とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

98年W杯決勝戦 フランスは守備のチームだったんだ

 W杯フランス大会は日本初出場ということで中継も多く、日本戦以外にもベッカムが退場したイングランド戦やベルカンプの見事なトラップからのシュートなど、今も覚えているシーンがいくつもある。決勝戦もジダンのヘッド2発はその後も再三放映されたことからよく覚えているが、今回見返してみてそうだったっけと思ったところも少なくない。
 前半はフランスが大観衆をバックに積極的に攻めに出た。1分、ジョルカエフロングフィードにギバルシュがオーバーヘッドを披露すると、4分にはジョルカエフからジダンがスルーパスを出し、ギバルシュがシュート。8分にはジダンのFKにジョルカエフがヘッド。フランスはジダンを中心に中盤を支配しブラジルを翻弄する。
 24分、レオナルドのCKにリバウドがヘディングで合わすが、GKがセーブ。ブラジルはロナウドに動きがなく、ベベットが奮闘するも連携がイマイチで攻撃が形にならない。そして27分、ロベカルのトラップミスからのCKにジダンがヘディング・シュート。フランスが先制点を挙げる。
 その後もフランス・ペース。41分、カランブーのミドルシュートをDFがはじき、プティがシュート。45分、トゥラムのロングパスにギバルシュがシュート。そしてロスタイムの46分、ジョルカエフのCKにジダンが再びヘディング・シュート。このタイミングで2点目をゲットしたことが結果的に大きかった。
 後半に入ると、連携のリンクになれなかったレオナルドに替わってデニウソンを投入。中盤で積極的にドリブルを仕掛けるデニウソンにフランスの中盤が手こずり、一転、ブラジル・ペースになる。
 12分、デニウソンのドリブルからファールを得ると、FKからロベカルのクロスにロナウドがシュート。16分にはスローインにGKバルテズが飛び出し、ベベットがシュートするもデサイーがクリア。18分にはサンパイオからロベカルのクロスをリバウドが落とし、ロナウドを経てリバウドがシュート。ロナウドにキレがなく弱気でシュートを譲ってしまう。
 23分にはデサイーが2枚目のイエローで退場。これで10人になったフランスに対して、ブラジルは29分、サンパイオに替えてエジムンドを入れて攻勢を強めると、フランスも31分にジョルカエフをビエリに交代して守備を強化。38分、デュガリーがジダンからのスルーパスにシュートを狙うと、ブラジルも46分、エジムンドのドリブルからデニウソンがシュート。そしてロスタイムの48分、カウンターからデュガリー、ビエラと渡ると最後はプティがGKをかわしてシュート。ダメ押しのゴールを挙げて初優勝を招き寄せた。
 ジダンの強烈なヘディングシュートや華麗なパス回しに、フランスはもっと攻撃力のあるチームだと思っていたが、ここまで守備的なチームだとは思わなかった。そして思った以上にジダン中心のチームだった。ブラジルも後半はほとんどフランスを圧倒して攻め続けていたんだ。久しぶりに見返してみると、いろいろと思い込みが解かれて面白い。そして、フランス大会はフランスのためのジダンの大会だったことを実感した。