とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

気魄のリバプール勝利

 雪で延長になった第21節、リバプールvsトットナム戦は、キックオフ前、キャプテンのキャラガーを中心に円陣を組んだリバプールが、気魄を前面に出し、圧倒的なプレスを仕掛けた。しかし明らかに組織力で勝るトットナムは、中盤を飛ばして、直接、クラウチに当てて反撃を試みる。
 6分。ジーナスからクラニチャルを経て、パラシオスがクロス。クラニチャルとデフォーがゴール前に迫るが、GKがセーブする。と、その直後、GKレイナが蹴ったボールが前線のカイトに渡り、アクイラーニとのパス交換からミドルシュート。見事に先制点を挙げた。
 その後、トットナムが中盤を支配し、リバプールが守備に追われる展開が続くが、トットナムも決定的な場面は作ることができず、非常に厳しく、観戦者には楽しい戦いがピッチ上で展開された。
 前半終了間際、ようやくリバプールが攻勢に出る。45分、リエラからのクロスはキリアコスがなんとかシュートするもゴールに飛ばず。47分にはCKをGKが弾いたところをカイトがダイヴィング・ヘッド。DFが跳ね返してスクルテルがシュートしたが、ゴール上にはずれた。逆に49分にはジーナスとのパス交換からパラシオスがスルーパスモドリッチが反応したが、GK正面でセーブされる。
 後半に入っても同じような展開。2分、トットナムDFからのクリアをキリアコスがバックパス。これにデフォーが詰め寄って、GKレイナのミスを誘い、ゴールへボールが転がりこんだ。すわ同点と思ったが、なんとDFのクリア時のデフォーの位置がオフサイドで、得点を認められない。トットナムが激しいプレーをしていたこともあって、惜しい場面でファールを取られることが多く、ホームのリバプール寄りの判定が多いようにも感じたが、仕方ないか。
 6分、キャラガーからのクロスがリエラに合うが、シュートはバーに当たった。逆に13分には、パラシオスからデフォーが落とし、ジーナスがミドルシュート。レイナが片手1本でセーブした。
 20分、カイトが中盤でトットナム・ボールを奪い取り、そのままドリブルで抜け出す。右側でフリーのデゲンにパスするも、わずかに長く、迫るDFとGKにおびえ、カイトにパス。これが合わず絶好機を逃す。
 27分には、アクイラーニのFKをデゲンがヘッドで流し、カイトがシュートするが決まらず。トットナムは15分過ぎにコルルカに代えてハットン、クラニチャルに代えてロビー・キーンを投入するが、キーンは守備で顔を出すだけでほとんど活躍できず、却って攻撃力を弱めてしまった。逆にリバプールは、33分、ヌゴグ。35分にはマキシ・ロドリゲスを投入すると、リバプールの攻撃が活性化。40分にはヌゴグがDFをかわしてシュートを放つと、その直後には、キャラガーのクロスをヌゴグが返し、カイトがシュート。さらにCKからの混乱の中でスクルテルがスルーパスし、キリアコスがシュート。ただしこの決定的場面はオフサイドの懸念大。
 そして最後は後半ロスタイム。ロドリゲスのパスに抜け出たヌゴグがペナルティ・エリア内で倒されPKを奪取。これをカイトが1度のやり直しの後、きっちりと決めてゲームセット。
 中盤の支配力ではトットナムが勝ったものの、リバプールはF.トーレス、ジェラード、ベナユン、G.ジョンソンのいない危機をキャラガーを中心に気魄で対抗。競り勝った。これまで、シャビ・アロンソの退団による中盤構成力の低下やけが人の発生が言い訳にされてきたが、このゲームを見ると、昨シーズンあわや優勝という好調さによる精神的な緩みがここまでの不成績の原因ではなかったかと思われた。けが人続出という危機的状況に至り、ようやく選手の気持ちに火が付いた。ここからのリバプールの底力は侮れない。そう感じさせた一戦だった。