき、幅広い視野と戦術眼でどのゲームでも際立った輝きを見せてはいたが、最後までゴールが決まらず、結局これが日本敗退の一番の原因となってしまった。
 運のなさもあったかもしれない。しかしブラジル戦に象徴されるような、またスイスの選手たちが後半に見せたような勝利への執着力の差が結果を決めたような気がしてならない。もっとシュート練習を。もっと走り続けられるスタミナを。当たり負けしない力強さを。そして何より勝利へのメンタリティを。まだ若い。必ずやこの経験を5年後、9年後のW杯に生かしてほしい。それだけの経験をしたのでないかと思う。お疲れさま。そしてさらなる飛躍を。U-17日本代表よ!