国際マッチデイによる中断前のプレミアリーグ第7節、屈指の好カード、チェルシー対アーセナル。両チームとも前節敗戦し、連敗は避けたいところ。チェルシーは前節同様ランパードが不在。対するアーセナルに至っては、セスク、ウォルコット、ファンペルシー、ラムジー、フェルメーレン・・・と負傷者多数。特に前節、セスクの代わりにトップ下に入ったナスリをサイドに回し、ディアビをトップ下に据える。
立ち上がり早々、アーセナルがチャンスを迎える。1分、サーニャのクロスにシャマックのヘディングシュート。これをDFにクリアされると、直後のCKにコシエルニがヘッド。しかしこれも大きく枠を外れてしまう。ここで1点でも入っていれば、後の展開はだいぶ変わったんだろうが。
前半はアーセナルがパスを回し、チェルシーが受け身の展開。4分、ドログバのFKが枠を外れると、8分、テリーのフィードにマルーダがループシュートを放つ。15分にはエッシェンからドログバ、アネルカのクロスはうまく中央で合わなかったが、カウンターからチェルシーらしい大きな展開でアーセナル・ゴールを脅かす。
基本的にアーセナルが遅攻でパスを回しチャンスを窺うのに対して、チェルシーはカウンターからの速攻狙い。両チームとも特色を出し合った互角の展開が続く。
28分、アルシャビンのミドルシュートはGKチェフがかろうじて弾き出す。32分にはナスリらしいドリブル、切り返しからシュート。チェルシーも35分、エッシェンのスルーパスにドログバが抜け出しシュート。アルムニアに代わるGKファビアンスキーが見事なセーブ。
次第にチェルシーのカウンターの切れ味が鋭くなる中、39分、中盤でラミレスがボールを奪うとスルーパス。これにA.コールが追い付きグラウンダーのクロスを送ると、ドログバが身体はボール方向を向いたまま左足のインサイドでボールを掻き出すようにゴールに放り込む。芸術的なゴール。この2チームの対戦を決めるのは、やはりこの意外性。
セスクのいないアーセナルは、この意外性を示すことができず、サーニャからのクロスやナスリ、アルシャビンのドリブル突破があっても、想定内。チェルシーの堅守を破ることができない。ここがチェルシーとアーセナルの違いだ。
後半に入りアーセナルが必死に攻め立てる。6分、ナスリのCKにシャマックがヘッド。11分、ディアビのシュートはDFに当たり、危うくゴールを脅かす。しかしチェルシーも抜け目なく攻撃に出る。15分、CBスキラチのバックパスを拾ったアネルカがシュート。これは辛くも枠を外れる。25分にはアネルカのスルーパスにA.コールが抜け出すが、オフサイドの判定。
25分には、ディアビに代えてロシツキーの投入。どうしてロシツキーが先発で出ないのか疑問だが、守備への配慮ということか。これでさらに勢いづき、29分、ロシツキーがアルシャビンとのパス交換からシュート。35分にもロシツキーのクロスにシャマックがヘディングシュート。しかしその前には、シャマックがチャンスでパスを回してしまうシーンも見られ、まだ十分にはなじんでいないのかもしれない。思いきりの良いファンペルシーの復帰が待ち遠しい。
このままジリジリと時間が過ぎていった後半40分。FKのチャンスにキッカーはドログバかと思わせてアレックスの強烈ミドル。これがきれいにシュート回転を描いてゴールに突き刺さる。これでゲームは決まり。最後はチェルシーがさらに追加点というチャンスを2度ほど迎えたが、これ以上の得点は入らず、2-0で終わった。
実力どおり。これで勝点18。マンUがイマイチ不調の中、マンCとチェルシーがプレミアリーグを引っ張る形が見えてきたようだ。一方、アーセナルは例年どおりの負傷者続出による首位戦線後退。セスクらの復帰が待ち遠しい。