とんま天狗は雲の上

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「生物多様性」って、いったい?

 今週初めから名古屋市生物多様性条約第10回締約国会議、通称COP10が開催されている。会議が開催されている名古屋国際会議場だけでなく、名古屋市内や愛・地球博記念公園「もりころパーク」など県内のさまざまな地区で、関連イベントや会議などが開催されている。
 地元紙の中日新聞は、この会議のことを独自に「いきもの地球会議」と名付け、さまざまなキャンペーンやシンポジウムなどを開催している。それはそれでごくろうさまなことだが、ところで「生物多様性」ってどれだけ重要なことなんだろうか。
 環境系のプロパガンダって、地球温暖化問題が、実は温室効果ガスとの関係が不明確だったり、データ偽造疑惑が持ち上がったりで、今となっていろいろと懐疑論が出ているけれど、「生物多様化」は大丈夫なんだろうか。
 数年前、自動車通勤していた頃、「オオキンケイギクがきれいだよ」と話したら、「最近は道路の法面緑化によく用いられているからね」と聞いた記憶があるが、いつの間にか外来生物法に基づく特定外来生物として栽培や譲渡などが禁止されており、この春にはTVなどでも大々的に叩かれていた。
 でも、タンポポはいつの間にかセイヨウタンポポがほとんどになっているし、セイタカアワダチソウ外来種だと聞いて久しい。野菜の種も外来産が珍しくないし、考えてみればジャガイモやトマトの原産地はアンデス地方、カボチャも中南米原産、タマネギは中央アジア、ダイコンは中東、ニンジンはアフガニスタンが原産地だそうで、それじゃ日本原産の野菜っていったい何?
 さっそく検索してみると、フキ、ミョウガ、ミツバ、セリって、僕の嫌いなものばかりなんですけど。
 地球上には200万種から1億種の生物種があるとのこと。種の絶滅は生態系の安定度の低下につながり、地球生態系の崩壊につながると言われるけれど、「だから何?」と今ひとつピンと来ない。地球自体だって永遠に存在するわけではないのだから、地球上の生物種だって、いつかは消滅するだろう。一方で、新たな新種も発見されるし、環境変化に応じた変化(進化?)もあるだろう。そもそも人類はいつまで存在するのか。
 自然はあった方がいいし、どうせあるなら多くの種類があった方が楽しいだろうが、害虫を保護する気にはなれず、昨日も蚊を1匹叩きつぶした。「自然を守ろう」とか、「特定の地域の環境を守ろう」というのはわかりやすいが、「生物多様性のために、ゴキブリもつぶすな。花や種の輸入も禁止」というのは理解も得られないし、そういう主張を聞くこともない。
 結局、「生物多様性」のためにどうすればいいのか。COP10の争点になっているのは、開発途上国の生物資源の保護と価格のようだが、それが「生物多様性」として議論されている一方で、「いきもの地球会議」と銘打ってイベント屋が大儲けをしている。
 なんだ、やっぱり「生物多様性」と言っても、「地球温暖化」と同様、グローバル経済化における利権争いなんじゃないか。よくわからないけど、たぶんこうして結局わけがわからないまま会議が終わり、そして忘れていくんだろうな。「生物多様性」って、いったい何?