とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

欧州サッカー批評04

 特集は「バルサへの挑戦状」。2011年ヨーロッパ・チャンピオンズ・リーグ決勝でマンチェスター・ユナイテッド相手に完璧な勝利を上げたバルセロナ。前半15分間のマンUのラッシュをかわすと、後は完璧なバルセロナ・ペースでサッカーの次元が違うことを見せつけた。このバルセロナに勝つにはどうすればいいのか。バルセロナのサッカーはどう異次元なのか。そしてこれからもさらに進化するのか。
 バルセロナの中盤の底に君臨するブスケツ。スペイン代表監督として2010年W杯南アフリカ大会を優勝に導いたデル・ボスケ監督。永遠のライバル、レアル・マドリーノの司令塔シャビ・アロンソ。かつてのバルサ・キラーにしてイングランド代表監督ファビオ・カペッロマンUの完敗を振り返るスコールズとネビル。さらには、チェルシーの新監督ビラス・ボアス。今年のCLでバルセロナを後一歩まで追いつめたアーセナルベンゲル監督。セリエAからはチェゼーナの新監督マルコ・ジャンパオロ。イングランド伝統の体力を生かしたサッカーを展開して結果を出すストークのピューリス監督。加えて木崎伸也、西部謙司の両ジャーナリスト。
 まさにいろいろな角度からバルセロナのサッカーを分析し、いかにすれば勝利できるかを考え、一方でバルセロナとは対極のサッカーの魅力も紹介する。先日のCL決勝の映像がまだ生々しいだけに楽しみも深い。
 また、ハンブルガーSVリバプールの再生の物語、ACミランに移籍し活躍するカッサーノの破天荒ぶり。次々とめくるめく欧州サッカーの世界が繰り広げられる。楽しい。欧州サッカーは今シーズンもバルセロナを中心に回るんだろうか。
 いやプレミアリーグも面白い。本誌でもチェルシービアス・ボラス監督だけでなく、リバプールダルグリッシュスウォンジーのブレンダン・ロジャーズ、ストークのピューリスと個性的な監督たちを取り上げている。これを読んでいると、プレミアリーグがますます楽しくなる。もちろん、セリエAやスペイン・リーグも興味が尽きない。今シーズンも欧州サッカーは面白い。

欧州サッカー批評(4) (双葉社スーパームック)

欧州サッカー批評(4) (双葉社スーパームック)

●つまるところ、バルセロナを倒したければ、バルセロナに近づくことが王道なのかもしれない。バルセロナの前方プレスを無効化できる選手を揃え、ポゼッションでも互角に渡り合う。そうすればバルセロナと堂々の勝負ができるだろう。バルセロナで学んだジョゼ・モウリーニョ監督は、レアルのバルセロナ化を図るのではないか。(P045)