とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

敗戦以上に痛いカードの乱発 これが今後に影響しなければいいが・・・。

 セルビアは初戦こそ慎重な試合運びが裏目に出てPKで負けてしまったが、実力はあるチーム。オーストラリアに4-0と快勝したドイツも簡単には勝てないだろうと思っていたけれど、思わぬ形でクローゼが退場となり、その直後の精神的な隙を突かれて先制点を許すと、そのままセルビアに押し切られて痛い敗戦を被った。
 しかし敗戦以上に痛いのは、クローゼに出された2枚のカードを除いても3人、初戦の2人と合わせて全部で5人がカードホルダーをなってしまったこと。それも中盤の選手が多い。エジリ、ケディラシュバインシュタイガー、ラーム、カカウ
 一方、セルビアもこのゲームで4枚。コラロフ、ビディッチ、スボビッチ、イバノビッチ。前のゲームでジギッチとクズマノビッチ。こちらはDFの選手が多い。これが次戦以降、特に決勝トーナメント進出後の戦いに影響しないか、心配だ。
 このゲームは序盤からセルビアが高い位置からプレスをかけて攻撃的に出てくる。ドイツも中盤でしっかりと守り、時に応じ、深い位置から積極的に駆け上がり攻撃を仕掛ける。7分、ラームの駆け上がりからミュラーのクロスが跳ね返されたところをポドルスキーがシュート。一方、セルビアも11分、クラシッチが右サイドからクロスを上げるとニンコビッチがミドルシュート
 どちらかと言えば、セルビアがゲームの主導権を握る展開ながら、ドイツも長いパス、長いランから裏を狙い、怖さ満点。緊張感のある展開。しかし、審判のカードが多い。後ろから足がかかると必ずカード。36分、クローゼの2枚目のカードもスタンコビッチを追って足が絡まったもので、どうみても厳しすぎるし、ゲームを壊していた。
 クローゼが抜けてやや漫然と時間が過ぎた38分、スタンコビッチから出たパスをクラシッチが走りクロスを上げると、裏に走り込んだジギッチが落とし、フリーのヨバノビッチがゴールを決めた。長身同士、ジギッチ・マークを言いつけられていたメルテデッカーがヨバノビッチを離してジギッチをケアに行ったのが原因だが、クローゼ退場による精神的な焦りがあったかもしれない。
 先制されたドイツはエジルをワントップに守備陣形を整えるが、前線から献身的にボールを追いかけるクローゼが抜けたことはやはり厳しい。しかしここはゲルマン魂の国ドイツ。中盤から長い距離で前線まで駆け上がり、何度も攻撃を仕掛ける。
 前半ロスタイム、サイドチェンジからエジルのクロスをGKが弾くとケディラのシュートはバーに当たる。その跳ね返りをメルテデッカーがヘディングで前に送り、ミュラーがオーバーヘッド。惜しいチャンスを逃した。
 後半に入ってもドイツが必死に攻撃。9分、ラームのスルーパスシュバインシュタイガーが長駆走り込むと、その直後には、ケディラからミュラーのクロスに再びシュバインシュタイガーがシュート。さらにはCBのフリードリッヒも前線まで駆け上がれば、12分、エジルの長いスルーパスポドルスキーが走り込みシュート。14分には左SBパトシュトゥバーからエジルがスルーパスを出し、ポドルスキーがシュート。しかし軒並みポドルスキーが外してしまう。
 そして15分。中盤から駆け上がったケディラめがけて遠目から蹴り込んだポドルスキーのクロスがクリアしようとしたビディッチの手に当たってPKを得る。蹴るのはまたもやポドルスキー。そしてストイコビッチのスーパーセーブ。他の選択肢もあっただろうが、「クローゼ退場後の点取り屋はお前だ」という周囲の期待に押しつぶされたかもしれない。
 これでさすがにドイツも気落ちした。運動量もガクッと落ちた。22分、クラシッチがドリブルからクロスを上げると、ヨバノビッチのシュートはポストに当たる。29分、クラシッチのクロスに合わせたジギッチのヘッドはバーを掠めて外れた。
 いいゲームだったとは思う。レーム監督の気持ちの入ったパフォーマンスもあったが、結局このままゲーム終了。ドイツ、セルビアとも1勝1敗で最終戦に臨むことになった。得点差で若干ドイツが有利、オーストラリアが不利かと思うが、まだどうなるかわからない。それよりもカードの累積が怖い。全部で9枚はやはりいくらなんでも出し過ぎじゃないか。そんなに荒れたゲームでもなかったし。審判が一番の主役になり、ゲームを壊してしまった。もう二度と出てきてほしくない審判だ。