とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

なでしこ大苦戦の末、北朝鮮とドロー 五輪進出を決める

 平均年齢20歳余と若くて怖いもの知らずの北朝鮮に対して、主力級が3連戦で疲れ気味の日本。勝てば五輪出場決定と言うが、そんなにうまいこと行かないだろうと思っていた。それでもこれだけ攻められても得点を許さず、一時はリードしてのドローは称賛に値する。その後の中国対オーストラリア戦、中国の敗戦で日本の五輪出場が決まった。次の中国戦は若手主体で経験を積む場にしてほしい。お疲れさま、そしておめでとう。
 北朝鮮戦、序盤は日本がパスをつないで攻め込んでいく。5分、鮫島のクロスを永里が落とし、川澄から大野が永里とのワンツーで抜け出してシュート。しかし北朝鮮のプレスも早く、次第に北朝鮮ペースに変わっていく。
 14分、FWチェ・ミギョンが落とし、ラ・ウンシムがシュート。北朝鮮はサイドから放り込むボールがトップに収まる。23分にはFWラ・ウンシムのパスをゴール正面で受けたチョ・ユンミがDFを背負って反転からシュート。GK海堀がセーブするが、素早くうまい。25分にはラ・ウンシムのキープから左SHリ・エギョンがミドルシュート
 北朝鮮は運動量多くプレスをかけて、奪えば素早くパスをつないで前線まで運んでいく。日本はなかなかパスがつながらず、途中でカットされ、FW永里がボールを触る場面がほとんどない。中盤でのプレスに苦しみ、前につなげない。それでも30分過ぎから一時日本が盛り返したが、終盤はまた北朝鮮ペース。ロスタイムにはパスをつないで、次から次へと選手が湧き上がり日本をゴール前に釘付け。ロスタイム1分、左SBユン・ソンミのクロスに37分途中交代のキム・チョランが飛び込む。GK海堀が競ってかろうじてはね返す。
 それにしても北朝鮮の選手たちは疲れ知らず。ポジションを積極的に崩しては攻撃を仕掛けていく。まるでトータルフットボール。ハーフタイム、日本には疲労感が強い。
 後半に入っても北朝鮮ペース。今度は長いボールを後方から放り込むことが増える。4分、右SHキム・ミョングムのクロス。8分、CBパク・ソルヒのフィードに右SHキム・ミョングムが飛び込む。GK海堀がかろうじてクリア。しかしこのゲーム、海堀の判断も悪く、中途半端なプレーでピンチを招く場面も多かった。
 7分、日本は大野に代えて安藤を投入。17分、その安藤が中盤でボールを奪い、永里から澤、川澄とつないで左に開き、宮間のクロスに永里が飛び込む。バックヘッドは惜しくもバーの上。北朝鮮も20分、右SBキム・ナムヒのクロスにボランチのチョ・ユンミが飛び込む。近賀がかろうじてクリア。クリアボールがことごとく北朝鮮に拾われ、日本はなかなか攻めることができない。出足が違う。
 それでも32分、スローインを安藤が受けて近賀に戻し、宮間のスルーパスに安藤が走り込むが、GKチョ・ユンミがセーブ。するとようやく日本に攻めの形が出始める。北朝鮮が疲れてプレスが甘くなってきた。そして38分、岩清水から放り込んだフィードに永里が抜け出してシュート。これをGKが弾くと、追い付いたDFの身体に当たりゴールへ。オウンゴールながら、ようやく日本が先制した。
 その後、川澄のドリブルから安藤が反転シュートを放つなど、カウンターを仕掛けつつ、コーナー付近で時間も上手に使うが、北朝鮮の反撃も落ちない。43分のFKにはGA内に5人もの選手がなだれ込み、同点に追い付こうとする執念を感じさせる。そしてロスタイム2分、中盤からリ・エギョンが放り込んだボールに近賀のクリアがミスキックで北朝鮮にボールが渡り、最後はキム・チョランのコースを狙ったシュートで同点に追い付かれた。
 あれだけ攻められてのドローなら上出来。そして同日夜のゲームで中国が敗れ、日本がロンドン五輪出場を決めた。よかった。おめでとう。次の中国戦はベテランを温存し、若手主体で中国にチャレンジしてほしい。そして勝利してその経験をロンドン五輪、さらには次のリオデジャネイロ五輪につなげてほしい。やはり層の薄さがなでしこの最大の弱点だと痛感した。世代交代をうまく成し遂げることが佐々木監督の次の使命だ。