とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

レオさまは永遠の貴公子

 セリエA最終節、ACミランvsユベントスを観た。先にACミラン戦を観たときにはその華麗なサッカーに魅了され、レオナルド監督による来シーズンのさらなる進化を期待する旨の記述をした。ところが突然のレオナルド監督退任。ベルルスコーニとの確執と言われているけれど、このゲームを見る限り、多くの選手、コーチ、チーム関係者そしてサポーターからこれほどまでに愛され、惜しまれつつ退任していく監督も珍しい。レオさまは永遠の貴公子だ。
 ゲームは最初からミラン・ペースで進んでいった。2分、ロナウジーニョからのパスにパトがシュート。3分、カンナバーロのスルーパスイアキンタがシュート。7分、サリハミジッチのクロスにカントレヴァのシュートとユベントスが盛り返すと、9分にはセードルフのスルーパスにアントニーニがクロスを上げ、パトがヘディング・シュートを放つ。
 そして14分、セードルフのスルーパスにアントニーニが抜け出してループ・シュートを決めると、すっかりミラン・ペースに落ちついてしまった。
 しかしACミランの肝はやはりセードルフ。先制点に続いて2点目も、ロナウジーニョが預けたボールをセードルフがプレッシャーを受けながらロナウジーニョに戻したところから始まった。蹴ったパスの戻りを素早く拾ってさらに加速前進。パトとのワンツーで抜け出したロナウジーニョがきれいにゴールを決める。
 ロナウジーニョとパトの両ウィングが高く張って華麗な技を駆使するミランの攻撃は華やかで魅力的だ。彼らをセードルフピルロが支えコントロールし、ザンブロッタ、アントニーニの両SBが駆け上がる。後半15分には久々にネスタが登場してDFを引き締めるが、若きチアゴ・シルバもゴール前でしなやかな守備を見せている。
 後半に入るとミランもゴール前に深く引いて守備を固めてくるが、ユベントスはボールを回してもチャンス寸前まで行くもののシュートを打たせてもらえない。13分前後に続いたミランの細かいパスワークは見事だった。ドイツ大会セルビア戦で見せたアルゼンチンのパスワークの倍以上、さらに短く細かいパスの連続。もっともアルゼンチンの場合は最後がゴールで終わったのが伝説となった所以だが。
 そして23分。ザンブロッタからのクロスを受けたロナウジーニョが一瞬の間合いからゴール隅へ狙いすましたシュート。3点目を挙げてゲームを決める。後は祝祭。レオ様、感謝モード全開。交代してベンチに下がる選手と熱い抱擁。ゲームが終われば全選手、ベンチ・メンバーと熱い抱擁。スタジアムにはレオ様を送る横断幕。祝祭ムードの中でゲームが終わった。
 このいい雰囲気をさらに継続して成長した姿を見たかった。来シーズン、誰がレオナルドの後を継ぐのか明確ではないが、来シーズンもぜひこの美しく華麗なサッカーが観られることを願ってやまない。
 一方のユベントスには、なんと今度のW杯に選出された代表が8人もいると言う。ブフォン、カンナバーログロッソデル・ピエーロカモラネージ・・・。みんな聞き覚えのあるベテランばかり。ミランからもインザーギガットゥーゾザンブロッタピルロと聞き慣れた名前が並ぶ。平均年齢も相当に高そう。大丈夫かな、イタリア。