とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

INAC神戸 なでしこリーグ優勝

 前節、日テレベレーザ戦は引分けで優勝を持ち越したINAC神戸。今節の相手は8位と下位に沈むASエルファン狭山。実際4-0と大差で勝利したわけだが、点差の割にはけっこう楽しめたゲームだった。
 特に前半序盤はAS狭山が積極的に前からプレスをかけて、INACを自由にさせない。それでも技量の差は如何ともしがたい。7分、川澄のパスを受けた大野がトラップでボールを浮かしループシュート
 AS狭山も9分、CB田中明日菜からボールを奪った薊がミドルシュート。だが10分には大野が切り返しからミドルシュートを放つ。バーにはね返されると、今度はチ・ソヨンミドルシュート。15分にはチ・ソヨンのスルーパスに川澄が駆け上がりクロス。AS狭山はCB山本がよく守る。攻撃は薊が中心。だが中盤でゲームメーカーがいない。パスをつないだ攻撃はほとんど見られず、ドリブルで前に向かってはINACの守備陣に絡め取られるシーンが繰り返される。
 そして25分、澤が中盤右サイドから大きなサイドチェンジ。左SB高良がヘディングで折り返すと、DFに当たって逆サイドに。近賀が走り込みシュート。両SBの攻撃参加でINACが先制した。
 その後しばらくはINACが押し込む展開が続くが、AS狭山も山本を中心に踏ん張る。だが39分、チ・ソヨンショートコーナーに南山が飛び込みヘディングシュート。INACが追加点を入れる。
 INACは後半から米津に代えて高瀬を投入。得点ランキングで並ぶ大野と川澄を2トップに並べ、得点王争いを二人に競わせる。9分、近賀のクロスを川澄がスルー。しかしDFのクリアが戻ってきて川澄がミドルシュートAS狭山のチャンスは少ない。10分、高良からボールを奪った斉藤がミドルシュート。だがGK海堀がナイスセーブ。ほとんど唯一の活躍。
 14分、CB田中が押し上げて左サイド、高良のクロスに高瀬がGKと競り合う。23分には高瀬のクロスにチ・ソヨンがヘディングシュート。そして直後の24分、左サイド中盤から送った川澄のグラウンダーのクロスに大野が走り込むと、CB山本とGKが交錯。3人の間を抜けてゴールに転がり込む。INAC3点目。川澄得点王1歩リード。
 AS狭山は15分、ボランチに田子を入れて守備を強化。しかし攻撃は薊任せとなって、INACが波状攻撃。26分、チ・ソヨンの縦パスを受けた大野が反転してシュート。27分、チ・ソヨンミドルシュート。28分、山本から大野がボールを奪いドリブル。
 28分には南山とチ・ソヨンに代えて那須と中島。すると中島の出来がいい。37分、田中から中島のスルーパスに大野が走り込み、クロス。そして43分、高瀬がボールを奪ってドリブル。クロスに中島がシュート。一旦はGK有馬がブロックするが、もう一度シュートを打とうとしたところに山本がスライディング。中島の足をさらってPKを献上。これを大野が落ち着いて決めてゴール。4点目のゴールは川澄に追い付く今シーズン11点目。
 結局、予定どおりの勝利でINACが1ゲームを残して初優勝を決めた。AS狭山のがんばりも清々しかったが、やはりINACは強かった。そして次はアーセナル女子にも勝つよ、と。W杯優勝で始まったなでしこブームだが、リーグ戦も面白い。他チームにも才能が多く埋もれている。彼女らが輝く時がまた楽しみだ。