とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

山梨学院 高校生らしいサッカーで全国制覇

 高校サッカー決勝戦は、山梨学院が90分を通して高校生らしい走り回るサッカーで勝利。初出場初優勝を果たした。
 優勢かと思っていた青森山田だが、このゲームも立ち上がりから動きが重く、山梨学院の前に受け身に回ってしまう。新聞によれば、山梨学院対策に余念のなかった青森山田に対して、山梨学院は休養に努めたということだが、その差が出たのか。はたまたそういうサッカーなのか。後者のような気もするが、椎名、柴崎の優れた技巧も、鋭い出足でパスの送り先をカットしていく山梨学院の前に、なかなか有効な攻撃を仕掛けられない。
 そうこうするうちに11分。山梨学院が鈴木の鋭い走り込みからの戻しを、キャプテン碓井が見事なミドルシュートを叩き込む。
 その後も、19分、佐野の競り合いから伊東がかっさらってシュートを放った場面。30分、鈴木から伊東のシュートなど、存分に動き回り、青森山田の自由にさせない。それでもこの日はCFの野間ががんばる。24分、中島のクロスをシュート。38分、反転からのシュート。さらに43分には椎名のFK。45分、ポストプレーから成田がシュート。しかし、関西大一とのゲームではよく見られた遠藤や三田の突破、サイド攻撃がほとんど見られず、中央中心で単調な攻め。
 後半に入り、柴崎がボールを触る機会が増え、青森山田が攻め出す。5分、FWの落しを柴崎がシュート。19分、三田のクロスに遠藤のヘッド。21分にも野間のクロスに三田。24分、柴崎のクロスに成田がダイビング・ヘッドするも低すぎた。
 一方、山梨学院も運動量が衰えない上、思い切ったシュートがたびたび青森山田ゴールを襲う。7分、藤巻のミドルがバーに当たる。20分にも藤巻のインターセプトから伊東。23分には佐野がヒールで落とし碓井がシュート。25分には佐野から鈴木と渡り、平塚がシュート。
 次第に時間が少なくなり、25分。山梨学院は佐野に代えて2年生エースの可部を投入。一方の青森山田もこの日動きの少なかった遠藤に代えて星、さらには185cmの長身、櫛引(兄)を前線に投入。スクランブル体制に入る。
 28分、柴崎のCKの跳ね返りを野間が強烈シュート。が、弾き返される。山梨学院も代わった可部がよくがんばって前線でボールを収め、積極的にシュートを狙う。まだ2年生だが高さもあり、テクニックもあって来年が楽しみ。
 残り10分。さらに4分のロスタイム。両チーム必死の攻防を見せるが、この時間帯になっても山梨学院の運動量が目立ち、青森山田のパスを再三カット。すばやいカウンターで青森山田ゴールを脅かす。結局最後まで運動量の落ちなかった山梨学院が初出場で初優勝を飾った。
 TVアナウンサーの臭いまでの盛り上げは鼻につくが、それでも清々しい印象を与えた両者の、そして特に山梨学院のサッカーだった。柴崎には来年こそ期待しよう。