とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

ガーナ、ラッキーな一歩前進 分裂国家セルビアは未だ冬

 C組はドイツが本命。ガーナ、セルビア、オーストラリアが横並びで2位抜けを狙う、というのが一般的な見方。ドイツvsオーストラリア戦のキックオフを後に控え、先にスタートしたガーナとセルビアの戦いは、両者「負けたくない」意識が先に立つ。
 最初に突っかけていったのはガーナ。立ち上がり早々の3分、タゴエがドリブルで走り込み、ゴール前でファールを受ける。19分にはFKからメンサーがヘディング・シュート。21分にもボーテングのクロスにギャンが走り込むがシュートにならず。
 勢いはガーナにあるが、セルビアもビディッチ、ルコビッチの長身CBに、両SBにはイバノビッチコラロフの長身SBが並ぶ。スタンコビッチがアンカーの位置に下がってゲームをコントロールし、ミリヤシュ、クラシッチにパンテリッチ、ヨバノビッチもよく下がって厚い中盤で堅実に守る。攻撃は両SHに2mを超える長身のCFジギッチの3人で担当。
 ガーナも基本的にカウンター戦法で、機を見て素早い攻撃を繰り出すが、守りに入ればさっと引いて組織的な守備でがっちり守る。「高さ+強さのセルビア」対「速さ+強さのガーナ」の対戦。前半は緊張感はあるけれど、チャンスはあまりない拮抗した展開に終始した。
 後半に入っても同じような状況。9分、タゴエのクロスにアイウがヘッド。15分には、スローインからギャンの高い打点のヘディング・シュートがポストを叩く。しかし、その頃からガーナも次第に足が止まり出すと、すかさずセルビアが攻勢に出だす。17分、ミリヤシュに替えてクズマノビッチ、25分にはジギッチに替えてラソビッチを投入。
 ところが後半28分、CBのルコビッチがイエローカード2枚で退場。ここからセルビアの暗転が始まった。とは言っても、すぐさまヨバノビッチをスポティッチに替えると、10人でしっかり守りつつ、機を見て攻勢に出る。
 34分、右サイドをラソビッチが抜いてクロスを上げると、パンテリッチがスルーして、クラシッチがシュート。GKキングソンがスーパーセーブ! 37分にはイバノビッチミドルシュートがゴールを襲う。ガーナは人数で上回るものの完全に足が止まり、もっぱら守備に専念。このままスコアレスドローかと思った38分。左からのクロスは大きすぎてゴールを通り過ぎる何でもない球筋だったが、クスマノビッチがタゴエと競り合いながら、思わずハンド。このPKをギャンが確実に決めてガーナが先制。結局この1点を守り切ってガーナが初戦勝利を挙げた。
 ドイツvsオーストラリアはドイツの圧勝。ガーナは引き分けでもいいと思っていたゲームでラッキーな勝利を挙げた。もともと組織と個人能力の備わった好チームなだけにグループリーグ突破に向けて大きな弾みとなった。
 一方のセルビアは運がない。旧ユーゴの中のもう一国、スロベニアアルジェリア相手に快勝しただけに、旧ユーゴの中心国としては納得できない感もあるが、後は死に物狂いで戦うしかないだろう。国家分裂後のセルビア南アフリカで迎えた6月は厳しい冬だったということか。