とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

想定内 グループリーグ3位・4位の戦いという感じ

 昨夜の南アフリカ戦。現地でのW杯開催国との対戦という点では意味のある経験だったが、強化という点ではどうだったか。俊輔に代えて本田の先発、久し振りの稲本の先発によるワンボランチなど、新しい試みは評価するが、必ずしもうまくいかなかった。
 俊輔を後半途中で入れてボールが落ち着き、彼を起点に大きくボールが展開するようになった点は評価するが、それで得点が生まれたわけではない。後半30分過ぎからようやく松井が呼応してゴール前まで顔を出すようになったが、それまでは1枚足りない状況は変わらなかった。
 もう一つの疑問はCBである。このゲームでも闘莉王・中澤のコンビを起用した。本番を考え、レギュラーのコンビに経験を積ませておくという考えは理解できるが、サブで起用されたのは今野だけだった。それでいいのか。大いに不安。ゲームを振り返る。
 前半立ち上がりから、いつものように積極的にプレスをかけて、日本がゲームを支配する。11分の長谷部のミドル。16分の大久保のスルーパスからの岡崎の惜しいシュート。その後は、17分に本田、32分に大久保がドリブルで仕掛ける場面はあったが、南アフリカも日本のパス回しに慣れたのか、途中でパスカットされ、カウンターを仕掛けられる場面が目立つようになってくる。
 30分にツャバララのミドル。38分のムフェラが闘莉王をかわしてシュートした場面は危なかった。30分過ぎからは完全に南アフリカ・ペース。日本は中盤がうまく収まらない印象。
 後半はまた前半の始めと同様、日本がボールをキープして細かいパスをつなぎ、ゴール前まで迫るが、今一歩突破できない。業を煮やしたか、後半14分、本田・稲本を下げ、俊輔・松井を投入。遠藤と長谷部のダブルボランチといういつもの体制に戻す。これで俊輔が起点となって大きなパスが出るようになり、また遠藤も下がり目の位置から長いパスを出すなど、やりやすそうに映った。
 17分、俊輔のパスから岡崎が右サイドに飛び出しクロスをあげるが松井に届かず。18分には闘莉王が持ち上がり大久保に渡ってミドルシュート。30分には俊輔のCKを中澤がヘッド。31分、遠藤のフィードに松井が走り込む。34分、35分にも徳永、遠藤のクロスに、岡崎、闘莉王がシュートを狙うもゴールにはならず。
 それよりも33分、長谷部のパスがカットされ、中澤とムフェラの競り合いになった場面の方が恐かった。45分には再び遠藤のスルーパスに松井が走り込むシーンが見られたが、逆にロスタイムには南アフリカに攻め込まれ、かろうじてクリア。結局スコアレスドローに終わった。
 終わってみれば、よくは戦ったが、結局ベスト4に値する攻撃力は見ることができず、試みは失敗に終わった。内田よりは徳永、稲本よりは松井の方が可能性が開ける感じはしたが、残念ながらそれ以上の発見はなかった。本田・松井・森本で見てみたいと思うが、このコンビが次に見られるのはW杯直前になってしまうのか。
 いずれにせよ、所詮グループリーグ3位・4位チーム同士、2位・3位チーム同士というゲーム内容。その点ではあまり満足できたゲームではなかったが、南アフリカで戦えたという点ではよかった。ま、想定内の出来事という感じ。