とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

日本を立て直す唯一の道。一人の天才を生み育てすがる。

 遠く離れた部署に移った友人が久しぶりに訪ねてきた。子供の話、車の話、職場の話。いろいろな話題に話は尽きない。
 日本が今のような時代へ転落を始めたのは1997年ではなかったか。北海道拓殖銀行が破綻し、山一証券が破綻し、京都議定書が採択された。この頃から、環境の限界を知り、将来は今よりも良くなるということが信じられなくなり、行政はムダを排し、市町村は合併して、効率が追い求められるようになった。
 彼も私と同様、2000年代前半に地方へ転勤となり、町役場が地域の最大企業として機能している実態を見てきた。その原資は地方交付税。つまり少数の富の生産者から巻き上げた税金の配分を受けて成り立つ地方の実態。役場は富の再配分機構以外の何ものでもなかった。
 その後に登場した小泉政権は、徹底的に無駄を省き効率を追求することで、富の集中化と再配分の縮小を図った。その結果としての格差の拡大。
 問題は富の生産力に陰りが見え、日本全体に行き渡るだけの生産ができなくなってきたこと。しかし振り返ってみると、我々の職場でも本当に働いているのは2割位で残りはそれにすがって食べさせてもらっている。いやうちの職場自体がすがって生きている職種だと言われれば返す言葉もない。
 この状況を転回するには、日本を支えるわずかな生産者にさらに生産効率を上げてもらうしかない。我々はそのための環境を維持し支えることしかできない。イノベーターが生まれる環境の整備。一人の天才を生み育て、みんなですがる。考えてみれば、日本を支えてきた産業はこうして生まれてきた。豊田喜一郎しかり、本田宗一しかり、盛田昭夫しかり。
 日本の未来はこうした天才をいかに生み出し育てられるかにかかっているのではないか。親友との与太話は、日本の針路と将来像へと発展した。