とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

羨望と敬意

 友人との会話の続き。
 最近の日本は、一人の天才を育てることができず、少しでも成功すると、寄ってたかって引きずり下ろそうとする。ホリエモンは彼自身の努力や炯眼は評価されず、妬まれ引きずり下ろされた。でも、イチローの努力は評価され、持ち上げられる。ホリエモンイチローの違いはどこにあるのだろうか。
 これは日本だけのことではなく、どこでも一緒。多数の愛人の存在が発覚したタイガー・ウッズは、競技活動を中止する事態に追い込まれた。しかしそれまでのウッズは礼儀正しく歴史上最も優秀なプレーヤーの一人として評価が高かった。その差は何だろうか。
 愛人を作ることは金さえあれば誰でもできるけど、ゴルフの技量は血のにじむ努力の結果であり、誰にでもできることではない。もっとも愛人を作ることは、男の甲斐性と言われた時代はさておき、反倫理的行為とされる現代においては、その行為ゆえに貶められるのかもしれない。
 ホリエモンの金儲けは、本人の努力の結果と認められていた時期には時代の寵児として持ち上げられたが、それが不法行為によるものだとされた途端にその評価を落とした。イチローもベースボールの技術については評価されるが、才能ある妻を娶ったことについては羨望の感情を抱くのではないか。
 機会と生まれさえ恵まれれば誰にでも手が届く(と思う、思いたい)事柄に対しては羨望を抱き、真似のできない努力の結果に対しては敬意を抱くということか。いずれにせよ、つまらない感情で日本の未来の芽を摘んでいないか、よく吟味することが必要かもしれない。