とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

高齢者を大事にしすぎ

 藻谷浩介氏の「デフレの正体」を読んでから、高齢者福祉施策について考えている。
 藻谷氏は、住宅政策と同様に、「低所得者には一定程度の医療福祉制度を整備し、それ以上の医療や福祉を望むものには自己負担で高額医療や福祉を提供するような仕組みを考えたらどうか」といった趣旨のことを書いていた。
 藻谷氏はこれを、住宅政策を称揚する形で書いているから、ここまではっきりとは読み取れないが、ようするに政府が保障する医療・福祉水準の切り下げと高額医療等の市場化だ。本当にこれをやったらかなりの批判を呼ぶだろう。たぶん実現は無理だ。しかし日本の財政状況はこうした政策の実施を余儀なくされているのではないか。
 消費税増率が参議院選挙の争点となっている。消費税が適当かどうかはさておき、増税歳出削減が求められているのは確かだ。「鼻血も出ないほどの削減努力をした上で」と言われ、努力の内容としていっそうの公務員削減や給与カットが言われている。
 しかし、働く盛りの労働者への給与カットは内需をさらに落ち込ませ、それに増税が追いかけると、日本経済はさらに悲惨なところに追い込まれる可能性がある。そもそも公務員人件費を10%カットしようが歳出削減効果は実のところ大したことはない。政府支出の最大の項目は医療・福祉費用だ。
 結局のところ藻谷氏が言うように、主に高齢者が受給する医療・福祉の支出を削減し、働き盛りの税引き後給与(消費税も含む)を維持・確保する方策が必要だろう。
 今年の2月に鼻血が続き、鍼灸院の先生から「一度、脳ドックで診てもらった方がいい」と言われた。わが社の福利厚生には、脳ドックに対する補助制度があり、理由を添えて応募したが、希望者が多く、あいにく落選した。当選者を見ると退職間近の高齢者が多い。年齢順で選考したか? しかし今年退職する社員に補助をするよりも、これからさらに企業に貢献するだろう30代40代の健康を守った方が、会社としてもいいのではないか(ちなみに私ももう50代なので、補助をもらう資格はないのかもしれないが・・・)。
 高齢者向けのサービスをいかに引き下げ、若年者に振り向けていくか。日本の将来を考えた場合、これこそが最大の課題だろうし、そうした政策提言をしている政党にこそ期待したいと思うが、そんな政党は日本にはいない。今年の参議院選にはまったく期待ができない。