インテルのガスペリーニ監督がとうとう解任された。3-4-3に固執するもここまで敗戦が続けばしょうがない。選手たちも四苦八苦していたが、最後までどうプレーしていいかわからなかった。選手たちの特性に合わないシステムは結局どんなに理論的に素晴らしくてもダメということ。だがそんなことは最初からわかっていたことでは? これはある意味フロントのミスとも言えるのではないか。
解任を決めたゲームということもあったが、長友と森友のマッチアップという点でも興味があった。特に森本。3点とも森本がよく役割を果たしていたし、気持ち良さそうにプレーしていた。長友はがんばっていたけど、システムが混乱していてはどうしようもなかった。
第1節がストで延期となったため、3戦目にして初めてのホーム。55年振りの1部リーグ、ホーム初戦。ホームの熱狂的な応援をバックにノバーラが序盤からボールをよく追いかけ、前からプレスをかける。1分、森本のプレスにGKジュリオ・セザールのパスは準備のできていないキブへ。ミスパスを拾ってメッジョリーニがシュート。ここはGKが抑える。3分、マッツァラーニのCKはGKが弾いてDFがクリア。危ない。
インテルも何とか反撃を試みる。9分、右FWカスタイニョスからCFミリートのポストにスナイデルがミドルシュート。このゲーム、スナイデルがボランチ。センターでプレーさせたいという意図だろうが、FWとの距離が遠く、チャンスがなかなか作れない。13分、ミリートのポストからフォルランがミドルシュート。シュートはことごとく遠い位置から。
逆にノバーラの方が気持ちよく攻める。14分、左SHリゴーニからメッジョリーニがボレーシュート。15分、ボランチのラドバノビッチの縦パスにトップ下マッツァラーニが飛び出す。GKジュリオ・セザールが抑えるが、インテルのDFラインがバラバラ。22分にも後ろからのフィードを森本がヘッドで前に送り、FWメッジョリーニが抜け出す。
ノバーラは高い集中力でしっかりと守り、前への意識も高い。インテル相手に互角以上の戦い。35分、キブに競り勝った森本からの縦パスにマッツァラーニが抜け出し、メッジョリーニへ。そして38分、左サイドをマッツァラーニが上がると、森本が右に開き、キブを引き付ける。空いたスペースにメッジョリーニが走り込みシュート。ゴール。ノバーラが先制した。本来スペースを埋めるべきルシオは中盤に上がり、必死に戻っている途中。3バックが機能していない。
前半を1点ビハインドで終えたインテルは後半最初からフォルラン、カスタイニョスに代えてパッツィーニとオビを投入。スナイデルをトップ下に据えてパッツィーニとミリートの2トップ。オビを左SHに入れて、長友が右SHに回る。ボランチはカンビアッソとサネッティ。
3分、森本が右サイドからミドルシュート。わずかに外れる。6分には森本がミドルシュート。こちらはGK正面。8分、ラドバノビッチのヘディング・フィードを森本がポストに入って前にパス、マッツァラーニが抜け出しシュート。13分にはCKからのクリアボールをポルカーリがシュート。スナイデルがトップ下に入って攻撃は多少は落ち着いたが、パッツィーニとミリートの連携が取れているようには思えない。
ノバーラは17分メッジョリーニに代えてジョルジ。19分ラドバノビッチに代えてマリアリーニ。さらに23分マッツァラーニに代えてジェダを投入。逆にインテルは22分、スナイデルを下げてサラテを投入。25分、ルシオからのパスにパッツィーニがシュート。それもいいが、攻撃の連携が取れていない。
27分、マリアリーニの縦パスを森本がポストプレー、ワンタッチでヒールで流し、ジョルジが上がってシュート。31分、長友が右サイドで引き付けて、中のカンビアッソにパス。パッツィーニがシュート。40分、CBパーチのフィードに森本が抜け出し、CBラノッキアと競り合う。激しい競り合いの末、森本が倒されPKをゲット。シュートはリゴーニが決めてノバーラがインテルを突き放す。
インテルも44分、長友のクロスをDFがクリアしたボールがパッツィーニにわたり、カンビアッソがシュート。1点を返すが、ロスタイム、インテルの左サイド隅に森本が持ち込み、オビがマークに付く中、粘る。時間稼ぎと思ったらするっと抜け出し、中にパス。ジョルジのシュートをGKが弾いたところをリゴーニが詰めてノバーラが決定的な3点目。ついにインテルにガスペリーニ監督に引導を渡した。
ゲームを見る前はインテルの崩壊と思っていたが、ノバーラもよくがんばった。森本がよく役割を果たしての快勝。これは今シーズン、森本の活躍からも目が離せない。インテルは監督が替わってどう変わるか。長友はいいプレーを見せているだけに、早く立ち直ってほしいものだ。