とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

UFWCチャンピオンの座を北朝鮮に明け渡す

 白いスーツのリーダーの指揮の下、一糸乱れぬ応援を繰り広げる応援団。意外にカラフルで裕福な服装をした観客。異様なまでの熱狂の中で行われたUFWCチャンピオン戦は、昨年10月の王座奪取から11戦、1年以上に亘り防衛を重ねてきた日本がついにチャンピオンの座を明け渡す時が来た。相手は北朝鮮
 挑戦者はホームの熱狂的な応援を背に、前から必死にボールを奪いに来た。まず開始9秒、チョン・イルグァンがシュートを放つ。6分にはチョン・テセミドルシュート。その後も北朝鮮が押しに押し、日本は受け身に回る。日本がようやくシュートを放ったのは18分。中村憲剛ミドルシュート。その後も前線のパク・クァンリョンの高さと強さにCB栗原が振り回され、日本はいい形でボールを持つことができない。
 日本はこのゲーム、CB吉田に代えて栗原、右SBは駒野で、左SBに伊野波を起用。ボランチは遠藤ではなく細貝。そして左SHに岡崎が入り、右SHに清武が先発。ところが清武がボールを触る場面はほとんど訪れない。下がって受けても強いプレスに結局下げざるを得ない。
 26分にはパク・ソンチョルのFKが襲う。GK西川が好セーブ。その後しばらく日本が盛り返すかと思われたが、終盤ふたたび北朝鮮が押し込んでくる。41分、パク・ナムチョル(4)のクロスにパク・ソンチョル(7)がダイビングヘッド。34分、動きがさして悪いとも思えなかったチョン・テセをパク・ソンチョルに交代。小柄だがよく動く。ちなみに22番の選手もパク・ソンチョル。紛らわしい。4番と14番もパク・ナムチョルと同姓同名。
 41分、細貝からボールを奪ったチョン・イングァンのクロスにパク・ソンチョル(7)がシュート。45分、リ・グァンヒョクのアーリークロスにパク・ナムチョル(4)がヘディングシュート。ようやくロスタイムに長谷部がミドルシュートを放つが、これが日本2本目のシュート。挑戦者が圧倒したまま前半を終えた。
 後半2分、中村のCKを前田がヘディングシュート。逆に5分、中盤深い位置からリ・グァンチョンのFK。栗原がパク・グァンリョンに競り負けて、ヘッドで戻したところにパク・ナムチョルが飛び込む。西川の指の先をかすめるゴール。北朝鮮が先制点を挙げた。
 7分にもパク・グァンリョンのミドルシュート。GK西川ナイスセーブ。ようやく16分、日本も清武のFKから岡崎がシュート。だが、北朝鮮のGKリ・ミョングクは反応がいい。
 17分、中村に代えて内田を入れると、フォーメーションを3-4-3に変える。だが、しばらくは内田も人工芝に慣れないか、ミスが続く。逆に北朝鮮は遠目からクロスを放り込み、高さ勝負。なかなか日本ペースに持ち込めない。31分には前田に代えてハーフナー・マイク。日本も高さ勝負を仕掛ける。
 32分、内田に対してチョン・イルグァンが足裏を見せた危険なタックルを仕掛け、2枚目のイエローカードで退場。これでようやく日本が優勢になってくる。34分、内田のミドルシュート。GKリ・ミョングク、ナイスセーブ。43分、内田のクロスにハーフナーのヘディングシュート。さらに長谷部のスルーパスにハーフナーが抜け出し、40分交代出場の李がシュート。ネットを揺するが、ハーフナーがオフサイド
 結局その後は挑戦者の老獪なクリンチ、じゃなくて時間稼ぎもあってタイムアップ。0-1で敗戦。ザッケローニ体制になって初の敗戦。UFWCチャンピオンのタイトルは挑戦者、北朝鮮に渡ることになった。
 しかし最終予選進出決定していた余裕から、大してショックはない。既に予選敗退していることも知らされず応援し、大喜びの観客にプレゼントした気持ち。喜んでもらえてよかった。でも次のウズベキスタン戦では絶対勝利を期待したい。
 北朝鮮タジキスタンにはよもや負けることはないだろうし、その後国際試合が多く組まれるとも思えないから、UFWCチャンピオンの称号は当分の間、北朝鮮が保有し続けるのだろうな。それでいいのか。それもまたサッカーらしくて面白い。どうせUFWC自体がお遊びだし。