とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

リゾート地に住む

 東日本大震災福島原発事故に伴う集団疎開が本格的になってきた。以下の文章は数週間前に書いて、ブログに書くことがなくなったときに使おうと投稿せずにいたものだ。疎開者に少しはヒントになるだろうか。

 先日、私よりも15歳ほども若い大学の研究者に久しぶりに会った。いまだ独身の彼だが、話をしていると最近どうやら引っ越したらしい。勤務地は豊橋市だが、三ヶ日から通勤していると言う。何で?とさらに聞くと、浜名湖に面する別荘を購入し暮らしているという。
 古くに開発された別荘地で中古別荘が売りに出されていたのを購入。購入金額は数百万円で、管理費が月2万円程度。管理人が常駐し、宅配などはそこで預かってもらえる。簡単な売店なら別荘内にあるし、スーパーマーケットも車で15分も走ればある。
 朝は鳥の囀りで目を覚まし、夜は波の音が眠りを誘う。窓からは緑があふれ、共有地の管理も行き届いている。浜名湖なので季節に関係なく年中暮らせる。彼と同様に別荘で暮らす高齢者も増えているらしい。
 話題はその後、長野県のクライン・ガルテンに付属するラウベ(簡易宿泊施設)で生活する人たちのことに移っていった。長野県のグリーン・ツーリズム協議会のHP「Greenden信州:市民農園」を見ると、30〜50m2ほどのラウベが付いて年間30〜40万円ほどで借りられる。相当な人気だと言う。
 もちろん身体が元気なうち、年金や利子収入が続くうちかもしれないが、うらやましいことだ。ちなみに、地元市から市民農園の管理者に対して相当な補助金が出ている。それでも来て欲しい、借りて欲しいということか。
 一昔前までは田舎暮らしは不便というイメージだったが、近頃はその形が変わりつつあるらしい。

 全国にはこうした空き家や施設がたくさんある。数日前には、高山の定住促進住宅に疎開者が入居したという記事を見たし、今朝の中日新聞には、南知多町の元旅館で部屋を開放したという申し出が掲載されている。「気に入ったら永住してもらってかまわない。一緒に暮らそう」と呼びかけている。問題は就職だが、今の日本には住む場所はいくらでもある。