とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

雨中の混戦 闘魂注入でグランパス準決勝進出

 Jリーグ前節、エスパルスに完敗し3位に後退したグランパスナビスコ杯はエスパルスに勝利して勝ち上がってきたアルビレックスが相手。エスパルス戦でシュート数が圧倒的に少なかった消極性を反省してか、序盤から積極的にシュートを放っていく。
 7分、ブルゾのパスを受けて小川がミドルシュート。CB千葉に当たり、あわやゴールへ。8分、小川のCKがDFに当たったこぼれを金崎がシュート。DFがブロック。10分にも阿部がミドルシュートを放っていく。
 ケネディ、藤本が五輪予選で欠場。玉田、ダニルソンもケガだが、闘莉王が復帰した。ボランチは吉村と中村。小川、ブルゾのOMに永井、金崎の2トップ。そして15分、金崎が中盤に下がって中村にパスをすると、ドリブルで上がってクロスをブルゾが落とし、そこに金崎が駆け上がる。シュート。グランパスが先制点を挙げた。17分にも小川がミドルシュート。積極的な姿勢が功を奏する。
 その後、TV放送は編集で15分カット。再開された38分以降は膠着した展開で終える。後半も10分過ぎから放送再開。だが、後半のグランパスはモタモタした展開。1点リードで安心したわけでもあるまいが、後半から出場のアルビレックス菊地が効いていたかも。
 それでもアルビレックスも攻め手がないと観ていた17分。右サイド深く本間のクロスを田中隼磨PA内で胸トラップすると、腿に当たったボールが手に触る。ハンドでPKの判定。これをブルーノ・ロペスが決めて、同点に追いつかれてしまう。
 21分にはB.ロペスが左からドリブルで切れ込みミドルシュート。30分には右サイドから田中亜土夢が切れ込みミドルシュート。さらに39分、チョヨンチョルも中央からミドルシュート。41分にはB.ロペスがドリブルからミドルシュートアルビレックスは守備を固め、ショートカウンターで遠目からでも積極的にシュートを放つ。
 グランパスも43分、阿部のクロスに永井がGKと競るが、後半は単調な攻めに終始する。ストイコビッチ監督が判定に執拗に抗議して檄を入れる。退場処分にならないか心配。45分、吉村が右に流し、田中がクロスを入れるが永井のところでボールを奪われる。最近の永井はしっかりマークされ、得意のスピードを生かせる場面をなかなか見せることができない。
 とロスタイムに入って1分、阿部のクロスに永井がヘディングシュート。ようやくグランパスが突き放す。ロスタイム2分には田中のクロスを中村が左に回して永井がヘディングシュート。このチャンスを逃すと、グランパスは吉村に代えて磯村を入れる。時間稼ぎとともに守備を強化。ところがこれが粘れない。終了間近ロスタイム3分、左SB酒井からの大きなサイドチェンジを上がっていたCB鈴木が落とし、途中交代の川又がシュート。勝利がロスタイムに逃げていった。
 延長前半1分、金崎がミドルシュート。だが疲れが目立つ。3分、磯村のところで本間に奪われ、川又のポストからロペスがDFに囲まれる中シュート。磯村がゲームに乗りきれない。延長6分、金崎に代えて橋本を投入。しかしストイコビッチの積極的な交代は得てして効果を生むことが少ない。8分、川又が中盤で粘って掻き出したボールを菊地が受けてドリブル。いったんB.ロペスに流し、帰ってきたボールをシュート。ついにアルビレックスにリードを許してしまう。
 だが、まだ勝負を諦めない。13分、中村がミドルシュートを放つと、17分、闘莉王が上がって粘ってファールを得る。小川のFKをGK武田がクリアしようとするが、競り合った永井に当たってこぼれたところを永井が押し込む。またもロスタイム、永井が同点ゴール。
 延長後半、ブルゾに代えて増川を入れて闘莉王を前線へ。すると9分、増川のフィードを中村が落とし、小川が左に流して永井のクロスに橋本が走り込む。シュート。グランパスが再びリード。15分には後ろからのフィードを永井がPA内に持ち込むと、酒井が競り合って倒してしまう。PKを闘莉王が決めてダメ押し。スコアは5-3。激戦の末、グランパスが準決勝に勝ち上がった。
 すっきりした勝利ではなかった。だが、勝利への思いは感じられた。ストイコビッチ闘莉王が闘魂を注入した。この気持ちをリーグ戦残り6試合に見せてほしい。最後は気持ちが勝利を呼び寄せることを学んだはずだ。