とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

楽しさ満開 湯郷Belle対INAC神戸

 澤、川澄、大野ら代表選手が多く名前を連ねるINAC神戸対、宮間が率いる湯郷Belle。宮間一人ではさすがに厳しい面もあったが、ホームの大声援の中、積極的なプレーを展開し、0-1で負けたとはいえ、楽しいゲームを見せてくれた。
 とは言ってもゲームはINAC神戸ペース。序盤からINAC神戸が押し込んでいく。4分、チ・ソヨンのドリブルから米津にパス。ここはDFがクリア。7分、川澄がドリブルからシュート。12分、近賀が米津とのワンツーで駆け上がり、クロスのクリアを川澄がシュート。13分、南山から近賀のクロスに大野が飛び込む。
 湯郷Belleは宮間の正確なパスが圧巻。だがINAC神戸の早いプレスにその後が続かない。INAC神戸は川澄のスピード、近賀の積極的な上がりが攻撃をリードする。もちろん大野の献身的でスピードに乗った動きも効果的。19分、川澄のドリブルからスルーパスに大野が反応してシュート。ここは代表GK福元がナイスセーブ。
 だが湯郷Belleの抵抗もここまで。前半25分、中盤で南山が落としたボールを、ここまで守備的にプレーしていた澤が上がってきてスルーパス。大野がDFを引きつけてフリーの川澄に回しシュート。きれいに湯郷DFを崩してINAC神戸が先制点を挙げた。
 湯郷Belleも26分、ボランチ柳井のスルーパスにFW松岡が抜け出す。GK海堀が飛び出すが松岡がシュート。だが惜しくも枠を外した。29分、南山の縦パスを大野が落とし米津がシュート。その後はINAC神戸が波状攻撃。40分、チ・ソヨンのCKに飛びだしたGK福元の先で田中明日菜が落とし澤がボレーシュート
 湯郷Belleも42分、宮間のフィードからFW有町、左SH中野、FW松岡とつないで最後は右SH中川が駆け上がりクロス。しかしGK海堀がキャッチ。湯郷Belleの攻撃は宮間のパス1本でスイッチが入る。がINAC神戸の守備も早い。何とかかわそうとしてパスを回すが、次から次へとDFが現れ自由に攻撃をさせない。
 後半に入り、澤が積極的に押し上げてくる。3分、その澤から米津が抜け出しクロス。DFのクリアを再度米津がシュート。GK福元がクリア。その後波状攻撃が続くが、何とか必死に足を伸ばし湯郷Belleが守る。
 湯郷Belleは13分、CB秋葉のフィードを左SB加戸が落とし、中野のクロスに松岡が飛び込みヘディングシュート。ポストを叩く。残念。17分、INAC神戸ボランチ那須を入れて、チ・ソヨンをFWに、澤を攻撃的に。湯郷Belleも21分、柳井に代えてFWに中川理恵を入れ、中野をボランチに下げて攻撃にかかる。
 23分、中盤の混戦から大野が右に流し、近賀が上がってクロスに米津がシュート。ポストに当たりクリア。再度大野のクロスに近賀がシュートを打つが枠を外す。その後も両チーム攻撃的に攻め合い、観て面白いゲームが展開される。ロスタイムには宮間のフィードをFW中川理恵が落としたところを後ろからチャージを受けファール。宮間のFKに松岡が飛び込むがヘディングシュートは枠の外。結局ここでタイムアップ。地力に勝るINAC神戸が1-0と順当に守り切った。
 だが観ていて楽しいゲームだった。ゲーム後、宮間が悔しそうに厳しい表情といつものそっけないコメントでインタビューに答えていたが、他の選手たちにはやりきった感が漂っていた。もちろん勝ったINAC神戸の選手たちも生き生きとプレー。男子ほど激しくなく、ファールをしても相手に対する気遣いもあって見てきて楽しい。何より選手たちが楽しんでいることが伝わってきてこちらもうれしくなった。このあたりがなでしこリーグの魅力だなと思った。