とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

少しは光が見えてきたか 日本代表 気負いから気迫へ

 昨日のイングランド戦。負けてもいい、次につながるゲームを、と思っていたが、1-0から後半にオウンゴール2発で逆転負けというのはどう評価すればいいのか。少なくとも変に気負って負けた韓国戦に較べれば「負けてもともと」という開き直りが形になって、よい兆候は見えたのではないか。グループリーグ突破の可能性という意味ではなく、南アフリカ以降につながる戦いに向けて。
 立ち上がり、イングランドは日本の出方を見るということだったか。しかし日本も韓国戦のようにめたらやったら動き回ることはせず、気迫を前面に出しつつも、落ちついてイングランドの対応を窺っていた。激しい攻防の中での互角の展開。
 開始7分、CKからの闘莉王のゴールは早すぎたのか。岡田監督はそう言っていた。確かにこれで守りに入る気持ちが生まれたかもしれない。しかし9分、岡崎がテリーと競って反転シュートをした場面。13分、ウォルコットを長友と大久保ではさんでボールを奪った場面など、気持ちは大いに伝わってきた。
 19分、ルーニーが本田からボールを奪い、長いパス一発、レノンが飛び出しシュート。20分には岡崎がファーディナントと競って抜け出しシュート。しかしその直後の22分、CKからレノンが角度のないところからのシュートを川島がかろうじてセーブすると、24分のランパードのFKも川島がファインセーブ。31分にはファーディナントのフィードが中澤に当たってこぼれたところをベントがヘディングシュート。39分、ハドルストンからルーニーがシュート、43分にもハドルストンからA.コールがシュート。
 20分以降、攻め込まれるシーンが続く。このことを岡田監督は早すぎた得点と言ったのだろう。しかしこの日の日本代表はよく戦っていたと思う。集中力も高くよい距離を保っていた。ワンタッチパスがつながり会場のどよめきを呼んだことも。フォーメーション的に言えば、守備で戦えない、しかし前線で勝負もしない俊輔を外し、戦う選手だけにしたことがよかった。遠藤もなんとか踏ん張っていた。
 後半3分、ジェラードのミドルシュートがGKを襲えば、本田もお返しとばかりミドルシュートを放つ。しかし10分のハンドはいただけない。大久保に較べれば本田の貢献度は相対的に低いと言わざるを得ない。しかし川島の気迫はどうだ。ランパードのPKを防いだ後の雄叫びは、阿修羅のごとく、鬼神のごとく。川口の昂ぶりは楢崎を経て川島まで伝えられている。この気迫はいい。
 イングランドの猛攻はその後も続く。19分、ルーニーのミドル。24分にもルーニーがループ気味に打ったシュートを川島が横っ飛びで弾き出す。19分森本、21分松井投入。22分、本田からのパスを森本がゴール正面に切り返してのシュート。GKの正面を突く。
 しかし後半から投入したライトフィリップス、J.コール、ジェラードが元気に走り回るイングランドに対して、日本のDFがついていけなくなり、次第に中盤が空いて、DFラインが下がり、サイドを好きに使われるようになってくる。そして27分、右サイドに長躯走り込んだJ.コールのクロスを闘莉王がクリアしようとしてオウンゴール献上。
 36分、ルーニーとのパス交換からのジェラードの走り込みに長友が競り合い、川島がセーブ。しかし38分左サイドを上がったA.コールからの早いクロスには中澤が身体を投げ出すも、かすかにボールに当たりゴールに吸い込まれていった。
 終了間際、日本も頑張った。45分、玉田と森本のパス交換から長谷部がミドルシュート。その直後にもCKから阿部のミドルはバーに当たる。47分、長谷部から玉田のシュートはGK正面。結局1-2、オウンゴール2発の惜敗。
 しかしこの戦いは次につながる。岡田監督の顔にも生気が戻った。前回ドイツ大会の二の舞を演じることなく、次のコートジボワール戦をうまく戦って、よいコンディションで南アフリカに乗り込んでほしい。悔いなき戦いでの敗戦であればいい。いや既に悔いはイヤになるほどあるけれど、それも含めて反省点にできればいい。俊輔の使い道が最大の課題かも。ベンチに置き続けるというのも選択肢の一つだと思うが、岡田監督はどう考えているだろうか。