とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

ほめて育てる

 この間から読んでいる「サッカー批評45」の中に、「日本人は欠点ばかりあぶり出す。・・・ところが外国人はポジティブなことばかり言う」(P060)という記述があった。欠点ばかり指摘されて育った選手は、欠点の修正はできても、もし失敗したらと不安や心配ばかりが頭に浮かび、プレッシャーに弱く、伸びていかない、という内容だ。
 これはメンタルトレーニングの一人者、東海大学の高妻容一教授へのインタビューをまとめた記事だが、単にスポーツに限らず、人間の教育や職場環境、能力開発などあらゆる場面で当てはまることではないだろうか。
 私自身も多分「ほめて育てられてきた」と思うが、それで難局に直面したら逃げ出す習性がついたとは思わない。いや、君子危うきに近寄らずで、危険なところへノコノコと出かけていく愚が避けるようにしているが、逃げ遅れることも多い。
 私は逆に、母親から「目が悪くなるから勉強をするな」と言われてきたが、それでも必要な勉強はしたし、読みたい本も読んできた。おかげで近眼にはなったが、そこそこの成績と学歴を手に入れることができた。対人能力は自営業を営む家業に集まる大人たちに混じることで養われたと思うが、基本的に気弱で顔見知りなので、けっして得意なほうではない。高校、大学で自分の能力の限界を知り、結果は甘んじて受けることを覚えたが、ひがむことはない。
 友人とは「僕たちはほめられて育つタイプなんだよな」と傷を舐め合ってきたが、叱られて感謝したことは、人にもよるが多くはない。やっぱり「ほめて育てる」が国際的にも標準なんだよなと確認できたことがうれしかった。
 部下もなるべくほめるように努力しているのだが、実は逆に叱り方がよくわからなくて困っている。