とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

ガーナvsアメリカ アフリカの希望は死闘を制す

 ガーナvsアメリカというベスト16の中でも地味なチーム同士の対戦であまり期待していなかった。序盤はガーナが好調で、よく動き、中盤でパスがつながってアメリカを圧倒する。
 中盤でボールを奪ったボーテングがドリブルして上がり、DFを振り切ってシュート。なんと前半5分でガーナが先制する。その後も12分、アイウのクロスにボーテングのミドルシュート。18分、アイウの切れ込みをチェルンドロが倒してイエローカード。FKをギャンが強烈シュート。
 23分、アメリカもデンプシーのスルーパスにブラッドリーがシュートを放つが、27分にはギャンのスルーパスにボーデングがDFと競ってアサモアがシュート。28分にもジョナサンのクロスにボーテングがシュート。
 30分近くまでガーナにいいように振り回されていたアメリカだが、31分、クラークに代わりエドゥーを入れて、少しずつ盛り返していく。35分、デンプシーのスルーパスにフィンドリーがシュート。GKキングソン好セーブ。次第に互角の戦いになっていくが、チャンスはガーナ。37分、GKからのパスにアサモアがDFと競って抜け出しシュート。42分にもアイウがドリブル、ボーデングのパスにアサモアがシュート。立ち上がりはガーナだったが、次第にアメリカが盛り返して前半を終える。
 後半はアメリカ・ペース。立ち上がり2分、デンプシーからのパスに右サイド深くドノバンが走り込み、クロスをアンティドールのポストプレーから流してフェイルハーバーがシュート。9分にもドノバンのクロスにアンティドール、デンプシーが飛び込むが合わない。しかし16分、フェイルハーバーからドノバンのパスにデンプシーが走り込むと、ガーナDFがたまらずファール。PKをドノバンが決めて、ついに同点に追いついた。
 その後はノーガードのカウンター合戦。31分アンティドールのスルーパスにブラッドリーがシュート。36分にはGKからのボールをアンティドールがDFと競って倒れこみながらシュート。惜しくも枠を外れていった。結局、このまま90分経過。大会初の延長戦に突入した。
 延長立ち上がりの3分、アイウからのパスをギャンがDFに身体を寄せられふらつきながらも倒れずにシュート。勝ち越しゴールを挙げる。しかし粘りのアメリカはまだまだ諦めない。6分、デンプシーのクロスをポストで落とし、フェイスハーバーがシュート。8分にはブラッドリーのクロスをエドゥーがヘッド。しかしゴールにならない。
 延長後半も一進一退。次第に疲れが出てきて、アメリカも戻れない、走れない。ロスタイムにはGKハワードもゴール前に上がり、CKにGK同士が競り合う場面も。ロスタイムの2分、ガーナが時間稼ぎのボールキープがオフサイドを犯すと、アメリカが最後の反撃、デンプシーがヘディングシュートを放つが、必死のガーナの前についに同点ゴールは訪れなかった。
 このところドイツに代わってアメリカのヤンキー魂が最後まであきらめない粘りと逆転の代名詞のようになっている。延長戦リードしたガーナも、早すぎる得点が却ってプレッシャーとなって圧し掛かる。しかしアフリカ勢、最後の砦として、必死で前に駆け上がり、ファールで時間を稼ぎ、タイムオーバーを待った。アメリカも簡単にはそれを許さない。両者必死の攻防。死闘というにふさわしい戦い。心を打つ戦いは120分、ようやくガーナの勝利で終わった。両者、お疲れ様。