とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

柔のスペイン 剛のイタリア

 ワールドカップ出場32チームが決まった。最後のプレーオフでロシアがスロベニアに敗れた他、バーレーンがまたもプレーオフで敗退したこと、アンリの神の手ゴールなど、今回も悲喜こもごもの予選だった。
 NHKでは先週から予選ベストゲームと銘打って、いくつかのゲームを放送している。この連休中、スペインvsボスニア・ヘルツェゴビナ、イタリアvsブルガリアの2試合を観戦した。とは言っても、いずれも放送途中で気づいて見出したので、前半の最初の部分を見ていない。
 スペインvsボスニア・ヘルツェゴビナは大量点でスペインが勝ったことは知っていたので、得点ショーを楽しむ気楽な気持ちで見ていた。このゲーム、スペインはF・トーレスもシャビもセスクもいない状態で、それでもイエニスタとシャビ・アロンソがゲームをコントロールして、想定どおりのスペインの一方的な展開。ネグレドを真ん中にリエラとダビド・シルバが左右に開く3トップだが、リエラはおとなしめ。ダビド・シルバが柔らかいボールさばきと素早い動きでボスニアのDF陣を翻弄し、前半のうちに2-0。
 後半に入るとネグレドが俺もとばかりゴールを重ね、35分に交代出場したマタもダメ押しのゴールを挙げる。特にこの5点目のアシストをしたベグレドのクロスはよかった。左足アウトできれいにGKとDFの間を通し、マタにピタリと合わせたロングクロス。最後はボスニア・ヘルツェゴビナも2点を挙げ、実力の程を見せたが、結局プレーオフポルトガルの前に敗れ去った。
 いつもながら思うけれど、スペインの各選手はけっして大きいわけではないが、変幻自在に長いパス、短いパスを回し、また効果的に動き回って相手にサッカーをさせない。今、世界の中でもっとも魅力的なサッカーだろう。今度こそワールドカップでの活躍を見たいと思うけれど、そうならないのがワールドカップでもある。ユーロ2008の再現を見たいものだ。
 一方、イタリアvsブルガリアは、これまたいつものとおり、イタリアが一瞬の切れと速さで得点を奪い、あとは強くて固い守備で逃げ切った。1点目はSBのグロッソがパスからそのまま上がってのゴール。2点目もイアキンタがスルーからそのまま前に走り込むと、ピルロが見事なスルーパスを送って奪ったもの。忠実にしてきれいなゴールだった。
 前半ほとんど何もできなかったブルガリアだったが、後半はベルバトフが何度も起点となり、チャンスを演出した。マンUでもそうだが、ただぼーっと突っ立っているだけのようだが、ボールがくればタメは作れるし、視野は広いし、ポジショニングも抜群。しかしさりげないボールさばきの後の飄々とした振る舞いは、このゲームCBで出場していたストヤノフも同じようで、ブルガリアらしさかなと面白く思った。イタリアは額に汗が光るが、ブルガリアは涼しげな感じ。
 しかしゲームは後半再三チャンスをつかむものの、ブフォンのスーパーセーブもあって、がっちりとイタリアが守りきりゲームを終えた。この守り強さと試合巧者がイタリアらしさ。本大会でも強そうだなと改めて思った。