とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

ある日突然、躁状態がやってきた(その4)

 (その3)の続きです。
 極端な躁状態からの不安定な帰還。どうしてこんなことになってしまったのか。また同じことが起きたらどうしようか。しかし金曜日のうちに局長に話ができて、精神的にはだいぶ落ち着いた。
 週末、予約してあった鍼灸院に行く。水曜日からの出来事を話すと、「上司は大人のアスペルガー症候群ではないか。あきらめて気にするな」と言われた。どうやら、私の前の客が特別養護学校の教師で、アスペルガー症候群の児童の話題から大人のアスペルガー症候群について話をしていたらしい。
 週が明け、月曜日に思い切って職場のメンタルヘルス相談窓口に電話をしてみる。保健師さんがいつでも対応してもらえると言う。今すぐでも。幸い、月曜日の午前中は予定がなかった。さっそく相談室へ向かった。
 局長に手渡したこれまでのH氏との確執の経緯を記したペーパーを元に、これまでの出来事を話していく。うなずきながら、こちらの心に寄り添うようにして聞いてもらえる。精神科医によるメンタルヘルス相談を勧められ、予約した。同時にメンタルクリニックの受診予約も勧められ、さっそく電話をした。年内は新患予約は一杯だというので、1月5日で予約を取った。気持ちがだいぶ楽になった。行ってよかった、と思う。
 この週は金曜日に重要会議。準備は週初めから進めており、前々日には概ね準備が完了していた。ところが前日になって突然、会議に上げる議題を変更すると言う。かなりバタバタと対応して、当日には準備不足を突かれる場面もあったが、何とか無事に切り抜ける。だが、会議終了後、突然の変更はH氏の画策ではないかという疑いが心に去来する。ありそうなことだ。その議題はH氏が若い頃に開始した事業関連のものだった。
 金曜日に予定していた学会の見学会は、代行を頼んだ人たちに支障なく進めてもらった。案内文がよかったと参加者が言っていたという話を聞いて、よかったと思った。だが、土曜日の学会の懇親会は急遽欠席。やはりまだ飲み会の場で偉い先生方に気を使う気になれない。
 日曜日、某所で鍼灸院の先生に偶然出会う。私がベンチに座って本を読んでいたら、「上司はアスペルガーだ。気にするな」と言われる。それもただ声をかけるだけでなく、肩を抱いて大きな声で、何度も・・・。いたたまれなくなりひどく落ち込んだ。妻に訴える。なぐさめてもらうが、しばらく鍼灸院になんか行くもんかと思う。
 月曜日、局長からメール。だが気付かず、夕方に部屋へ伺う。「出向できる可能性があるが、それでもいいか」と言われ、「もちろんけっこうです」と回答。本当に出向できるならうれしい。いや出向先もさまざまな問題を抱えているから大変だが、今のような人間関係からは解放されるはず。まだ可能性の段階だそうだが、可能性があるだけでも希望になる。
 翌週の水曜日、予約しておいた精神科医のメンタルヘルス相談を受ける。事前に保健師さんが概要を話しておいてくれたようだが、もう一度最初から話をする。医師は老齢の男性で、若い女性の保健師とはだいぶ違う。「それは躁状態ではありませんよ。不安からの逃走が顕著に出たということでしょう」と言われる。保健師相談の方が気持ちはなぐさめられた。私の落込み度の違い故か。それともただ聞いてくれただけの方がよかったということか。
 その夜、H氏も同席する飲み会があった。会の趣旨からして欠席できず、嫌々ながら出席する。H氏の周りはいつも空っぽ。私の傍に寄ってくる。勘弁してよと、何とか違う席へ逃れる。金曜日にも学会の忘年会があるが、気を遣わない仲間との飲み会は大丈夫。翌週、火曜日の課長以上の忘年会は欠席。昼夜を問わず、H氏とは極力会わないようにする。向こうも察しているかも。
 翌日、21日(水)の夜は天皇杯3回戦、グランパスレイソル戦。2点差を追い付いての延長戦。10人まで及ぶPK戦の末のグランパス勝利。これで私の運勢も吹っ切れるかと真剣に思う。いや、願う。
 28日、年末最後のあいさつに、「いろいろあった1年だったが、全て忘れて新年には新たな気持ちで臨みたい」と延べた。心底そう思った。
 そして年が明けて5日、予約してあった心療科を受診。先輩は先生が1時間余り話を聞いてくれたと言うが、私の場合は看護師の女性に小1時間余り話を聞いてもらう。先生の診察は5分もなかった。妻からもらった精神安定剤をしばらく使用して、無くなったら再診で来てもいいし、内科でもらえるならそれでもいいと玉虫色の話。「もうだいぶよくなった」と言ったからそういう診察だったのかも。
 看護師さんからも「今は何をしてほしいですか」と聞かれるが「別に何も」。とりあえずもうあのようなことのないように。4月に異動できればそれもいい。今のままでも何事もないように。H氏には当たり触らず。向こうが近付いてきたら逃げる。少なくとも一対一での対面はしない。
 まだ1月も始まったばかり。突発の躁状態になってからまだ1ヶ月しか経っていない。これからどうなるか。慎重に行動しようと心に誓う。