とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

首もとの皺に年齢を感じる

 若い頃から、年齢よりも若く見られることが多かった。50歳を過ぎてもなお40代と見られることは、男性にとって別に喜ぶべきことでもない。年相応に見られず損をすることも多い。
 入社して3年目に隣のグループにいた先輩は、30代で働き盛り。明るく元気で将来を嘱望される優秀な人だった。10年ほどして、別の課でその先輩が直属の上司となった。当時は私も30代半ばで、与えられた仕事に独自の工夫を加え、いろいろとチャレンジをした。上司はそれをよく受け止め、指導し支援してくれた。
 ある時、ふと上司の首もとを見ると、多くの皺が寄っているのが見えた。その先輩も40代。なるほど年齢は首もとなどの普段は隠れたところに現れるのかと思った。その当時もまだまだ元気でリーダーシップに富んだ先輩だった。
 先日ふと髭剃りをしていて、鏡の中に自分の顔を見た。髭を剃るときや髪を梳くときに毎日見ているはずだが、部分的に眺めているだけでじっくり見ることはめったにない。額の後退や白髪は気にはなるが、年の割にはまだまだ黒いし禿げてもいない。
 これが55歳の顔かとシゲシゲと見ていたら、ふと首もとに目がとまった。皺がある。たるんでいる。いつかの先輩の首もとを思い出した。
 若い頃から、耳の下や顎の横の皮膚をつまんで引っ張るとよく伸びる体質で、それをびろーんと引っ張るのが癖になっていた。そのせいかな。もっとも55歳過ぎて、皺を気にすることがそもそも詮ない気もする。