とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

アーセナル復調への道遠し

 プレミア・リーグ第14節のアーセナルvsチェルシー戦は、0-3とチェルシーの快勝に終わった。その前のサンダーランド戦に続いての連敗。ファンペルシーの負傷に、ディアビクリシーベントナーも故障して、アーセナル崩壊の危機。この状況をどう戦うか、ストーク戦はそういう興味で観戦した。
 結論から言えば、かなりの重症。持ち前のパスサッカーを展開し、圧倒的にボールキープを続けるものの、最後のフィニッシュまでなかなか持ち込めない。このゲームに限って言えば、セスクのPK失敗や絶好機のシュートをエブエに当てる不運もあって、後半34分にようやくラムジーの奮闘で追加点を奪って2-0としたが、それまでは安心できない展開が続いた。
 ストークもデラップのロングスローだけが唯一の攻撃手段という状況で、カード累積でソングがいないアーセナルではあったが、流れの中ではほとんど危なげがなかった。それよりもいつまで経ってもチャンスを決めきれない流れに、却ってロングスローが非常に脅威に映った。
 思えば、チェルシー戦もテリーのクロスにドログバのシュートとフェルメーレンオウンゴール、そしてドログバの気魄のFKに負けたが、後の時間はひたすらアーセナルがボールを回す展開。しかし決定的なチャンスを作れず、モヤモヤとした戦いぶりだった。
 このゲームもアルシャビンが再三セスクのスルーパスに抜け出るが、相手DFの屈強な身体の前に当たり負けしている。26分のトラオレからアルシャビンのポスト、セスクのスルーパスアルシャビンのゴールという展開はきれいだった。続く27分のロシツキーからトラオレ、アルシャビンのスルーパスにトラオレのクロスがDFに当たってバーを叩き、セスクがシュートしたプレーも見事だったが、前述のようにエブエに当たってゴールを外れてしまった。
 後半ラムジーのゴールは、中盤からアルシャビンに預けたパスのこぼれを再びラムジーが拾ってゴールしたもの。こちらはラムジーの前への圧力が功を奏した。
 シーズン当初、マンC戦でアデバヨールの不在が大丈夫かと感じたが、ファンペルシーが予想以上に幅広いプレーを見せて、ベンゲルの望むパスサッカーをより高いレベルで実現してきた。その生命線は前へのパスと捌き、そしてフィニッシュ。しかしこうしてファンペルシーもいなくなると、最前線での拠点がうまく作れず、ボールは回るけどゴールは遠いという展開にならざるを得ない。まるで日本代表みたい。
 さてこの窮状をベンゲルはどうしのぎ復調するか。道は遠いという印象だが、昨シーズン冬の移籍期間にアルシャビンを獲得したような補強があるのか。今後のベンゲル采配が楽しみだ。