とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

南アフリカの健闘 フランスの憂鬱

 昨日からグループリーグ最終戦が始まった。1日に4試合。それもグループリーグ突破のかかった緊張感あふれるゲームばかり。なのに地上波やBS放送は1試合しか中継されず、あとはスカパー独占放送。特に昨日は最も可能性のない南アフリカvsフランス戦の中継しかない。できればメキシコvsウルグアイや韓国vsナイジェリアが観たかったが、仕方がない。昨日は南アフリカvsフランス戦を観戦。
 それにしても、アネルカの追放騒動で揺れるフランスに対して、開催国決勝リーグ通過を目指す南アフリカではゲームに臨む心意気が違う。立ち上がりから南アフリカが積極的に攻撃に出る。
 2分、チャバララのクロスにムペーラが走り込む。フランスも3分、グルキョフのスルーパスジニャックがシュート。フランスは第1戦以来の出場となるグルキョフを中心にゲームを作ろうとするが、連携のなさは相変わらず。
 20分、チャバララのCKにクマロが高い打点からのヘディングシュートで南アフリカが先制。25分にもムペーラがこぼれ球を拾ってドリブルからシュート。枠を外れるが、さらに南アフリカがゴール前に詰め寄るところを、競り合いの中でグルキョフが相手選手を肘打ちで倒し、一発レッドで退場。シセの嘆く表情がフランス・チームの内情を物語る。
 一人多くなった南アフリカはさらに攻め立て、37分、チャバララのクロスが跳ね返されたところを左SBマシエラがもう一度クロス。中央に待つムペーラがDFともつれながら追加点を挙げる。これで調子づいた南アフリカ。このゲーム4点以上取れば、もう一つのゲームの結果次第では決勝リーグ進出も夢じゃないとあって、ますます攻勢を強める。フランスはサンドバッグ状態。
 40分のフランスのFKはギャラスがスルーしてゴールかと思ったが、GKジョセフィスがナイスセーブ。守りでも乗って、43分のムペーラのミドルシュートはフランスのGKロリスがかろうじて弾き出す。
 後半に入り、フランスはジニャックに代えてマルーダを投入。6分、チャバララのスルーパスにムペーラがシュートを放つも枠外。フランスの9分、サーニャのパスにシセが抜け出しシュート。そして10分、シセに代えてアンリを投入。これでようやくフランスの雰囲気が変わってきた。25分、サーニャがフリーでドリブルからリベリにスルーパス。クロスを走り込んだマルーダがフリーでシュート。反撃の1点を返す。
 アンリが入って前線、中盤でボールが落ち着き、ようやくリベリ、マルーダが前を向いてプレーできるようになる。ボランチのディアラ、ディアビも落ち着いた守備を取り戻した。しかし遅過ぎた。
 南アフリカも終了間際、モディセのミドルシュート、チャバララのシュートと攻め込むが、ついに追加ゴールならず。決定力がなさすぎた。しかし元気のいいサッカーは南アフリカ国民を熱狂させるに十分なものだった。健闘を称えたい。
 一方のフランスは、予選最終戦のアンリのハンド事件以来、本大会出場に対して精神的な負い目があったのではないか。最後まで集中できず、心が一つになれないまま、その苛立ちが無用な言葉となり、内紛を誘発して崩れていった。グルキュフトゥラランなど実力はあっただけに残念だが、日韓大会といい、フランスが負ける時はこんなものかもしれない。
 結局A組はウルグアイがメキシコに競り勝ち、1位通過。守備はそこそことは思ったが、単純な攻撃力ははまると怖い。次戦は韓国。けっこういい試合になりそうだ。一方敗れたメキシコはアルゼンチンと戦う屈指の好カード。これはぜひ観なくては。今から楽しみだ。