とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

なでしこ粘りのサッカーで韓国に勝利 次戦に向けていい教訓になった

 五輪最終予選の初戦。タイに苦戦の末、勝利した日本。第2戦は韓国。初戦温存した澤、坂口を先発させ、宮間、大野の両SH。優勝したW杯決勝戦と同じ先発メンバーだ。
 初戦ベンチで貯め込んだ気持ちを爆発させるように、序盤からなでしこが圧倒していく。5分、澤から右に流し、近賀のクロスにCB岩清水がシュート。6分には安藤が切り返しからシュート。さらに10分、安藤から左に流し、宮間のクロスに川澄がヒールでポスト。最後は安藤が飛び込みシュートを放つがGKチョン・ミンギョンが防ぐ。だが、ここからのCKに坂口が飛び込み、ヘディングシュートを決めた。日本先制。GKが目測を誤り、中央でフリーに坂口が飛び込んだ。空中で伸び、ポイントでピタリと落ちる宮間ならではのCKだった。
 だが先制され、韓国に戦う気持ちが芽生えてくる。前からのプレスが厳しくなり、日本のミスが増えてくる。15分、左SBイ・ウンヨがミドルシュートを放つと、16分には左に回っていた右SBリュ・ジウンのクロスを近賀がクリアすると、そのボールをチョン・ガウルがシュート。この時間帯、韓国はポジションを積極的にチェンジし、日本のマークがずれる。
 そして30分、岩清水の何でもないパスに熊谷が足を滑らせ、かっさらったFWパク・ヒヨンがドリブル。右SHクォン・ハヌルを経由して最後はFWチ・ソヨンが見事なミドルシュート。韓国が同点に追い付く。
 その後は互角の展開。38分、宮間から右SH大野のクロスを安藤が落とし、宮間のシュートはバーに当たる。韓国も42分、イ・ウンヨからパク・ヒヨンのシュート。何とかこのまま同点でやり過ごして、後半から巻き返しをと思ったロスタイム1分、左サイド、宮間のスローインを安藤が受けて前へパス。澤が走り込みクロスを川澄がポスト。DFの圧力の中、粘って出したパスに大野が走り込む。シュート。日本、前半の内に勝ち越す。
 後半1分、中盤左深い位置からのFKにクォン・ハヌルが鮫島をかわしてシュート。しかしGK海堀の正面。8分にもチ・ソヨンが長い距離をドリブルして右サイドへ。クォン・ハヌルが折り返して、チ・ソヨンを経由して最後はチェン・ガウル。危ない。後半に入り、韓国の圧力がさらに強まった。
 日本も粘る。韓国のプレスが強い中、持ち前のパスサッカーが機能せず、ミスが目立つ。だが、韓国も決定的なチャンスはなかなかつかめない。パスサッカーを展開する似た者同士のゲーム。差を付けるのは運動量、技術、連動性、そして気持ち。日本は前3つで劣るものの、気持ちで守り、粘る。30分には韓国のパスがつながり、最後はチ・ソヨンが右に流して、そこにCBキム・ユミが上がってクロス。澤が身体を挺してブロックするが、これがチ・ソヨンに渡りシュート。だが枠を外れる。
 最後は大野や永里ががんばって時間を作り、このまま2-1で終了した。なでしこ粘りの勝利。W杯チャンピオンになったが、ドイツ戦、アメリカ戦と粘って勝利を掴んだことを忘れてはならない。なでしこリーグ選抜とのゲームなど、少しいい気になっていたのではないか。このゲーム、最も目立ったのは澤。それも守備の場面で。それこそがなでしこのゲーム。次のオーストラリア戦に向けて、いい教訓になった。さあこの苦戦を糧に予選突破に一直線だ。