とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

なでしこオーストラリアを一蹴。相手が弱過ぎたかも。

 予選対戦相手5チームの中で最強と目されていたオーストラリア。だが、戦ってみるとオーストラリアにほとんど攻め手がなく、日本が一方的に攻め続けた。それでも1得点というのは、日本もまだまだ感が強いが、守備意識の高いオーストラリアに対してきちんと1-0で勝つ当たりになでしこの強さを実感した。
 9分、宮間のスルーパスに永里が抜け出しシュート。GKウィリアムズがかろうじて足に当てた。オーストラリアはCFデバナに向けて早めのクロス、長いフィードでボールを放り込むが、熊谷、岩清水が冷静に対処していく。
 序盤は高かったプレスも次第に落ち着いてくると、坂口のところでフリーとなり、広い視野からまるでアメリカン・フットボールのQBのように、左右にパスを送り込み、展開を図る。左サイドはSH宮間が中に絞ると、外をSB鮫島が駆け上がり、右サイドはSH大野が大きく開いた中をSB近賀が切れ込んでいく。
 17分、右SB近賀からのフィードを永里が落とし、川澄がシュート。26分、澤のスルーパスに近賀が中へ高く走り込み、永里に送るが、シュートはポストを叩く。30分には近賀のスルーパスに川澄が飛び出すが、GKと交錯。近賀の積極的な攻撃参加が目立つ。
 オーストラリアは32分、右SHフォードがボール奪取からドリブルで長駆駆け上がりシュート。オーストラリアの攻め手はCFデバナへの放り込みか、フォードのドリブルしかない。
 日本は35分、今度は左SB鮫島がカットインからミドルシュート。43分、澤のスルーパスに永里が川澄とのワンツーで抜け出し、最後は永里の戻しのパスを川澄がシュート。このゲーム、永里が久しぶりにいきいきとプレーし、ポストにシュートに存在感を示す。
 前半終盤から中盤の守備を坂口に任せて、澤が積極的に上がっていく。後半3分、澤のドリブルからクロス。川澄にはわずかに届かない。オーストラリアも5分、フォードが駆け上がるが、GK海堀がきちんと対応。海堀もW杯の時に比べ、格段に落ち着きが出てきた。
 9分、CKからの流れの中から近賀がミドルシュート。GKウィリアムズが横っ飛びファインセーブ。10分にはマッカラムがミドルシュート。後半に入りオーストラリアがパスをつないでくるようになる。だが、そうして前目になったオーストラリアの守備の裏側を使って、日本が先制した。
 17分、鮫島の長いフィードに永里が抜け出し、ていねいに落としたボールを川澄が受けて前進するGKの脇を抜けるシュート。日本ようやく先制。
 これで攻めるしかなくなったオーストラリア。21分、CKにウォルシュがニアに飛び込みシュート。だがポストにはね返される。日本はその後、大してバリエーションのないオーストラリアの攻撃をきちんと全員守備で対応し、チャンスを作らせない。26分安藤、37分丸山を投入。うまく時間を使いながら確実に勝利を引き寄せた。
 オーストラリアが弱いのか、日本が強いのか。明らかにタイプの違うチーム相手に、3戦中、もっとも楽に勝利した。やはり似た者同士より欧米型のチームの方がやりやすいのかもしれない。これで3連勝とまた1歩五輪出場に近づいた。次の北朝鮮が正念場。若いチームで調子に乗っているようだ。再度引き締めて、いいゲームを見せてもらいたい。