とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

ファンペルシーは一瞬の風のよう アーセナルを勝利に導く

 得点王争いを独走するファンペルシーに引っ張られて7戦負けなしと、もうすっかりリーグ序盤の不調を脱した感のあるアーセナル。10位エバートン戦も、ゲーム中ほとんど沈黙していたファンペルシーの一瞬の輝きで得点を得て、1-0で勝利した。
 とは言っても苦戦をしていたわけではない。ジェルビーニョウォルコットの両SHも絶好調で、トップ下に入ったラムジーもよく前に出てチャンスを作る。15分にはアルテタのスルーパスからウォルコットの飛び出し、クロスにジェルビーニョがシュート。20分、ラムジーのスルーパスジェルビーニョが抜け出し、クロスにファンペルシー。だがオフサイド。29分、ソングの縦パスをラムジーが受けて、反転してループ気味のシュート。だがわずかにバーの上。さらに30分にはゴールキックからヘッドの競り合いでこぼれたボールをジェルビーニョが拾ってドリブル。シュートを放つが、エバートンのGKハワードがナイスセーブ。
 エバートンフェライニ、ネビルで中盤の中央を固め、ハイティンガジャギエルカのCBも固い。機を見てCMコールマンや左SBベインズらが上がり攻めるが、FWのケーヒルやサハに収まることは少ない。けっして引きっ放しというわけではなく、ポゼッション率はアーセナルからそれほど劣るわけではないが、中央の守備は固い。
 逆にアーセナルは、両SBがフェルメーレン、ジュルーと本来CBの選手が務めており、SBの攻撃参加の場面はほとんど見られない。両SHの速い飛び出しとクロスは再三入るが、ファンペルシーが下がってゲーム作りに参加しており、中央で間に合わない。ラムジー、アルテタだけでは攻撃に厚みが出ない。
 36分、ファンペルシーが起点となってウォルコットがクロスを入れるが、DFハイティンガがクリア。41分、アルテタの縦パスからウォルコットファンペルシーとのワンツーで飛び出しシュート。再びハイティンガがブロック。
 後半に入っても同じような展開。両SBが少しは前半よりも上がる場面が見られるが、速さが足りないので脅威にならない。11分、ウォルコットがドリブルで中に切れ込みシュート。12分にもウォルコット。だがGKハワードが好セーブ。
 すると次第にゲームはエバートン・ペースとなってくる。20分にはCMコールマンが落とし、同じくボランチのネビルがミドルシュート。23分にはフェライニミドルシュート
 このままジリ貧か、どうするアーセナルと思った25分、ソングからのクロスにファンペルシーが走り込み、ダイレクト・ボレーでゴールポスト脇に突き刺した。まるで一瞬の風。よくもまああのスピードでソングのクロスにダイレクトで合わせられるものだ。しかもシュートコースが絶妙。後はミケル、ロシツキー、フリンポンと投入し、守備を固める。アーセナルはこの一瞬のファンペルシーのゴールだけで勝ち切った。
 全く今のファンペルシーはスーパー。この好調はいつまで続くのか。これで8戦負けなし。気がつけばついに4位まで上がってきた。彼が好調のうちに両SBを整備して、さらに攻撃のバリエーションを作っておきたい。「いつまでも、続くと思うな、ファンペルシー」というところか。