とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

グランパスは味わい深い大人のサッカーで勝利を手繰り寄せる

 Jリーグがいよいよ開幕した。グランパスの初戦はホームでエスパルス戦。相次ぐ選手の負傷交代でシステム変更を余儀なくされる中、PKで得た得点を守り切って、グランパスは見事に勝利を飾った。
 序盤はグランパスが攻めていく。8分、田中隼磨のクロスをケネディがヘディングシュート。11分、玉田の縦パスをケネディが落とし、ダニルソンのスルーパスに金崎が抜け出す。だが、今シーズンからエスパルスのゴールを守る元五輪代表GK林の飛び出しが速い。14分、藤本のFKもわずかに右に外れた。
 エスパルスはカウンターから速い攻め、両SBの上がり、両SHもからんでサイド攻撃を繰り出すが、今一つ中央で合わない。21分、PA前でごちゃごちゃとしたところからアレックスがミドルシュート。23分には高木がドリブルで中に切れ込みミドルシュート。GK楢崎がキャッチ。30分、左SBイ・キジェの強く正確なクロスがCFアレックスにわたるが、トラップがやや長過ぎて、楢崎がブロックする。
 するとその直後、左SB阿部のスルーパスに金崎が抜け出す。GK林の速い飛び出し。こぼれ球を阿部が拾って、再度PA内に持ち込むと、右SB吉田が身体を当ててブロックする。阿部が突き飛ばされてファールの判定。PKをゲットした。これをケネディが落ち着いて決めてグランパスが先制。吉田にすれば正当なブロックのつもりだったろうが、身体の当て方が強すぎた。または阿部の経験が上回った。
 エスパルスはその後も反撃する。36分、CBヨンアピンがドリブルで持ち上がり、アレックス、大前、アレックスとつなぎ、最後は新人・河井がミドルシュート。43分にも大前から高木のスルーパスにアレックスが抜け出し、シュートを放つが、GK楢崎がわずかに指先に触れてゴールから逸らしていった。ナイスセーブ。
 後半最初からエスパルスは小野、グランパスは永井を投入。玉田はどうやら負傷らしい。小野を起点に再三、好パスが出るが、グランパスの守備陣も固い。特にダニルソンが効いている。エスパルスもアンカーに置いた村松の守備がいい。両チームなかなかチャンスをつかむことができない。
 19分、イ・キジェのクロスに小野がヘディングシュート。ゴールは外したが、イ・キジェのクロスはいい。グランパスも22分、永井のドリブルからスルーパスに金崎が抜け出すが、ブロックされる。さらに23分、ケネディのスルーパスに永井が抜け出し、長駆ドリブルでゴールに迫るが、最後はクロスがDFに当たり、ピッチを外へ。
 この間、グランパスは8分、藤本が足首を痛め、磯村に交代。さらに25分には中村の負傷でダニエルを投入。3バックに変更する。エスパルスは28分、高卒ルーキー白崎を投入。だが両チームの守備がよく、チャンスは少ないが、味わい深いゲームとなる。
 終了間際の43分、グランパスのドリブルから金崎、ケネディとつなぎ、永井が抜け出してシュート。だが外れる。エスパルスも44分、右SB吉田のクロスに小野が飛び込みヘディングシュート。だがこれもコースを外れた。
 後半は両チームがっちりと組み合う膠着した展開。だが見応えはあった。終了間際、吉田の抜け出しに阿部がブロックして、ファールを訴えるシーンがあった。少しユニフォームを引っ張っていたかもしれないが、このあたりが経験の差。先発メンバーの平均年齢6歳の差が勝敗を分けたゲームだった。