とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

魂のパラグアイ・サッカー 涙のベスト8惜敗

 日本とはPK戦の末、ベスト8に勝ち上がったパラグアイ。その日本戦とは6人も先発を代え、積極的な前からのプレス・サッカーでパス・サッカーのスペインに対抗した。
 1分、スローインからカルドソが落とし、バレットのスルーパスサンタナがシュートを放つ。球際強く攻め込むパラグアイの前にスペインは完全に受けに回って、ほとんど押し込まれる展開。20分、右低い位置からのモレルのFKは惜しくもアルカラスの頭に合わない。
 しかし次第にスペインも慣れてきたか、少しずつパスがつながるようになってくる。29分、カプテビラの縦パスを受けたシャビがミドルシュート。34分には、カシージャスが腕で投げたボールが左ハーフライン付近に立つシャビ・アロンソにつながり、大きくサイドチェンジしてビジャ、イニエスタがクロスを上げるがトーレスには届かない。トーレスは相変わらず調子が上がらない。
 パラグアイも35分、右低い位置から抜け出すと、バルデスのパスが左SBのモレルにわたりクロスを送るが、サンタナの頭にわずかに合わない。そして41分、右サイド低い位置から上げたバレットのクロスにバルデスが抜け出してシュート。ネットを揺するがオフサイドの判定。ああっ!
 しかしビデオではバルデス自身はオンサイド。判定に泣く。ロスタイムにもカウンターからバルデスがドリブル、シュート。次第にスペインのボールキープ率は上がってきたものの、パラグアイのカウンターも鋭くゲームはパラグアイ・ペースと言える。
 後半に入って劇的な展開を見せる。12分、バレットのCKにピケがカルドソと競って倒しファール。PKを得る。蹴るのはカルドソ。しかし映し出される顔には過度の緊張の様子がありあり。屈指の名GKカシージャスの前にPK失敗。
 その直後、今度はアロンソのパスにビジャが走り込みアルカラスが倒してしまう。今度はスペインがPK。蹴るのはシャビ・アロンソ。1回は決まったと思ったが、他の選手のエリア内への侵入が早いとやり直し。ところが2度目のPKはGKビジャールに撥ね返され、セルヒオ・ラモスのシュートもDFがクリア。PKとなっても両者譲らない。
 11分、トーレスを下げてセスク・ファブレガスを投入。これでスペインの前線に動きが出るようになってくる。18分、アロンソからセスクを経てイニエスタがシュート。しかしGKが好セーブ。25分にはブスケツ、シャビを経て、カプテビラのクロスにイニエスタミドルシュート。30分にはクリアミスからシャビがミドルシュート。しかしパラグアイの精力的な守備の前にどうしてもパスが巧く回らずゴールにならない。30分にはシャビ・アロンソをあきらめ、ペドロを投入。いよいよ攻撃的に出る。
 パラグアイも27分、これまで精力的に動いて攻撃の核となっていたバルデスに代えてサンタクルス。トップに長身選手を二人並べ、得点を狙う。
 しかし38分、ようやくスペインのパスサッカーが実を結ぶ。イニエスタからセスク、シャビを経由してイニエスタのパスにペドロがシュート。ポストに当たって跳ね返ったところをビジャが拾いシュート。これが右ポストに当たり、左ポストに当たって、ゴール内に転がり込んだ。ようやくのスペイン先制点。
 しかしパラグアイは諦めない。40分にはベロンに代えてバリオスを投入。反撃を試みる。44分、ダシウバのパスにバリオスが走り込みシュート。GKに弾き返されたところをさらにサンタクルスが走り込むが、寸前でGKがクリアしていった。惜しい。
 結局このままゲームは終了。あの前半のオフサイドの誤審がなければどうなっていたことか。PKを失敗したカルドソがいつまでも泣いていたのが心を打つ。スペインは調子が上がらないまま、ベスト4進出。次は絶好調のドイツ戦。ついに力屈するか、はたまた本来の調子を取り戻し決勝進出を果たすか。意外とハラハラドキドキの準決勝となった。