とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

なでしこ、バルセロナ張りのパスサッカーでアメリカを圧倒も結果はドロー。

 キリンチャレンジカップ、五輪の前のテストマッチ、アメリカ戦。このゲームの前にもトレーニングマッチをしたそうだが、アメリカの選手たちはどことなく身体が重そう。なでしこは澤、岩清水を欠いたものの代わりに出場した田中と矢野が遜色ないプレーを見せてアメリカを圧倒。先日のアルガルベ杯に続いて勝利するかと思ったが、後半、少し運動量が落ちてきたところで、ロングボールと長い走り込みに押され、失点。引分けに終わった。
 前半からなでしこのパスサッカーでアメリカを翻弄する。9分、川澄がDFと競り合いながら大野にスルーパス。11分には近賀のフィードに大野がゴール前に持ち込むが、GKソロにセーブされる。さらに川澄の横パスから宮間がミドルシュート。GK正面。
 14分、アメリカもショートCKからオライリーのクロスにCBビューラーがヘディングシュート。この時間帯、アメリカも少し盛り返す。
 が、アメリカの攻勢も長くは続かない。22分、川澄のスルーパスに永里がドリブル、ヒールで宮間とスイッチして、川澄とワンツーの末、クロス。田中が上がるがわずかに合わない。23分にはCKから川澄がミドルシュート。27分、宮間のFKから永里がDFと競り合って、こぼれ球を阪口がシュート。
 そして32分、熊谷の縦パスに近賀が走り込み、中にパス。川澄が溜めてループスルーパスに近賀が抜け出しクロス。永里が走り込みシュート。GKがブロックしたこぼれ球を近賀がシュート。なでしこが圧巻のプレーで先制点を挙げた。特に近賀の位置取りはまるでバルセロナダニエウ・アウベス。右サイド最前線まで上がってCBからのボールを引き出した。川澄はメッシ、永里はビジャか。
 41分、アメリカもロイドのフィードにモーガンが抜け出しシュートを放つが、GK海堀がわずかに触ってコースを外した。
 後半はアメリカが攻めてくる。3分、ロイドのFKはわずかにバーの上。8分にもワンバックの落としからボックスがスルーパスモーガンが走り込むが、矢野がよく付いてクリアする。矢野が岩清水の欠場を完全に埋める出来。ボランチに入った田中明日菜も澤の欠場を感じさせないキレのあるプレーを見せていた。
 17分、田中のところで奪ったボールから宮間のスルーパスに川澄が抜け出してシュート。20分には川澄がドリブルから溜めてスルーパスに途中交代の安藤が抜け出してクロス。GKソロがキャッチ。この時間帯、アメリカは先日のアルガルベ杯と同様、後方からのロングボールにモーガンを走らせる作戦に出てきた。日本も24分、大野がドリブルで中に切れ込み、スルーパスに川澄が抜け出しシュート。GKソロがセーブ。25分、宮間のクロスからのクリアボールを阪口がボレーシュート。DFに当たり、わずかにゴールを逸れる。
 だが26分、田中のバックパスをワンバックに拾われ、落としたところをロイドがシュート。これは海堀がセーブしたが、直後の27分、ボックスからの縦パスにロイドが収めたところを田中が足を伸ばしてクリア、これがモーガンへのスルーパスとなってシュート。いったんオフサイドの判定かと思われたが、ゴールが認められた。同点に追いつかれる。
 その後は一進一退。45分、CKから川澄がシュート放つが、ふかしてしまう。結局、このままドロー。アメリカ相手に連勝する機会は逃したが、内容的には日本が上回る展開で、選手には大いに自信になったはず。
 W杯優勝で女バルセロナと呼ばれ、持ち上げ過ぎと思ったが、このゲームではまさにバルセロナ張りの内容で、W杯以上に進化している。ブラジルとはW杯でもアルガルベ杯でも対戦していないだけに、ブラジルの技巧派サッカーに対してどういうゲームを見せるのか、5日のゲームも楽しみだ。