とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

韓国に学ぶ南米カウンターサッカーの対処法

 ベスト16最初のゲームに韓国が登場した。相手はウルグアイ。予想どおりウルグアイの堅守に苦しみ、2トップのテクニカルな速攻で2失点。残念ながらベスト16進出チーム一番最初の敗退チームとなってしまった。
 前半5分、パク・チュヨンのFKがポストを叩く。しかしその直後の6分、ゴール前の混戦の中からフォルランボレーシュート。そして8分、カバーニが左サイドに送ったパスは大きすぎてフォルランが追いかけ何とか抑えると、韓国守備陣は気持ちのエアポケットに入ってしまったか。その後のGKとDFの間を通したグラウンダーのクロスをDF陣が茫然と見送ると、GKも届かぬ先にソアレスが走り込み、ゴールに蹴り込んだ。あっけなく先制。
 その後、韓国も攻撃しようとするが、しっかりと守るウルグアイの前にパスを回させられるだけで形にならない。32分、パク・チュヨンがドリブルから中に切れ込んでミドルシュートウルグアイも39分、フォルランが蹴ったFKにソアレスがヘッド。41分、チャ・ドリのミドルシュートは攻撃がままならない韓国の苛立ちを示す。44分、M.ペレイラが中盤でボールを奪いドリブル。ソアレスとのワンツーからシュート。DFの手に当たったがPKを取られずによかった。
 完全にウルグアイのカウンターサッカーにはまってしまった前半。後半に入ってようやく韓国の動きがよくなってウルグアイの守備陣を崩し始める。5分、イ・ヨンピョが上がってクロス。これをパク・チュヨンがスルーすると、右からキム・ジュソンがシュート。惜しくもDFがブロック。続く6分、今度はイ・ジョンスからのパスをキム・ジュソンとDFが競ってこぼれたところをパク・チュヨンがシュート。10分にはパク・チソンのドリブルからパク・チュヨンがシュート。さらに13分にはチャ・ドリのクロスにパク・チソンがヘディングシュートを放つがGKが好セーブ。
 さすがウルグアイ、このまま完封するかと思った23分。キ・ソンヨンのFKがこぼれたところをイ・チョンヨンがヘディングシュート。ついにウルグアイ・ゴールをこじ開けた。
 26分にはパク・チソンのスルーパスイ・チョンヨンがシュート。しかしここからウルグアイも攻撃的に前に出だす。28分、カバーニのスルーパススアレスがシュートすると、29分にもスアレスのシュート。そして35分、CKがこぼれたところを左サイドでボールを拾ったスアレスが大きく切り返してミドルシュートを放つと、これがポストギリギリ、ネットに吸い込まれる。
 これが南米の巧さ、勝負強さ。韓国も42分、パク・チソンのスルーパスにイ・ドンクがシュートを放つ場面を作るが、うまくヒットせずGKの手を弾いたボールはコロコロとゴールに向かい、DFが追い付いて外に蹴り出した。ここでタイムオーバー。
 南アフリカ大会、韓国の挑戦はベスト16で終わった。
 ウルグアイの固い守備とカウンター攻撃は、まさにパラグアイに通じる戦い方で日本代表の参考になる。フォルランの役をサンタクルスが担い、速い攻めからゴールを狙う。中澤や闘莉王が引き出されたところに飛び込むFWの選手をいかに阿部がフォローできるか。遠藤や長谷部の働きも重要だ。
 韓国は体調が悪かったか、前半は動きも少なく、ボールを持たされてはカウンターを浴びていた。日本もこれまでの戦いと同様、遠藤、長谷部が変に引き出されないことが大事だ。間延びをすると、南米の選手は決定力が格段に違う。チャンスを逃さない。細心の注意と献身的な守備。そして思いきった攻撃でパラグアイを撃破してほしい。韓国の二の舞にならないよう。同じドラマは二度見たくない。