とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

ガーナ落胆 ウルグアイの執念としたたかさ

 まさか最後、そんなすごいことになっていたとは思わなかった。NHK総合の録画が朝6時で終わり、続きは教育TVで放映された。が、こんな早朝に生で見ていた人は多くはないだろう。私も見事はめられ、延長後半ロスタイムのドラマを見損なってしまった。NHKもまさかそんなドラマが待っているとは思ってもいなかっただろうが、それにしても罪作りなことをする。続きはFIFA.comの酷い画面で見たが、やはり連続して見たかった。
 前半30分まではウルグアイ・ペース。11分、スアレスがDFを抜いてシュート。18分にはフォルランの蹴ったCKをカバーニが逸らすと、DFメンサーの胸に当たってあわやオウンゴール。GKが抑える。26分にはスローインからスアレスがシュート。GKキングソン、ファインセーブ。ウルグアイはいつものように堅守から、FWの二人が自由に動いて速い攻撃を仕掛ける。フォルランの速くて低いFKが有効。遠い位置からでも一気に押し込まれ守備に追われる。
 しかし30分過ぎからプレスが甘くなってきたか、ガーナが優勢に立つ場面が多くなる。30分、CKからボーサーがヘディング・シュートを放つと、31分にはDFからのボールをボーテングがクロス。ギャンがシュート。わずかにポストの右。惜しい。ボーテングがトップ下でフリーとなり、ギャンに再三いいパスが出る。33分、ギャンがボーテングのスルーパスに抜け出すが届かず。39分、ムンタリのヘッド。44分にもムンタリからインクームのクロスにボーテングがオーバーヘッド。圧倒的に攻め込むが、どうしても得点にならない。このまま前半も終了と思ったロスタイム2分。中盤でフリーになったムンタリミドルシュートを放つと、大きく右に変化して見事ゴールに突き刺した。ガーナ先制。
 後半に入ってもしばらくガーナ・ペースが続くが、10分、ゴール左やや遠い位置からフォルランがFKを蹴ると、GKキングソンが壁の上をケアしてゴール左に寄ったところを右へGKの逆を突く強烈なシュート。あっけなく同点に追い付く。
 その後はウルグアイも巻き返し、互角の展開。13分、ボーテングからギャンがシュート。GK好セーブ。18分、フォルランのクロスにスアレスがシュート。枠を外れる。25分、フシーレスローインからスアレスが落とし、ロデイロのスルーパススアレスが走り込んでシュート。キングソンが好セーブ。28分にはギャンのミドル。29分にはフォルランのFK。さらに33分、フォルランのFKがスアレスに合い、ヘディングシュート。またもキングソンのセーブ。しかし90分を終わる頃には両者とも疲れが出てきて、中盤のない打ちあいのゲーム。ただし攻撃でのミスも多く、なかなかチャンスが訪れない。
 延長前半、8分ギャンがドリブルで迫るがクリア。逆にウルグアイも15分スアレスのパスにロデイロがシュートするがGKセーブ。延長後半、ムンタリ、インクームに代わって途中出場のアッピア、アディアが頑張り出す。5分、アディアのポストプレーからアッピアがつないでギャンがヘディングシュート。8分にもアサモアからアッピアへ。10分、アディアのクロスはギャンがPA内でリフティングするがシュートは打てず。13分、スローインからボーテングがシュート。そして延長ロスタイム、問題のシーンがやってきた。
 FKをGKが弾くとアッピアがシュート。いったんはクリアされたがアディアがヘディングシュートすると、万事休すの場面でスアレスが故意のハンド。もちろん一発レッドだが、ゴールにさえならなければその後何が起こるかわからない。あの場面でそう判断し手が出るところがある意味すごい。南米選手のしたたかさ、勝利への執念を感じる。そしてその何かが起こった。
 PKをギャンがバーに外す痛恨のミス。さらにPK戦に入って、最初に蹴ったギャンは今度こそ決めたものの、3人目のメンサー、4人目のアディアがGKにセーブされ、最後アブレウが決めて4-2。ガーナは最後の最後で涙を飲んだ。そして会場に詰めかけた観衆の多くが悲嘆にくれた。
 それにしても何というドラマ。やはりこの究極の場面でW杯に慣れないナイーブさが出てしまう。これは日本も同様。逆にパラグアイともども南米勢のしたたかさ。ブラジルといい、ガーナといい、この日は僕が応援していたチームが負けてしまった。今夜のドイツ、スペインは大丈夫だろうか。一応、ドイツ優勝と周辺には公言しているのだが、はたしてどうか。