とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

天皇杯決勝を振り返る−ガンバのうまさはわかった。しかしもう少し両者平等な実況をやってくれ。

 ようやく天皇杯決勝のビデオを見た。ラジオで想像していた以上にガンバがいいサッカーを展開していたことがわかった。しかしグランパスに勝機がなかったわけではない。NHKの放送があまりにガンバ寄りで、グランパスのサッカーが正確に全国の視聴者に伝えられていないことにいらだった。決定力なのか、展開力なのか。今ひとつ足りないことを思い知らされた決勝戦だった。
 序盤はグランパスが押し気味にゲームを進めた。しかしガンバのプレスが早い。ボールを持たされ、つぶされ、何度もカウンターを浴びる。6分の先制点もその典型。ショート・カウンターから遠藤にパスが出て、二川、山崎とつないでルーカスがシュート。この間、グランパスDF陣はほとんど何もできなかった。それほど素早くうまい連携だった。
 しかし、グランパスも放送で言われるほど酷いサッカーをしていたわけではない。9分、小川のシュート。14分、阿部のクロスに玉田のヘッド。30分、吉村から小川をポストにしても走り込み、シュート。
 だがガンバのプレスが早い。23分のルーカスのシュートはケネディへのプレスで自らボールを奪い、ドリブルから放ったもの。35分には二川から山崎へきれいなスルーパスを狙う。さらに遠藤の飛び道具もある。17分にはFKから山口がヘディングするも楢崎が好セーブ。
 基本的にグランパスが攻撃し、ガンバが守備からカウンターを狙う展開ながら、お互い決定的な場面を作る数は少ない。必ずしも放送で言うほど、ガンバが圧倒していたわけではない。そして40分、玉田のクロスをケネディが落とし、中村が同点ゴールを決める。44分には玉田のFKをうまく流して惜しい場面もあり、いよいよグランパスの反撃かと期待した。
 後半立ち上がりもこうした流れでグランパスが攻勢をかける。キックオフ直後、小川がミドルを放つと、ケネディからのこぼれを玉田がシュート。4分には小川のクロスにケネディがヘッド。
 しかしそこからガンバも次第に盛り返し始める。7分、加地のクロスは橋本が空振りしたが、遠藤がカバーしシュート。15分にも加地のクロスを遠藤がシュート。田中が好カバー。27分、ルーカスの落としを二川がシュート。
 しかし振り返れば、28分のプレーがゲームを決定したのかもしれない。玉田が中村に預けて再びPAに走り込むも、わずかに山口に触って倒れ込む。PKかと思ったがシミュレーションの判定。確かにそう取られても仕方がない。がんばってシュートを狙ってほしかった。
 32分の二川から遠藤が吉田、バヤリッツァをかわして蹴りこんだ決勝ゴールは見事だった。後は、中村、吉村を巻、サントスに替えて、前がかりになったグランパスの中盤をついて、二川、遠藤がダメ押し点を上げた。3点目の明神の頑張りは賞賛に値するが、グランパスにすればしょうがない。
 これで最後まで戦った今シーズンもようやく終了。最後まで戦ったものの得られた勲章は何もなかった。だが、足りないモノ、足りないコトを思い知った1年でもあった。闘莉王や金崎の補強がそれらを補うに足るのか。吉田やバヤリッツァの退団がさらなる欠損を生むのか。わからないが、来シーズン(もう今シーズン?)に楽しみがつながった思いがする。今年もグランパスと共に楽しみたいと思う。