とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

チェルシーでも止められないマンUの強さは神懸かり

 4連勝でプレミアリーグを独走するマンUと、ビアスボラス監督の下3勝1分とじわじわと強さを見せてきたチェルシーとの対戦。マンUホームのオールドトラフォードにも関わらず、序盤からチェルシーが積極的に攻めていく。
 3分、ランパードからA.コールのクロスにラミレスが右サイドを上がりシュート。しかしGKデヘアが足を伸ばしてクリア。ナイスセーブ。するとそれまでほとんどいいところのなかったマンUが、A.ヤングのFKに右SBスモーリングがヘディングで合わせてゴールを上げる。だが、ビデオで見直すと明らかにオフサイドマンUの好調さの秘密はこんなところにもある。
 12分にはアンデルソンパスミスをF.トーレスが引っ掛け、DFをかわしてシュート。しかしゴールに入らない。ポストプレーをうまく収められなかったり、ボールを奪われたりと、トーレスに不安定なプレーが散見され、一人チームの勢いに乗り切れない。
 だがこのゲームのチェルシーは、トーレスを除いては非常によく回っていた。リバプールから移籍したばかりのメイレレスがアンカーに入り、その前にランパードとラミレスが積極的に攻撃に絡む。左SHのマタが攻撃をリードし、右SHに入ったストゥーリッジも身体が切れている。
 14分、マタのCKにイバノビッチがヘディングシュート。GK正面。22分にはストゥーリッジからメイレレスのスルーパスランパードが抜け出しシュート。さらに26分、マタのスルーパスにトーレスが抜け出し、クロスをラミレスがシュート。またもGKデヘアが好セーブ。32分にはA.コールのクロスをトーレスがヘッドでつなぎ、ストゥーリッジがシュート。GKデヘアが抑える。
 チェルシーは集中力もあり、攻守の転換も早く、マンUに対して押し込んでいく。だが次のゴールは圧されていたはずのマンUに訪れる。37分、ナニが右サイドからドリブルし、マタをかわして、ルーニーをマークしていたメイレレスが詰める間もなくブレ球ミドルシュート。これが見事にネットを揺らし、マンUが点差を2点に広げた。
 これで終わるかと思った前半終了間際の45分、中盤からドリブルで前進したジョーンズがPA内に侵入。最後はテリーがクリアするが、そのボールがナニに当たり、こぼれ球がルーニーの前に。難なくゴール。何と前半だけでマンUが3点のリードを奪う。1点目といい、3点目といい、神懸かり。これにはチェルシーもお手上げ。
 それでも後半早々の1分。ハーフタイムから交代出場したアネルカの長いスルーパスにトーレスが走り込み、GKをかわすループシュート。ようやくチェルシーが1点を返す。
 その後もチェルシー・ペース。5分、メイレレスのスルーパスはわずかにマタに届かず。9分、ストゥーリッジのドリブルからマタがミドルシュート。しかしGKデヘアがナイスセーブ。そして10分、ナニがドリブルからミドルシュートを放つと、DFに当たりバーにはね返される。これに詰めたナニとボシングワが交錯し、PKの判定。ところがこれをルーニーが外してしまう。
 27分、メイレレス、マタとつなぎ、トーレスがドリブルでDF二人をかわしシュート。GKが弾いたこぼれ球をさらにボレーシュート。しかし浮かしてしまう。マンUも32分、フレッチャーからエブラが上がり、クロスをルーニーが丁寧にシュート。ところがポストに当たり、はね返りにエルナンデスが詰めてシュートを放つがサイドネット。後半からはマンUも神に見放されたか、ゴールに嫌われる。
 だがもっと嫌われているのはF.トーレス。38分、ラミレスのスルーパスにトーレスが見事に抜け出し、GKもかわしてあとは無人のゴールにボールを流し込むだけ。ところがこれを外してしまう。なんであの難しいゴールが決まり、このイージーゴールを外すのか。トーレスはまだ本調子にほど遠い。
 その後34分、マンUベルバトフを投入。絶妙なパス回しでボールをキープし、カウンターでゴールを脅かす。うまく時間を使って、5分と長いロスタイムもピンチを招くことなくしっかりと勝利を手繰り寄せた。
 結果を見ればマンU圧勝。しかし点差ほどの差はない、とは試合後のビアスボラス監督の言葉。かつ、ファーガソンビアスボラスとも「奇妙な試合」という言葉を使っていたのが面白い。二人はハーフタイムの入場も一緒に話しながら入ってきたし、齢は倍以上も違うが、いい意味での師弟コンビという印象。いずれにせよまだ序盤。互角以上に戦っての敗戦にチェルシーも自信を深めたはず。次の対戦が巡ってくる頃、両チームはどんな状態でいるのか。その時がまた楽しみだ。