とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

INAC神戸対日テレベレーザ 首位決戦にふさわしい好印象のゲーム

 やはり女子サッカーはいい。けれんみのない一生懸命さ、やさしくつながるパスサッカー、思いやりのある厳しさ。見ていて微笑ましくなる。特にベレーザは岩渕や木龍など、若くてきれいな選手が多く、思わずうっとり。岩渕の真剣な表情もいいが、岩清水のほっとする笑みも最高。ベレーザのファンになってしまいそう。
 だが、実力はややINACが勝る。序盤はベレーザが押し込んだが、しばらくするとINACペースになっている。8分、大野のポストプレーから川澄のクロスに米津がヘディングシュート。ベレーザボランチの伊藤と原のコンビが効いている。伊藤がゲームを作り、原が守る。9分、伊藤のスルーパスに岩渕がドリブルで駆け上がる。
 だが10分、INACがあっさりと先制する。大野のスルーパスに米津が右サイドを駆け上がり、ゴール前にグラウンダーのクロスを流し込むと、岩清水とのダッシュ競争に勝って川澄が抜け出しシュート。さすがに速さでは川澄の右に出る選手はいない。
 ベレーザもさっそく反撃する。13分、伊藤のスルーパスに岩渕がシュート。14分には永里が反転からミドルシュート。木龍も速い。が、前3人の連携が取れているとは言い難い。INACも近賀の上がり、米津の抜け出し、川澄のスピード、そして大野のポストプレーで攻め込む。チ・ソヨンもからんでのコンビプレーではINACが勝る。パスもよくつながる。23分には川澄のクロスに大野がシュート。その後は互角の戦いで前半を終わる。
 後半に入り、大野をボランチに下げて川澄のワントップ、南山を左WGに張り出し、INACが守備を固める。9分、伊藤のドリブルから永里がはたき、岩渕がDFを引き連れてドリブル前進。最後は木龍がミドルシュートINACは14分、チ・ソヨンのスルーパスに川澄がシュート。GK松林がナイスセーブ。
 19分、中盤右の深い位置から伊藤のFK。ヘディングで競って惜しい場面を作るがラインを割る。するとゴールキックからつないだボールが澤に入ったところで永里と原が挟み込みボールを奪うと、原のパスを岩渕がドリブルで持ち込みシュート。ベレーザが同点に追い付く。
 直後の21分、キックオフからのフィードを川澄がヘディングでつなぎ、大野のクロスにチ・ソヨンがシュート。バーを叩く。23分にもFK、チ・ソヨンが中に流し、大野がミドルシュート。24分には南山に代えて中島を投入。26分、大野のドリブルから近賀の縦パスに川澄が高速ドリブル。DF何とかクリア。27分、川澄のシュート。
 同点に追い付いてからの15分間が最高に面白かった。このゲームを勝利して優勝を決めたいINAC。絶対に目前での優勝を阻止したいベレーザ。両チームの攻撃力が高まり、高いレベルのパスサッカーが展開される。28分、岩渕が力強いドリブルを見せると、29分には木龍がミドルシュート。32分、伊藤のFK。
 38分、INACが高瀬を投入すると、直後の39分、スローインから高瀬がうまく反転しGKの上を抜くシュート。だがDF須藤がライン上ではね返す。最後までギリギリの攻防を見せてくれたが、結局このままドロー。INACの今節の優勝は阻止された。
 それにしても、ハーフタイムの笑顔、ファールをした後の思いやり、つながるパスサッカー、けれんみのない一生懸命さ。あと2節で今シーズンが終わってしまうのは惜しい。来シーズンは第1節から中継をしてもらえるとうれしい。