とんま天狗は雲の上

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高速道路無料化の評価軸

 道路公団民営化委員会で活躍し、今は東京都副知事を務める猪瀬直樹氏が「東京の副知事になってみたら」で民主党の高速道路無料化政策を非難している。
 しかし猪瀬氏の反論は、高速道路全線無料化に対するものであり、5月に発表された全日上限2000円と各種割引制度廃止に対するものであって、現在実行中の部分的な無料化に対しての反論にはなっていない。

●麻生割引は、以前の政権が打った景気刺激策だから民主党政権として途中でやめるという選択はあり得る。だが道路公団を民営化して無駄を減らしてつくった「民営化割引」を全廃するのは暴挙である。すでに5年が経ち、利用者には生活習慣になっているし、トラック輸送も割引を前提にしてビジネスが組み立てられている。(P175)

 私も猪瀬氏が主張している部分については大賛成だ。景気刺激策としての休日1000円上限は渋滞を引き起こすばかりで、景気対策としての効果が明らかでなく、早急に中止すべきと考える。同様に、全日2000円上限とすることもどういう意味を持つのかさだかでない。一方、各種の割引制度にはちゃんとした目的もあり、またその効果も上がっていることから、これを中止するというのは全く市民生活を知らない政治家と国家官僚による愚行以外の何物でもないと思っている。
 先週も新聞報道で、高速道路無料化が渋滞を惹き起こしているという記事が出ていたが、高速道路無料化の効果測定は一般道路の渋滞緩和状況をもって測るべきであり、高速道路については通行量が増加すれば(増加するに決まっているが)それはプラスで評価すべきことだ。もし一般道から高速道路に渋滞が移動したとすれば、ナビシステム等で有効に交通誘導を行うことを考えればいい。
 一方、休日1000円上限の景気対策については、もう実施後1年半にもなる頃だし、そろそろ経済効果の結果を公表し効果測定をしてもいいのではないか。民主党政権として実施すれば、参院選で多数となった自民党に対する痛烈な政策批判になるはずなのに。それができないのは、民主党の道路政策も五十歩百歩であることを露呈しているということか。