とんま天狗は雲の上

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コートジボワールvsポルトガル戦に見る引き分けの価値

 G組は北朝鮮を、コートジボワールポルトガルコートジボワールで食い合う展開が予想される。そういう目で見れば、コートジボワールvsポルトガルスコアレスドローに終わったのは両チームにとって予定どおりの展開だろう。
 7分、パスミスを奪ったメイレレスクリスチャーノ・ロナウドにパス。ドリブルを開始するとゾコラが倒しイエローカードをもらう。11分にはこのゲーム最大の見せ場、C.ロナウドが大きな切り返しからミドルシュートを放つと、ポストに当たって跳ね返る。
 序盤はポルトガルがパスを回し、コートジボワールが組織的な守備で耐える展開だったが、次第にコートジボワールがボールを奪い攻勢に出るようになってきた。14分、ティエメのFKは枠を外れる。17分にはコロ・トゥーレがボールを奪って長躯ドリブル、ジェルビーニョからカルーとつないでティオテがシュート。
 厳しいプレスをかけるわけではないが、組織的な守備できれいにラインを形成し、ボールを奪えば一気にカウンター。逆に、ポルトガルは攻め手がなくパスミスを繰り返すが、リカルド・カルバーリョブルーノ・アウベスのCBが粘り強い守備で得点を許さない。一方、コートジボワールコロ・トゥーレ、ゾゴラのCBコンビも見事。34分、メイレレスのスルーパスも鋭い読みからリエジソンにわたる直前でクリアする。結局、前半はそのまま終了した。
 後半2分、ジェルビーニョのオーバーラップから得たCKにフリーでヘディングをしたのはコロ・トゥーレかティオテか? いずれにせよ惜しかった。9分、ヤヤ・トゥーレのスルーパスにカルーがシュート。
 動きが悪く、C.ロナウドが孤立しがちなポルトガルは、左SHのダニーに代えてシモン・サブローザを投入。13分にはスローインからデコがクロスを上げ、リエジソンがヘディング・シュートをするが、その直後にはカルーのスルーパスジェルビーニョが左サイド深く切り返しクロス。惜しくもGKに弾かれると、15分にはティオテのクロスにふたたびジェルビーニョがヘッド。ポルトガルは中盤がゆるくコートジボワールが次々とチャンスを掴む。16分にはデコをチアゴに代えるが、状況は変化しない。
 これを機と思ったか。多分ゲームの場で調整をさせる目的と兼ねて、あわよくば勝ち越そうという意図だったと思うが、20分にカルーに代えてドログバ投入。しかし、ドログバに運動量がなく、それまで前線でかき回していたジェルビーニョがカルーの位置に下がったことからコートジボワールもチャンスを作れなくなる。
 後半ロスタイムにドログバがケイタとのワンツーからゴール前に走り込むが、彼らしくないクロスはDFに当たってラインを割る。続いてヤヤ・トゥーレのスルーパスにケイタが走り込んでシュートを打つがDFがクリア。結局、このまま時間が経過しスコアレスドローに終わった。
 コートジボワールには勝てるチャンスがあったと思うが、勝とうという強い意志に欠けた。これが吉と出るか凶と出るか。北朝鮮戦が山場だと思う。一方のポルトガルはかなり深刻。負けなくてよかったが、このままではグループリーグ突破も危ないのではないか。このゲームの後で行われたブラジルvs北朝鮮戦は、ブラジルが勝ったものの北朝鮮に1点を献上した。これがグループリーグの行方にどういう意味を持つか。いずれにせよ、Gグループはまだまだどうなるかわからない。不確定要素が一杯だ。