とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

誤審と不運に負けたメキシコのW杯 アルゼンチンはマスコミが騒ぐほど強くない

 立ち上がり、いつものようにテベスの鬼のような前線でのチェイシングから始まった。メッシもさっそくドリブルを披露。しかしゲームの主導権はメキシコが握る。
 8分、サルシドの反撃開始の号砲ミドルがバーを叩くと、9分、ドスサントスからのパスをグアルダードがシュート。ポスト左をわずかにかすめて外れた。14分にもドスサントスのスルーパスエルナンデスがシュート。メキシコが組織的な守備でアルゼンチンを抑え込み、ボールを奪っては速い攻撃を繰り返す。アルゼンチンはテベスやメッシにほとんどボールが渡らず、攻め手がない。
 と26分、ゴール前中央でボールを触ったメッシから前線のテベスにパス。これを落としたところをメッシがふわりとループシュートを放つと、テベスがヘディングシュート。ネットを揺らした。しかしよく見ると完全にテベスオフサイド。一緒に観ていた妻も「あれはオフサイドじゃないの?」と聞くほどの絶対的なオフサイド。しかし副審が旗を挙げず、メキシコ選手の猛烈な抗議に主審が確認に行くと、手で口を押さえてモゾモゾモゾ。たぶん「メッシのシュートが決まると思って、テベスの位置は見てなかった。」とでも言ってたんじゃないか。しかし妙に毅然としたこの日の主審は、即断、ゴールを認定。
 これで少し気落ちしたか、ゲームを落ち着かせようとしたか、メキシコがDFラインでボールを回す。中に絞ったオソリオが前からメッシが詰めてくるのを見て、軽く横にパスをすると、そこにイグアイン。かっさらってGKもかわしシュート。あっという間に2-0。何という不運。
 その後はサルシドのミドルシュートもあったものの、アルゼンチンが調子に乗って、特にテベスが躍動。37分、イグアインをポストにディマリアがドリブルで切れ込むとシュート。撥ね返りをテベスがシュート。42分にはテベスからオタメンディのクロスにイグアインがヘッド。
 メキシコも終了間際にマルケスミドルシュート。ロスタイムにはドスサントスのクロスにエルナンデスが走り込む場面があったが、結局得点できず。前半終了後、両チームのベンチ裏で選手同士が揉めたのはメキシコ選手の苛立ちを表わす。
 後半、アルゼンチンが守備を固め、引き気味でスタート。と思ったら、7分、ゴール前で集団に囲まれながらテベスが右に持ち出してシュート。これが強烈にネットに突き刺さり3点目を入れる。
 メキシコは後半早々から投入したバレラが奮闘し、再三チャンスを作る。15分、ドリブルで切れ込みシュートを放つと、18分にはバレラからのクロスをエルナンデスがヘディングシュート。25分にはサルシドのクロスをバレラがアクロバティックな体勢からのシュート。ライン上でDFがクリアするが、けっこう微妙な感じ。そして26分、トラドからのパスをエルナンデスが反転してシュート。強烈にネット上部を揺らし、追撃ののろしを上げる。
 しかしアルゼンチンもグティエレスやベロンを投入し、ゲームを終了にかかる。35分、バレラのFKはマルケスの直前でエインセがダイビング・クリア。ロスタイムにようやくメッシがドリブルからシュートして惜しい場面を見せたが、ゲームは全体的にメキシコ・ペース。誤審と運・不運の差でアルゼンチンが勝利した。
 メキシコにしてみれば悔しい敗戦。アルゼンチン選手やマラドーナの喜びようも異常なほど。次のドイツ戦。この出来ならばドイツの若い力に粉砕されてもしょうがない。マスコミが騒ぐほどアルゼンチンは強くない。マラドーナの運で勝ち上がっているとしか思えない。