セリエAインテル開幕戦。相手はアウェイでパレルモ。難しい相手だが、ガスペリーニ新監督は開幕戦から3-4-3で乗り込んだ。だがこれが全く機能しない。特に3バックが崩壊。多分このフォーメーションを続けるのだろうが、必ずしもメンバーがこのシステムに合っているとは言えない。インテルは厳しいシーズンを迎えた。
エトーが移籍したもののフォルランを迎えて、ミリートに右サラテ、左フォルランの3トップで来たインテル。両SHは長友とジョナタン。カンビアッソ、スタンコビッチのダブルボランチはいいとして、ルシオ、サムエル、サネッティの3バックが機能しない。
開始早々の5分、サラテからボールを奪ったミッコリのクロスからエルナンデスがヘディングシュート。パレルモがホームの声援をバックに積極的に攻めていく。ミッコリが左サイドに流れて攻め込むので、序盤、長友がボールを触る場面はほとんど見られない。
それでも攻撃の場面ではフォルランといい連携を見せていた。23分には長友がミドルシュート。これがインテル今シーズン、リーグで初めてのシュート。27分には長友からフォルランがミドルシュート。しかしインテルの攻撃はこれ位。ほとんど攻め手なし。
だが33分、押され続けたインテルがCKから先制する。DFのクリアをスタンコビッチがシュート。ゴールを逸れた先にミリートがしっかり合わせてシュート。先制ゴール。さすがミリート。ここでインテルは早くもサラテに代えてスナイデルを投入。フォルランが右WGに移り、スナイデルが左に入って長友と組む。
パレルモも42分、左SH(SB?)バルザレッティのクロスにミッコリがシュート。45分には長友のプレスからカンビアッソがつなぎ、スナイデルのスルーパスに長友がサイドを駆け上がり、クロスにフォルランがシュート。いい形を作るが追加点はならず。
ところが後半は一転、点の取り合いになる。3分、パレルモのボランチ、バレートのスルーパスにミッコリが抜け出しシュート。あっさりと同点に追い付く。ルシオに集中力なし。
直後の5分、スナイデルのスルーパスにフォルランが走り込み、戻しのパスをミリートがシュート。DFの手に当たったが、ファールは取らず。しかしここからのCKでDFのファールを取ってPKの判定。ミリートがど真ん中に蹴り込んで、インテルが勝ち越す。
と喜ぶのもつかの間、9分、イリチッチがエルナンデスとのワンツーで上がって右のミッコリへ。クロスにエルナンデスがシュート。またもパレルモが追い付く。3人のCBが引き出され、かわされて、最後にエルナンデスに詰めたのは両SHの長友とジョナタン。パレルモの攻撃がきれいだったとは言え、インテル中央の守備崩壊。
その後パレルモの運動量が落ちて、スナイデル、フォルランとミドルシュートが飛ぶ。パレルモはミッコリのFKが2発。21分にはカウンターからエルナンデスが上がり、最後はイリチッチがシュート。ここは危なかった。
長友は後半17分にオビと交代。オビの方が攻撃的な選手に見える。34分、オビがドリブルでひらりひらりとDFをかわし、最後はCK。37分にはオビからミリートにスルーパス。その代わりスナイデルとの連携は長友ほどではなく、守備や全体を見る目は長友がはるかに上。長友先発、攻撃的に行きたい場面でオビが途中交代というシーンが増えるかもしれない。
このまま行くかと思い始めた41分。CBシルベストレのドリブル前進をサネッティがファールで止める。ミッコリが蹴ったFKは3度目の正直、壁をうまくまいてゴール左下に落ちていく。ついにパレルモが勝越し。さらに直後の43分、エルナンデスに代わって途中交代のピニージャが意表を突くミドルシュート。これが決まって2点差と突き放す。ルシオ、サムエルの両CBがノープレス。無気力に見送ってゴールに吸い込まれていった。
この後ロスタイムに、スナイデルのスルーパスにフォルランが抜け出して1点を返すが、反撃もここまで。インテルの開幕戦はアウェイで敗戦のスタートになった。
ゲームの結果よりもシステムの方が大問題。ゲーム前はスナイデルをどこで使うかと思っていたけれど、交代出場してみれば左サイドでしっかりボールキープしてゲームを作っている。最大の深刻はルシオ。再三サイドに引き出される。3バックがワイドに引き出され、カンビアッソ、スタンコビッチが中にいるとは言うもののどうしても中央の守備が手薄くなる。長友、ジョナタンの両SHもワイドにいて、中をカバーするのがスナイデルとフォルランというのはあまりにきつい。
後半カンビアッソをアルバレスに代えて少しは落ち着いた感じもするが、その後で2失点しているので何とも言えない。スナイデルを入れないと攻撃にならない。だが中央の守備をどうするか。しばらく試行錯誤が続きそうだ。