とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

ビジャールの軌跡の前に、ブラジル根負け

 週が明けてもなお、なでしこ優勝のフィーバーが終わらない。色々な言説が飛び交っているが、まあ多くの国民が女子サッカーを認知しただけでも良しとしなければ。女子はすぐに秋にもオリンピック予選が始まる。どういうメンバーで臨むのか。次の興味はそこにある。同じメンバーだと(その可能性が高いと思うが)、無様な成績は残せないので、さっそく試金石がやってくるとも言える。がんばれ!なでしこ!
 それはそれとして、コパ・アメリカではブラジルが決勝トーナメント1回戦で散ってしまった。相手はパラグアイ。まるで女子W杯の日本対アメリカを見るような、ブラジルが一方的に攻めて、パラグアイが守る展開だったが、アメリカと違って延長戦の頃にはブラジルの根も尽き果て、PK戦は悲惨に砕け散った。やはり女性の方が粘り強い。
 ブラジルは序盤から速い攻撃を見せ付ける。4分、ラミレスがミドルシュートを放つと、7分にはパトのポストプレーからネイマールがシュート。しかしパラグアイの守備も強く厳しい。ピッチのせいもあるが、ぶつかり合うたびに土ぼこりが舞い上がり、激戦を物語る。
 パラグアイの力勝負にブラジルも負けていない。ルシオルーカス・レイバマイコンらが厳しさと強さで応酬し、前線は美しい技術を披露する。27分、ネイマールを起点にガンソの縦パスからロビーニョが右に振り、ネイマールが回り込んでシュート。美しい攻撃を見せると、33分にはアンドレ・サントスのFKにルシオが合わせて強烈なシュート。しかしGKビジャールがナイスセーブ。身体に当ててはね返す。40分にはラミレスの長いスルーパスアンドレ・サントスが抜け出してシュートを放つが、枠を外す。
 後半もブラジル・ペース。4分、ラミレスが右にはたき、マイコンのクロスにガンソ。しかし足が合わない。さらにラミレス、ガンソとつなぎ、パトのスルーパスネイマールがシュート。GKを抜くが、後ろでパラグアイのCBアルカラスがブロック。はね返りをマイコンがシュート。再びアルカラスが立ちはだかる。こうして耐えていると次第にパラグアイがペースをつかんでくる。が、シュートを打つところまではいかない。その点ではブラジルのDF陣はしっかりしている。
 22分、CBルシオがゴール前まで上がり、クロスにガンソがシュート。GKが弾き、ポストに当たる。28分、ネイマールのFKにパトが合わせてシュート。しかしGKビジャール、足を当ててはね返す。
 パラグアイは後半38分までにバレート、マレコス、ペレスと3人を交代すると、ブラジルも35分、ケガのネイマールに代えてフレッジを投入。すると37分、フレッジポストプレーからロビーニョのスルーパスにパトが走り込みシュート。またもGKビジャールがセーブ。はね返りをパトがヘディングするが、サイドネット。39分、CKにフレッジがヘディングシュート。GKビジャールの頭上は越えたが、ライン上でバレートがクリア。ロスタイムにもマイコンからガンソのパスにフレッジがシュートをするがゴールならず。
 ブラジルのゴールが遠い。いや、パラグアイの粘りは凄すぎる。延長前半10分、ブラジルは動きの落ちたガンソ(と言っても、そもそも動かないが)に代えてルーカスを投入。12分、厳しいチェックから乱闘騒ぎ。これでルーカス・レイバとアルカラスが退場。延長後半もブラジルがボールをキープして攻め、パラグアイが守るが、両チームとも動きは相当に鈍い。そんな中でもFWバルデスが足を攣りながらもここぞという場面ではカウンターで走りシュートを放つ。ブラジルはルーカスとフレッジが元気なだけで、あとは動けない。根も気力も尽き果てたという風情でタイムアップ。PK戦に突入した。
 しかし一番手で延長後半から途中交代のエラーノが外すと、チアゴ・シウバ、サントスと続けて外し、4人目のフレッジも枠外へ。何と4人が1本も入らず敗戦。パラグアイのしつこい守備に狙わなくてもいいコースを狙っては自ら外してしまった感じ。ブラジルがベスト8で姿を消した。
 準々決勝が終わってみれば、何とベスト4に残ったのは、ウルグアイパラグアイ、ペルー、ベネズエラという面々。特にペルー、ベネズエラを予想した人は少なかったのではないか。グループ別にみれば、準決勝はグループBの2位と3位のチームが対戦し、グループCの2位と3位のチームが対戦する。グループリーグではいずれも引分けだった。さて再戦はどうなるか。順当に行けば、決勝はウルグアイパラグアイだが、そうは簡単に行かないかもしれない。今回のコパ・アメリカは混沌としている。